唇が、いや身体がうずくのさ、湯谷のような空気だ、路地の陽だまりが嬉しい、といずれも画像補正を強調して俗っぽい京都の空気にしてみた。このように画像が暗すぎると、先日のInstagramの話のように黒を締めるでは画像が真っ暗になるので、逆に白を締めるようにして彩度をあげカラーバランスをブルーに引っ張った。
十数年前、名古屋市那古野地区を想定し、湯谷と座敷と宿屋をセットにした和風建築による今様揚屋を考えていた。揚屋は、「近世、遊里で、客が遊女屋から太夫、天神、格子など高級な遊女を呼んで遊興する店、小学館、日本国語大辞典」とある。
今時遊女はいないのだから、現代風に再定義し、宴会そして男と女の遊興する店といったらよいか。というのもカップルの行動をみれば、観劇映画、次はレストランで食事、最後にホテルと個別に利用してゆく。ならばそれらを参照して、観劇の代わりに温泉を設け、温泉、座敷、宿屋をセットにして、和風空間とサービスのクオリティをあげた店を「今様揚屋」と再定義しておこう。そんな今様揚屋という都市型施設が考えられるのではないですかとする構想だった。
温泉に入り、座敷で宴会に興じ、飲み且つ食べ疲れたら宿屋に引き上げ、仲居さんを呼んで布団でも敷いてもらえば、あとはお好きにの世界だ。つまり温泉地の保養スタイルを都市に持ってくればよいではないか、というものだ。名古屋だったら利用者は、カップルが一番多いかな。
そんなのが京都の祇園にもあってもよいと考えていた。実際に過去には京都島原の角屋が文化サロンとして存在してきた経緯もある。だから新しい機能を入れて温泉、座敷、宿屋の現代の和風揚屋3点セットがありえるだろう。
お湯は北白川の温泉でも運んでくればよいし、京都は仕出し屋が発達しているので回りの料理屋から京料理を届けさせればよいし、芸子をあげてというのであれば座敷があるし、そのまま宿屋にしけこむカップルもいるだろう。朝は京都の茶粥などでもてなせばよいか。そんな今様揚屋が祇園にあってもよいし、調度祇園歌舞錬場のとなりに大きな敷地が空いているではないか。団体とカップルという相反するキャラクターを同時に扱うから、この運用には、もう少し研究してみる必要があるが・・・。
というのも京都の夏は、猛暑だから汗だくなのよ。それでいきなり空調の効いたお座敷で宴会をして身体は急激に冷え切り、帰る頃には体調が完全に狂い、それでお土産を持たされて帰るわけだけど、翌日は夏風邪で寝込んでいたりする。どう考えても快適とは思われない時間の過ごし方だから、いっそ温泉で汗を流し、それから宴会に打ち興じて、そのまま泊まれた方が身体にも良いし極楽感があると思うけどなと考えていた。さて今様揚屋の名前は「千」にしようか、一十亭でもいいけどさ・・・。
名古屋市那古野地区を想定して考えた今様揚屋のイメージ。
京都市祇園、木屋町筋
SONYα6000、E10-18mm,F4.0
1)ISO3200,焦点距離10mm,露出補正-0.3,f/4,1/60
2)ISO8000,焦点距離10mm,露出補正-0.3,f/4,1/60
3)ISO4000,焦点距離18mm,露出補正0,f/4,1/60