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The Target (Will Robie3) by  David  Baldacci

2014-05-05 11:10:13 | 読書感想


アメリカ大統領は核開発を積極的に進める北朝鮮に危惧の念を抱いていた。彼は、この事態の解決に苦渋の決断をする。彼は、CIA長官 のEvan Tuckerが提案した北朝鮮の最高指導者の暗殺計画を承認する。そして、その計画に同調して行動する予定の北朝鮮軍のNo2、Pak 将軍に彼の言質を与える。

Tuckerはこの作戦の遂行に最適な人物としてWill RobieJessica Reelの二人を指名する。ただし、Tuckerは前回の作戦で二人が上司 の命令に従わなかったことを問題にし、再教育の必要があるとして二人をCIAの訓練所に送る。
かって自分の部下の副長官をReelに殺されているTuckerは、二人が過酷な訓練に耐えられず死ぬことを願っていた。彼は 二人が死んだ 場合に備えて、予備の人選を終わっていた。
RobieReelはこの再訓練でのTuckerの殺意を察知するが、この仕事にプライドとやりがいを感じている彼らは、この訓練を受ける決心 をする。

そんな中、北朝鮮国家警察はイギリス大使館員Lloyd Carsonが敵対国アメリカの情報員と接触しているのを突き止める。事態を重視した国家警察は、Chung Chaという女性に彼の行動を監視し、米情報員との会談の内容を探り出すよう命令する。Chungは20代という若さだが凄腕の暗殺者として上層部から信頼されていた。
北朝鮮を離れ欧州を旅行中のLloydを監視していたChungは、ルーマニアのホテルに投宿した彼の部屋に侵入するが、監視されているのを 察知したLloydの待ち伏せにあう。しかし、なんなく反撃し、彼を殺す。彼女はLloydの持っていた携帯電話の履歴をチェックして、最近 かけた番号に電話した彼女は、電話に出た相手がPak将軍であること知る。

CIA長官のTuckerLloydが殺されたという知らせに顔面蒼白となる。ただちに大統領と面談したTuckerは、もし、Pakが当局に拘束され 、北朝鮮首領の暗殺計画とアメリカの関与を彼が吐露した場合、アメリカは世界中から非難を浴び、アメリカの権威は失墜すると説得し 、渋る大統領からPakの暗殺許可を得る。

Tuckerは、訓練所にRobieReelを訪ね、暗殺計画の発覚を察知してフランスに逃亡潜伏しているPak将軍の暗殺を二人に命令する。

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ヒロインは北朝鮮の暗殺者Chung-Chaであるよう。とても 惹きつけられるキャラクター。wrong place wrong timeという言葉があるが Chungはまさしくその言葉があてはまる。生きるためには暗殺者になるしか選択の余地がなかった。彼女は、生き残るためには家族も犠 牲にするしかない収容所から這いあがって家と車を持てるようになり、北朝鮮では人並み以上の生活をしている。しかし、仕事をしくじ ったらすべてを失い、また収容所に戻されることを危惧しながら生活するすさまじい生きざま。北朝鮮の生活の一端がよく描かれている と思う。

読み進むにつれて、この若き孤高の女性暗殺者にどんどん親近感を増していき、好きになっていく。どう考えても最後は、・・彼女が成 功すればRobie達が失敗する事になり、それはありそうもないから・・、彼女にとって、いい結果にならないと思い、だんだん読むのが 辛くなっていく。

しかし、予想外の展開になりビックリ、そして、読み終わった後、ジーンと心に残るものがある。特に、Chungが強制収容所から連れ出 したMinに"My name is Min. I am ten.Will you help me?”という英語を彼女に暗唱させる、その意味が分かったときは泣ける。

二人が再教育のために訓練施設に送られ、肉体的に過酷な訓練を受ける様子や、精神科医との面談などの場面がえんえんと綴られていく のだけど、読む方としては退屈だった。

Kindle版 ★★★ 400ページ 1022円

Will Robieシリーズ   The innocent (#1)  The Hit  ( # 2 )  The Target ( # 3)

 


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