小説:小樽の翠は、最初の頃小樽で撮影した街の画像を使用していた。しかし画像では人間が扱えないこと。誰でも撮影出来る画像はオリジナリティに欠けること。扱うにしても隠喩的な使い方しかできないといった事がある。だから早々に私が描いたイラストに変えてしまった。
そしてコロナ過で家籠もりの時間が増えたこともイラスト化が続き現在に至っている。以後このブログではドローイングという新カテゴリーを設け分類している。そしてマーケティングのPERSONA法を用いて、現代とは真逆のライフスタイルのシュミレーションを続けているのが、このドローイングシリーズの立ち位置である。
従って他者が撮影した画像を流用する事は、このシリーズのコンセプトから外れている。だが社会はオリジナリティだのクリエイションということとは無関係に、インターネット上で他者の裸体が幾重にもコピーされた画像がメディアに流れ自殺者が出るなど社会問題化してきた。トップ画像は、そうした事件を敷衍してアメリカ司法委員会でおこなわれた公聴会のニュース画像(注1)を引用した。
それは今年の初めに消失したアルバムコレクション(注2)が問題視された事件である。因みに現在はカプセルシェア(Google play)に引き継がれて生き残っているけど・・・。
そもそも自分で制作も編集もしない画像を、言いなりになって共有させるという安易で主体性のないユーザー意識もいただけない。それが児童であるならば親が守るべきだが守り切れなかったわけだ。私にいわせればクリエイションしない画像をばらまくのは論外の出来事だ。少しは自分でクリエイションを勉強しろよ!、と私はいいたい。
社会問題の骨子は、プラットフォーム企業は何も責任を取らないということがアメリカやユーロ圏では問題視されている。
例えば日本のサイトから以下の記述を引用(注2)する。
アメリカ司法委員会の公聴会で・・・
「発言したのは民主党のエイミー・クロブシャー上院議員。今年1月にボーイング社の飛行機からパネルが吹き飛ばされた事故と比較し、こう疑問を呈しています。
『数週間前にボーイング社の飛行機が飛行中にドアを紛失したとき、運航を停止にするという決定に疑問を抱く人は誰もいなかった。ではなぜ、私たちは子どもたちが死にかけていると知っているのに、こうしたプラットフォームの危険性に対して同様の断固とした行動をとらないのでしょうか?』」
フィジカルな事故とメンタルな事故を同列に扱うという乱暴な論法に私は辟易するが、メタのザッカーバーグ氏は「あなた方が経験したすべてについて申し訳なく思います」と述べたそうだ。今GAFA企業の社会的責任が問われている。そんな情報をTensa(注3)のサイトで読んだ。
YouTubeのサイトでは、動画をアップさせる際に子供用か、大人用かを質問される。当然私がアップする動画は全て大人用に設定してある。それがgooのブログにないのは少し不思議だ。今時このブログ程度のオペーレーションは小学生でもできるからである。面倒くさいけど、その程度の分類はあってもよいと私は考える。
そんな事件後、美術館をゆうする化粧品会社のサイトから、ピカソの「女と子供」と題する絵画の画像が消えていた。もともとピカソは性的描写の大好きな画家であり、そうしたスケッチも発見されているが発表できないとなると、抽象画の技法を開発したぐらいだ。それがキュビズムとして表現様式を形成してきた。
そんな性的モラルを社会的にみれば、歴史的時間によって緩くなったり締まったりするようだ。インターネットが登場しアダルトサイトが登場すると、社会は反射的にモラリティに向かってバランスをとろうとする。だから今、そしてこれからはモラリティの時代に向い続けてゆくと私は推測している。
そうしたモラリティある律儀な考え方を地政学的に捉えると結果として対立の構図を生むというのも今の特徴でもある。モラリティという概念は国によって全て違う。だからウクライナとロシア、イスラエルとパレスチナ、水利権をめぐるエチオピアとエジプトなどといった具合に結果として紛争に発展する。どちらも自国の律儀で規範的なモラリティを立てて対立している。それが地政学的に対立の構図と紛争を形成している。私にいわせれば、規範主義の大好きな文科系知識体系の誤算だろう。
これからも規範的で律儀な社会を目指そうとすれば、対立の構図は、さらに数多く発生してくるだろう。そうした二項対立構造では正と反しかない。なんでも二項対立に追い込もうとする文科系学問の最大の欠点だ。今は、そのような二項対立構造では解けない問題が多数あるのが現実である。構造的だから議論しても解決は出来ない。だから新たな構造を探すほかないのである。そうしたクリエイションをする事が必要だと私は解釈している。
注1):YouTube:Social media CEOs testify before Senate committee on child safety | full video CBS News
注2)AppleのiPhon用 アプリ。これを用いて日本人が児童裸体などを流通させるネットワークをつくりあげ、アクセス数トップとなり億以上の費用を受け取っていた。結果アメリカでは性的画像の拡散により自殺者まで出し社会問題となってきた。このアプリは2024年初頭に廃止された。
注3)誰が私を拡散したのか、性的画像の拡散被害に遭われている方々へ(22)
Tensahttps://tansajp.org/investigativejournal/10520/