Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング722.小説:小樽の翠634. 幕間ドローイングの描き方4.

2023年04月14日 | field work

 4月10日の私のブログにアップさせたイラストの解説です。
 さて透明水彩絵具のもう一つの絵具といってもよいのが水だ。画面を湿らしたり、水滴にしたりと、水分量次第で溶いた絵具が描き出す文様が美しい。これを活かさない手はない。
 樹木を描こうとするときは、描く範囲を水で湿らせておくと絵具を垂らすだけで、そのまま自然の樹形や枝振りになってしまう。もちろん樹木だけではなく海の波などもこの方法で描くことができる。
 このように透明水彩絵具は、絵具と水とのせめぎ合いの中で表現できるところが面白い。そうした面白さを絵を描いてゆく過程で多数発見し、これを何に見立てるかと感性で判断しながら加筆してゆく。だから最初に描こうとしたランドスケープとは違ってくる場合もあり、例えば湖を描いたつもりが、リアルな公園の池になってしまうことだってある。そこが透明水彩絵具の素晴らしいところだ。
 そした水と絵具のせめぎ合いも、加筆してゆくうちに他の色でつぶれてしまうこともあるし、乾かないうちにドライヤーをかけると水分が広がり樹形が消えてしまい、それは残念でしたということもある。
 その水の塗り方も全面を塗ったり、オブジェクトだけを塗ったり、或いはそれ以外を塗ったり、後から追加したりと、水の塗り方にも技法があるだろう。
 そんな風に加筆を繰り返しているうちに、なんとかみられるかなぁーというところで筆を置くわけだ。水の中で広がる絵具は、透明水彩絵具ならではの技法を発見されてくれる。

名残あり山の雪722 HD 1080p
トップ画像:小樽運河/NIKON Df、CaelZeiss MacroPlanar100/f2.0ZF
映像:SONYα6000、E f3.5/30mmMACRO
コメント
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