Retriever Legend's blog

散歩好き、本好き、惰眠好き、犬大好きの彼(旦那)の戯言を僕が代弁します。

自己肯定と自己否定

2007-08-13 06:24:33 | 読書ノート
読書ノートNo.8

「まえがき」その7

「思想というものは、自我の否定力や観念の純粋な力を土台ないし要素として存在するのにたいして、感覚的なものは、受動的ただそこにあるというだけの存在だからである。思想が流動化するには、内面に直接に存在する純粋思考が全体の一要素とみなされるか、あるいは純粋な自己確信が断念されるかのいずれかが必要である。22P」

深読みするとかなり小難しいので、「自己肯定」と「自己否定」との選択としておきます。
ちょっと余談になりますが、お喋りの「自己肯定」派、皮肉屋の「自己否定」派と見ているところがあります。
ついでにもうひとつ、よく「自死」は己を否定して死に至る究極の「自己否定」と言われますが、違います。
最後に死に至る己を肯定していることから、究極の「自己肯定」の結果です。

*精神現象学 (ヘーゲル 長谷川宏訳 作品社 1998年発行)


 蕎麦の花です、ワン。


読書ノート番外編

2007-08-12 07:45:15 | 読書ノート
読書ノート番外編

 新左翼の遺産 その2

約40年前に端を発した新左翼運動を『新左翼とポストモダンには、国家対個人、政治権力対人権、・自由、という対立図式を基本にもつ近代的啓蒙主義者(モダニスト)からの発想転換』と『普通の人々・マジョリティによる「権力行使」としての「加害」についての認識である。西欧のポストモダンにおいては、近代社会がもつ(暗黙の)特権者と非特権者の「差異」の問題として認識され、同時に非特権者のアイデンティティの剥奪として問題化された。』の二つの面から、新左翼のおよびポストモダンによる社会認識の転換の意義を考察する。としています。
*『 』は序章より引用。

50年後半から登場した思想、政治運動、文化運動・文化現象の総称とし、その世界的現象の背景として『政府による経済の管理と福祉の誕生という社会主義が掲げてきた二大目標が、社会主義国家の移行(生産財の私的所有の廃止と全面的計画・統制経済の導入)によることなく実現した』、『社会主義に移行した国家において政治的抑圧が甚だしく、さらには資本主義国家で実現した豊かさが社会主義国家では到達できない』、『核による大量相互破壊の可能性がこれに加わった。体制選択以前に、全人類の破滅を回避しなければならないという緊急の課題が生まれた』3点の背景があり、それぞれの背景の内容を先進諸国と日本について展開されています。
書かれた背景、定義などについて細部では異なる見解もありますが、異議は、根本的な異議はないと考えます。
*『 』は第一章「一世界的現象としての新左翼の誕生」より引用。

新左翼のラディカリズムと「新しさ」の観点から思想、運動の面から『社会主義・既成左翼をエリート主義化かつ官僚主義化した思想・体制であると批判』、『企業・工場、大学、医療機関などでの内部権力関係を正面からとりあげる』、『現実の労働運動に大きな比重をもつことはなかった。略 むしろ他の様々な解放運動(平和運動、マイノリティの運動、発展途上国の反植民地運動)と結びつく傾向があった』、『代議制批判や国家権力の問題への第一義的関心からの脱皮という面において、近代的民主主義原理と鋭く対立する』と整理し、近代思想そのものへの根源的批判の芽を宿している。よって、ポストモダン哲学の先駆的存在であると新左翼の位相を確認しています。
社会主義=モダン思想として批判し、モダニズムの限界を突破する運動の契機となりましたが、前回にも書きましたように、「ポストモダン哲学」そのものを論じているわけではない為、深みがなく曖昧と読み取れるのはやむ得ません。
*『 』は第一章「二ポストモダン的発想の登場」より引用。


