20年前、キャンプ場の森の中で4人の若者が行方不明になり、捜索の結果、2人は刺殺体で発見され、あとの二人も遺体は発見されなかったものの、血まみれの彼らの衣服が見つかったことから同じように殺されたものと思われた。
その殺されたと思われるひとりに Paul Copeland(コープ)の妹Camilleがいた。キャンプ場で働いていたコープは殺人が行われた当日、巡回当番だったが 巡回をさぼり、恋人のLucy(ルーシー)とデートしていた。
妹たちを殺した犯人に対して憤りを感じたコープは 現在、検事となってそれらの凶悪犯を糾弾していた。ある日、コープのもとに二人の殺人課の刑事がやってきて 身元の確認を依頼するが その遺体は偽名を使っていたが 20年前に殺されたと思っていた若者、Gil Perez(ジル)だった。
ジルが生きていたなら妹も生きているのでは?と考えたコープはこの20年、ジルがどうやって生きてきたのか、また、森の中で実際に何が起きたのか調査を開始する。
一方、キャンプ場の殺人事件のあと 名前を変えて過去との連絡を絶ち大学の教職に就いているルーシーのもとに匿名のメールが届く。
そこには ルーシーが語っている形で 事件のあった日の様子が コープが仕事をさぼりルーシーとデートしていたことなど、一部正確に書かれておりルーシーを唖然とさせる。ルーシーはこのメールがコープにも害を及ぼすことを心配して 20年ぶりにコープと会うことにする。
** 感想**
20年前に殺されている可能性が高いと思っていた妹が実は・・・ という設定は コープが妹と再会できるのか、それともやはり殺されているのかどうか、再開したときの劇的な瞬間を期待して ページがどんどんはかどっていく。
最後の結末は ストーリーの展開から見るとなるほどとうなずけるが、僕の好みから云うと後味が悪い結果となっていて、読んだ後に暗い気持ちになってしまった。それにしても この犯人の人の心理を見抜く狡猾さには呆然。
この物語のテーマは家族愛、行方不明になっている妹へのコープの愛、レイプ犯の父親の息子を守ろうとする愛、ルーシーと父親の愛・・・ちょと切ないものがあるが、それぞれ胸を打つものがある。