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「無利子非課税国債」、政府紙幣発行の景気対策の大笑い

2009-03-12 23:16:16 | 読み解けば‥‥
「無利子非課税国債」、政府紙幣発行の景気対策の大笑い

自民党の「政府紙幣・無利子国債発行を検討する議員連盟」は、与謝野財務・金融・経済財政相に、相続税免除条件付「無利子非課税国債」の発行を求める緊急提言を提出した。
(読売新聞)
この政府紙幣発行、相続税免除条件付無利子国債発行というのは、元々産経新聞に田村某産経新聞特別記者氏が寄稿し、同一内容を雑誌「正論」の3月、4月号にも述べていることである。
ここで、自民党議連では「政府紙幣発行」を「実質的に日銀が無利子国債を直接引き受けることと同じだ。(読売新聞2009/03/12朝刊)」として最終的に「政府紙幣は非現実的」と避けた。
一方、「無利子非課税国債」は、自民党議連が「眠る資金活用」として提言している。
「与謝野財務相は議員らに、『日本は1500兆円以上の個人金融資産があるが、60歳以上に集まっている。本当に必要な人に(政府が)お金を使えるようにしないといけないという同じ問題意識を持っている』と語り、提言を前向きに検討する考えを示した。」(読売新聞Web版)
「正論4月」号p94「オバマ神話が崩壊しても慌てるな・危機を好機にできる日本の力」で田村某氏は、「政府紙幣の発行」にご執心のようで政府紙幣が発行された時の効用を説いている。
その目的は、「紙幣増発が高すぎる円相場を下げ、デフレを止める。」とある。
この田村氏が思い描いていないのが、「政府紙幣」をどの様に使うかである。一応米国のオバマ政権のように「環境問題、太陽光発電」などを述べているが、所詮米国の受け売りのようなもの。発想が貧困なのである。
実は、この田村氏も口が滑ってしまった様に、「政府紙幣発行」も「相続税免除条件付無利子非課税国債」も結果として「赤字国債を増発」せずに金を出すと言うことである。
はっきり言って虫の良い話。
しかも、「政府紙幣発行」も日銀が最終的に引き受けなければ「流通しない」。
なぜなら、銀行で預金の出来なければ換金も出来ないからだ。
早い話、国が発行した「商品券」の様なもの。日銀券と替えることが出来るならば当然日銀に集まるというものだ。
景気対策だと言うのなら、今回の「定額給付金」の様に20兆円もばらまけばよいが、最終的に赤字国債と同じになる。
どう考えても、自民党の議連と同じ結果だ。
万が一、上手く流通して「インフレ」になれば一番困るのは年金生活者の「お年寄りだ」。年金は、おいそれと上がらないし、虎の子の金の預金利子はゼロに近い。
この政策で、政治はやれないだろう。
そして、相続税免除条件付無利子国債について‥‥‥‥‥‥
「相続税に悩んでいる高齢者らに無利子国債を買ってもらい、その代わり相続税を免除する」と述べているもの。
自民党議連でも述べている通り、相続税財産の6割以上が株と不動産である。
現金で何億円も持っている人などは極めて希な人達だろう。
議連では、土地や株を売り払って「無利子非課税国債」に変えられたら困るという提言があるが、普通「株」と言えば自社株である。
中小企業のオーナー社長なら株を売るわけに行かないし、使っている土地をも売るわけに行かない。そして、土地を担保に銀行から借金をして金を回しているから、相続税としての金などない。
こんな対策を打って景気対策になるかと言えばなるはずがない。
なぜなら、本当にすべきことをこの二つの対策で逃げているからだ。
早い話、逃げているものの代案というわけ。
薬でも、「ゾロゾロ品」が本物より効き目が悪かったり、効かなかったりすることがあるが、政策も全く同じ。

要するに、「政府紙幣発行」とは公定歩合、政策金利を上げて預金者に利子を付けること。
又、「無利子非課税国債」とは、相続税の廃止である。

だから本当の景気対策というのは、「利上げ」と「相続税の廃止」と言うことになる。
今の共産主義型の官僚政治体制だと、どう転んでも政策としてあり得ないことだろう。

しかし、こんな政策の代案しか浮かばないというのは、雑誌「正論」に掲載している「試験秀才と謎解き秀才(伊藤貫)」を読むとなるほど、なるほどなのである。
「試験秀才」とはいわゆる「学校秀才」のことで、現代なら東大卒の中央官庁の官僚。
戦前なら、幼年学校、士官学校、陸大出の参謀殿と言うことになろう。
昔から、実業世界では東大卒が役に立たなくて、官僚や銀行、マスコミ、一部の民僚化した大会社などにしか存在しなかった。
昔から営業はいわゆる当時の三流大学出、技術は地方の旧帝大か駅弁大学出に決まっていた。
経済では、米国や英国に留学して、旧陸軍参謀の様にMBA、博士という参謀肩章をつけて物を言っているが、誰もノーベル経済学賞を取った人はいない。
「試験秀才と謎解き秀才」で「日本社会には『謎解き秀才』タイプの人材があまりにも希少と感じる。」とある。
理系では、「学校秀才」というのはほとんど通用しないから、「謎解き秀才」も多いのだろう。
しかし、「結果が曖昧」な文系の経済、政治の世界というのは、米国の「模範解答」の復唱又は、「中国の模範解答」の復唱でしかものを考えない人物が多すぎる。
この田村某氏も与謝野財務相も「模範解答」派であることが、今現在の日本の苦境を浮き彫りにすると言うものだろう。