函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
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人間の安全保障

2023年09月29日 08時12分56秒 | えいこう語る

【従来の「安全保障」というと、国防を中心とした概念だから、どうしても一国中心主義になってしまう。国家には「戦争する権利がある」ということを語るのが安全保障論議だという感じになっている。「人間の安全保障」は民衆中心主義の概念だから、国防よりも生活を脅かす様々な不安から人々を守ることを目的としている。つまり「人権保障」を重視した概念である】と指摘するのは、憲法学者の故奥平康弘教授だ。

 

私たち日本国民は「安全保障」というと、国防と考えさせられていた。それは第二次世界大戦の壊滅的な敗戦が、国民にそう植え付けてしまったのだろう。

 

国防に力を入れると、様々な社会保障が制限される。つまり基本的人権が制限されることになる。そこで【人間の安全保障】という概念を取り入れ、従来の「安全保障」に新たな視点が必要だと奥平教授は説く。

 

ロシアの侵攻によるウクライナ戦争が激化している。国防だけが喧伝され、もはやそこには【人間の安全保障】という概念は、置き去りにされている。

 

「安全保障」という概念が先行すれば、一国中心主義になる。それが両国民の人権を侵害するのが、現在のウクライナ戦争ではないか。

 

【人間の安全保障】という概念は、憲法改正を目論む我が国にとって、最も必要な考えではないか。この言葉は函館出身の奥平教授の遺言として、心に響いてくるものがある。

 

沖縄県の米軍基地の辺野古移設に関する、国家の安全保障は、基地移設反対を要望する県側の人権を、完全に無視している。

 

9月上旬に最高裁で、県側敗訴という判決が出た。そこで知事に代わって国交相が「代執行」により、工事の着工をしようという。

 

ここには「人間の安全保障」など言う視点は、微塵にもみられない。「国家の安全保障」のみが優先される。沖縄だけがいまだに戦時下にあるようだ。

 

政府は米国だけを重視し、沖縄県を植民地扱いをしている。反対する沖縄の地元新聞社に対し、作家の百田尚樹は「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」と発言した。

 

沖縄県民を「土人」と言い捨てた、基地警備の男性もいた。辺野古の最新鋭基地建設を危惧するのは、中国や北朝鮮さらにロシアだろう。

 

三国は海軍の共同訓練を行い、日本を威嚇している。北朝鮮は米国に対抗するため、核保有国として強化することを憲法に明記したという。

 

そこには米国と安全保障を結んでいる日本も含まれる。北朝鮮のミサイル発射に異議を唱える日本は、やはり攻撃の対象だということだ。

 

作家の百田の発言を紹介したが、我が国の副総理アソウタロウの発言も記憶してほしい。北朝鮮から難民が日本にやってきたらという仮説の質問に「射殺する」と発言している。

 

こんな政治家が長年副総理を務めていれば、北朝鮮も憲法に「核発展」と書き込むのだろう。

かつて朝鮮半島を併合していたのが日本だからだ。

 

近年憲法改正の動きが政治課題のトップに上がっていることで、周辺各国の動きも活発化してくるに違いない。【人間の安全保障】という言葉をもっと重視してほしいもの