Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE964. 芝居小屋

2014年06月11日 | field work
 さて中国・四国視察の最後は、内子座でもみてゆこう。
 内子座は、昔の芝居小屋である。だが私達が訪ねたときは、催事を行っており内部は見ることができなかった。今でも現役の劇場であり芝居小屋なのである。こうした芝居小屋は徳島県の脇町でも見かけた。
 昔の人の娯楽に対する思いが伝わってくるようだ。つまり今でこそ娯楽はテレビやインターネットとなってしまったが、当時は田舎にも娯楽が旅一座として頻繁に回ってきたのだろう。しかもそれはライブなのである。
 ポスターから見るとなにやらアーティスティックな催しのようだが、私に言わせりゃ、そんな気取ったものよりは、旅一座の田舎芝居の方が面白いように思うけどな。みんなで笑い転げて、幸せになるという案配だ。だが最近では、その旅一座というものも、すでになくなってしまったのであろう。
 そんなことを考えていると、写真家森山大道さんの「にっぽん劇場写真帖」という作品集を思い出す。それはまさに旅一座を追いかけた作品であった。あのバタくさい癖のある世界、それは昭和40年代までは、たしかに日本のローカルな世界にあった風景でもある。
 今は、町もこぎれいに整頓され、エコカーが走り、そして大変つまらなくなった。そんな町の往事の残渣を拾い集めて行くのが、最近の伝建地区徘徊の習わしになってしまったようだ。
 さて、そんな往事の芝居小屋も、今では随分上品になったものだと思いながら、私達は現代の海道を北上して帰路についた。

愛媛県内子町
OLYMPUS E-M1,M,ZUIKO DG12mm/F2
ISO320,露出補正-0.3,f5,1/500
コメント
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