 鹿児島生まれだけど、暑いのは苦手だワン。


小阪修平

2007-08-11 15:38:51 | 未分類
小阪修平氏が亡くなられました。

朝日新聞に掲載されていました、朝日カルチャーセンターの講師をされていたからでしょう。読売新聞にはありませんでした。

思弁の位相に疑問を持ったときに、素養として確認する著者が何人かいますが、そのうちの一人でした。

ご冥福をお祈りします。 合 掌。


被爆情報

2007-08-11 12:18:21 | 東電 柏崎・福島原発の放射能漏れ
原発作業員が被爆したのか、次のような報道がありました。

原発作業員、核燃料プールの水かぶる 中越沖地震時(08月07日朝日)
 新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原子力発電所は6日、発生時に1、6号機にいた複数の作業員が、揺れの影響で使用済み核燃料貯蔵プールからあふれ出た放射性物質を含んだ水を体に浴びていたと発表した。全身を覆う作業服などを着ていたため、人体に影響はないとしている。以下略

論壇の記者倶楽部(08月08日)に次の書き込みがありました。

「 先週、某週刊誌が “被爆情報” を追っていたが、その記事は出たんだろうか。 『 2名、被爆で入院中 』 という噂が消えない。 東京電力に恨みのある勢力から出された情報だが、まんざらウソでもないという話もある。 入院先は、東京の文京区だという。 私どもも鋭意取材中ではあるんですが・・・ 」 (地元記者)

東電の発表をそのまま信用できません。

新潟県中越沖地震の原発への影響を調べる調査対策委員会の班目(まだらめ)委員長は、
「見た目では重要機器に損傷はなかった。しかし、本当に健全性が保たれているかは詳細に見てみないとわからない。現段階では運転再開について語る状況にない」(原発の耐震性検証へ 国の調査委が柏崎刈羽原発視察08月08日朝日)
また、
国際原子力機関(IAEA)のフィリップ・ジャメ調査団長は、「今回は情報と教訓を集めた。まだ結論を出す段階ではない」(柏崎刈羽原発、IAEAの調査終わる08月09日朝日)
と述べていますが、双方とも原子炉内を調査していません。

柏崎刈羽原子力発電所の地盤や中越沖地震被害の報道、東電の隠蔽体質を考えると、「廃炉」の選択しか残されていないと考えます。

公共事業チェック議員の会(鳩山由紀夫会長・保坂展人事務局長)が、08月08日に経済産業省原子力安全保安院と東京電力に対して「各原子炉の時刻歴チャート」、「地震時の原子炉の挙動」などの資料提出を求めました。(詳細は「保坂展人のどこどこ日記」をご覧下さい。)

その結果を注目します。


   札幌市水道局「水商売」

北電泊原発の叛原発確信犯による放火が止まりません。「泊原発6件目不審火(08月08日道新)」
北電は人のマネジメントができません、巨大技術のマネジメントはもっとできません、と自らPRしているようなものです。


江田五月

2007-08-10 06:41:05 | 読書ノート
読書ノート番外編

新左翼の遺産 その1

江田五月がニコニコして参議院議長になりました。
違和感を覚えたのは僕だけでしょうか。
日本社会主義青年同盟の影響下にあった東大教養学部自治会の委員長であり全学ストを指揮したため退学処分(後に復学)を受けたことは、何処。

「新左翼の遺産ニューレフトからポストモダンへ」(大嶽秀夫著 東大出版)をメモします。
このテキストをメモする気はなかったのですが、江田五月のニコニコを見て簡単なメモをとる気になりました。
六全協から現在に至るまでの何かが炙り出されると考えます。既成左翼の対極にある人間の「ありよう」、「いきざま」、「りゆう」などが炙り出されると考えます。

本書は、サブタイトルからも分かるように、先進国に共通する事象として新左翼からポストモダンが派生(生まれる)したように、新しい社会運動と思想が生まれた新左翼の登場を考察しています。
著者は前期新左翼と後期新左翼と分け、前期新左翼について考察しています。

僕自身は、通低には同質の流れがあると考えています。
本書は、実存的な虚無に深みを与えきれていないことを前もって記しておきます。

次回(?)からメモをアップします。


 彼女お気に入りの「ガクアジサイ」です。