Retriever Legend's blog

散歩好き、本好き、惰眠好き、犬大好きの彼(旦那)の戯言を僕が代弁します。

共同体世界

2007-08-14 05:49:45 | 読書ノート
読書ノートNo.9

「まえがき」その8

「精神の日常的なありかたである意識は、知という極と、知の対極をなす対象という極の二つからなっている。23P」

「意識のなかで、自我と自我の対象たる共同体世界とのあいだにずれが生じるとき、そのずれは共同体世界を分裂させる否定的なものである。だから、ずれのあることは対立する両極の欠陥と見ることもできるが、じつは、両極を運動へと誘う原動力なのである。23P」

ひとつの思弁の契機であり、個々人それぞれの思弁の契機があります。
自我の対象は、「共同体世界」だけではなく、「自然」に対してもズレ、対立、否定をみることが出来ます。
ここに吉本隆明「共同幻想論」のネタのひとつが書かれています。自己幻想、対幻想、共同幻想という構造は著者の独創です、念の為に。

「本体そのものがその本質からして否定体であって、内容に区別や特殊な性質が生じるのも、本体が本体そのものと知に二分されるのも、本体が否定体なるがゆえである。25P」

「自己否定」を是とすることになんら違和を覚えませんが、日常生活のために「自己肯定」派が多数であり、また、自分自身の中で、生き易さのために使い分けている所があります。
これが、「共同体世界とのあいだにずれ」のひとつです。
問題なのは、その質なんですが ・ ・ ・


テマリアジサイが雨を欲しがっていますニャー。



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1 コメント

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 対象を肯定するも、否定するも、その人間の持っている価値観が肯定的に貫かれた結果だと思います。 (晴走雨読)
2007-08-14 08:49:36
 虚言ついても、価値観を裏返して表現するという肯定的な意思の表出だと考えます。

 しからば、自己を否定するとはどういうことなのでしょうか。
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