書道家Syuunの忘れ物

趣味のパソコンやカメラの実機レビュー、書道展の情報発信、CyberLink MVPなのでYouTube配信をしています。

超低金利時代の弊害・年金破綻の危機について考える

2009-05-28 20:02:01 | 読み解けば‥‥

超低金利時代の弊害・年金破綻の危機について考える

毎日新聞2009/05/28の社説は、「年金の危機 制度改革を遅らせるな」と言うものだったが、26日の国会質問では野党民主党が自民党を攻撃していた。
確かに、金を官僚に任せると箱物を作ったり、天下り先に金を渡したりろくな事にならない。しかし、実際は野党が自民党を攻撃すると言うより、経済政策に関し自らの責任もあるのではないだろうか。
毎日社説では「来年70歳になる人の厚生年金額は生涯にかけた保険料の6.5倍だが、30歳未満だと2.3倍止まり。これでは若い人の年金離れを一方的に批判するのは酷だ。」と実態を述べている。
うちのとっくの昔になくなった父を思うと、驚くほどの共済年金と厚生年金を貰っていた。戦前は厚生年金制度というものは事実上無く、実際は昭和30年代にはサラリーマンは厚生年金、公務員は共済年金加入と言う形になった。
父の場合、民間に約10年いてその後戦争で軍隊に2年、復員して職がなかったから国家公務員試験(二級官試験‥高等文官試験廃止)を取って公務員に。
それも、二級官試験がその後「中級職相当」へ格下げになったから、結構苦労した公務員生活だった。それが25年その後民間に移って‥‥
軍隊は、その分年金が2年早く付いたそうだ。
近年書道をやっている先生は、年金生活だから‥‥と連呼するのだが、少なくとも小生が年金を貰える時代には、「年金」で生活できるレベルではない。
しかも、我々子育て世代というものは、東京に子供を4年間出すだけ最低1,000万円かかる。
実際問題としては、中学生からなら2,000万円もかかる。子育てを終わって、年金生活だから「金がない」など片腹痛いものだ。
うちの叔母など、雨漏りするボロ屋に一人暮らしで住んで、贅沢するワケでもなく唯々(ただただ)預金通帳と株の値段の数値が上がるのを楽しんでいたらしい。
亡くなった後には、細かく付けられた日記とノートがあったそうだ。
そんなボロ屋に住むから最後は、寒かった風呂場で倒れて大騒ぎだった。

そんなことは兎も角も、年金と言うものは、元々4-5%の運用益で回すはずだったと思う。
それがゼロ金利、低金利というお陰で企業年金も破綻に近づくし、社会保険組合も解散など当たり前になった。
要するに、日銀の従来型の経済理論にない低金利政策という「負の遺産」がとうとう表面化してきたと言う事だ。
今まで、低金利やゼロ金利のメリットだけ強調されてきた。低金利だから国債の利子が少なくて済むとか‥‥
企業に資金を貸し出しやすくするとか、中小企業救済だとか‥‥
実際は、貸し渋り、貸しはがしが横行したのは国民が共通して知れるところであって、低金利だから企業に金が廻るわけではないと言うことが証明された筈だ。
それでも低金利政策を続ける。
本当に何故なのか分からない。
米国の金融バブルの時は、日本を好景気にしないという政策で常に米国より低金利に留め置かれ、最近特に批判されている円安バブルを引き起こした。

結局、年金に「大金」の税金を注ぎ込む事になり、国債に関しての低金利メリットなど吹き飛んだ。
しかも、年金基金は米国でもやらない株に投資したりして、利子、利回りどころか何兆円も損をした。
そして、この低金利時代を通して、米国の金融バブルであったにも係わらず精々2.5%程度の利回りだったと言うからどうかしている。
2.5%なら一時期米国やEUに預金していればそのくらいの利子が付いたものだ。
低金利時代が長引くほど、デフレと不況が続くというのは、日本による実験でいずれ証明されるときがくるだろう。
しかし、そこまで日本が何処まで持ちこたえられるか、又実験が続く。