内容紹介
どうしたものかなぁ……。
働いたり、結婚したり、出産したり、離婚したり……、
バタバタと歳を重ねているうちに、気づいたら、あの問題がやってきた!?
それは、待ったナシの、親たちの「老い」。
女性の人生に寄り添ってきた著者による、泣いて怒って笑って、大共感の連作小説。
父の死後、年下の男に奔ったサチの母。70歳で男に捨てられ戻ってきたけど、どうも様子がおかしい。「母、出戻る?」
元教師で真面目なマリの義父がどうやら惚けてしまった。夫に介護認定の相談をするも、頑として認めようとしない。「義父、探す?」
認知症と診断されたマドカの母を夫は引き取ろうと言ってくれた。でも、どうして息子を巻き込むのかと、義母はお冠で……。「母、歌う?」
ほか、「長兄、威張る?」「母、危うし?」「伯母たち、仲良く?」「母、見える?」「父、行きつ戻りつ?」全8編。誰もが避けて通れない「親」たちの老いというシリアスなテーマを、著者らしいユーモアを交えて綴る、大共感の連作小説。
母、出戻る?
義父、探す?
母、歌う?
長兄、威張る?
母、危うし?
伯母たち、仲よく?
母、見える?
父、行きつ戻りつ?
読書備忘録
最近こういう本が目について困る。
我が家は実家の母だけだから、今のところ適度にボケているだけで、さほど深刻ではないから助かっているけれど、いつ一緒に暮らしている者が音を上げるか・・・
私はその日のためにヘルパーの資格を取って訪問介護のお仕事をしていたのだから・・・
ただ、他人と実母とは違うからね。
お仕事と割り切ればできることも、身内となるとそうはいかないなんて話も聞くから・・・
介護認定時もそこそこちゃんとやってくれたらしいから、ただいまデイサービスに週に3日通って楽しくやっている。らしい・・・
ぽぽぽと浮かぶのは老々介護
この本は、そこそこ明るく書かれているから、そうだ!そうなのだ!
そりゃ大変だわ!と発散して明るく過ごしちゃうって手もある。
どのみちしなくはならないのだから・・・
長兄、威張る?
これがいちばん面白かった。
捨て魔の嫁でよかったね。
同居している嫁は、何やら手作りの物などをたくさん年寄りの部屋にかざって・・・もちろん良かれと思ってしていることらしいけれど、物があれば埃がたまる。そのお掃除はしないのね?
そりゃ捨て魔が登場してちゃっちゃかちゃちゃか片付けてもらってよかったわけで、景色が変わって義母も喜んだ。
私も手作りのお品を置いておくのはお掃除が大変だからできれば、病院やホテルのような殺風景でもそういうところに居たいわけで・・・
義母の本音を聞いて嫁たちが立ち上がり、そこそこ楽しい介護生活に・・・
ただやっぱりお金である。
何をするのにもお金がかかる。
お金があれば気持ちに余裕ができるであろうから・・・やっぱ お金っ!
ってことで自分たちのために、貯めこんでおこうと思うわけ。
息子たちに出させるのは忍びない・・・
残さないけれど、出させない!ってのでどうだろうね。
本当は残してあげられればいいのだろうけれど、どうでしょうね?
息子たちには、ぽっくり逝けたらラッキーってことで、大いに喜んでくれたまえ!とは言ってある。
★★★☆☆