Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

Landscape47. 名古屋市中村区2.

2008年03月26日 | field work
 名古屋市中村区には、中村遊郭があった。10年前には、その名残をみることがぎた。料亭にみられる朱塗りの壁の日本家屋、苔むした屋根をいただく小さな門などをみていると、そのように感じられた。その他にも、周囲を歩くと随所に当時の片鱗が伺えた。例えばこの写真に示した旅館の屋根に見られる文様や、街の店舗の周囲に見られる、角の丸くなった窓枠などがそうであろう。 当時は、街の姿を留める風景を探し歩いていたのだで、 遊郭街を撮ろうとしていたわけではなかったが、後で調べたら往事の姿を留めていたのに気がついた。といって、今頃撮影しても建物の機能は既に失われ、そして変化しているのであるから、古い街の写真でしかない。
 名古屋は、戦災に遭遇しているので、市内を流れる那珂川から東側の町の大半が消失した。そこには名古屋城も入っていた。名古屋城炎上時の写真が、現在復元された名古屋城内部に展示してあった。屋根瓦が焼けるときの色であろうか、青白い炎が名古屋の街の夜を染め、激しい轟音とともに崩壊してゆく様子を描いていた。当然名古屋の街も戦災によって、大半は焼かれていた。現在では、 68年経っている ので、もう戦後とはいわなくなった。昔の名古屋の街の姿を知るものは、大変少なくなってしまっただろう。
 旧中村遊郭は、私が訪れた時から10年は経ってしまった。 古い建物群が点になり、やがては消滅してゆく。様々な建物が消えていったであろうと思われる昨今である。

撮影年1997年6月
LEICA M4-P,ElmaritF2.8/28mm,トライX
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