直接行動

厚生労働省高級官僚の殺傷に係る、非暴力直接行動の簡単なメモです。

米軍機は、成田空港を使用することができません。

棍棒で頭を割られ、血が噴出し、倒れるものが次々と出ても、僧侶たちは動ぜず、ひたすら読経を続けた。機動隊の暴行によるその場面は、まさに凄惨と言うにふさわしいものだったが、私は、読経を止めぬ妙法寺の僧侶たちの行動に激しく心を打たれた。
（98.08.01　吉川勇一「非暴力と非合法」の一九五六年の砂川闘争より）

文中の妙法寺は、新東京国際空港4000メートル滑走路建設予定地に平和塔を建立し、平和塔移転について、　72.04.15に、運輸大臣、千葉県知事、新東京国際空港公団との間で「取極書」を交わしました。

第三条　平和塔等の遷座、移転にあたって、乙等は次の事項を約束する。
　一　新東京国際空港は純然たる民間空港であり、安保条約およびこれに基づく地位協定の存在にもかかわらず、これを軍事的に利用することは絶対に認めない。（同取極書より）

＊乙等とは、運輸大臣、千葉県知事、新東京国際空港公団のことです。



直接行動は、暴力、非暴力を問わず違法行動です。
（例外的に、客観的法秩序に違反しない場合には違法性が阻却されます）

非暴力直接行動には、道徳性が不可欠です。
暴力と非暴力の境界は曖昧です。

公憤にもとづく直接行動は、政治責任に帰結します。
暴力、非暴力を問わず直接行動は、民主主義が本来持っているリスクです。

高級官僚の殺傷も、そのリスクが具現化した「政治テロ」です。