函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

水俣病と福島汚染水

2023年09月28日 09時03分31秒 | えいこう語る

チッソの工場排水で、メチル水銀に汚染された魚介類を食した住民が、健康被害を受けたのが水俣病だ。

 

魚介類はメチル水銀を体内に吸収しても生きていた。その魚介類を食していた住民が発症した。中には十数年たって発症した人もいるという。

 

福島原発のトリチウム(三重水素)の海洋放出を思い出す。半減期は12,32年で、高純度の液体トリチウムは、水素爆弾の原料の一つにもなるという。

 

トリチウムは原子力発電所、または核燃料再処理施設から海洋に放棄されている。福島第一の爆発事故前までは、我が国に54基もの原発があった。

 

そこからはすでにトリチウムの海洋放出が、始まっていたということになる。福島ではデブリに触れた核汚染水が発生したので、それをタンクに保管していた。

 

タンク内の放射性物質はアルプスにより分離したが、水に溶けないトリチウムだけが残った

 

▼そこで通常の原発で処理する海洋放出同様の、処置をとったというのが経産省の見解なのだろう。

 

そのトリチウムは水に溶けず、海底に蓄積される。それを魚介類が摂取する。その魚介類を人間が食す。

 

IAEAの基準以下で安全だというが、永年それらの魚介類を食した人間に影響がないのだろうか。放射性物質に詳しくないので、軽々しく申し上げるのもはばかるが、一般国民の私としては、水俣病からそんな連想が生まれる。

 

原発の温排水は、炉心を冷やすため温度の高さがだけが注目されていたが、トリチウムなどの放射性物質が含まれているということも知らなかった。

 

トリチウムは原発開始以来海洋放出され、すでに魚介類の体内に摂取されていたことになり、それを知らずに食していたことになる。

 

国は電力の確保のために、国民には真実を伝えていなかったということだ。「安全・安心なクリーンエネルギー」という宣伝で、国民を欺いていたことになる。

 

水俣病訴訟の大阪地裁の判決が出た。「原告らの症状は、水俣病以外に説明できないとし、全原告を認定する判決が出た。国側の敗訴だ。

 

判決ではWHOが示した数値を下回るとしても、長期にわたり摂取量を上回る量を食べていたことで、発症の恐れはあるとした。

 

トリチウムの半減期も長い。デブリに触れた汚染水は、デブリを取り除かない限り永久に出る。その間トリチウムは海洋放出され、海底に蓄積される。食物連鎖は水俣病と同様ではないか。

 

IAEAの基準以下だから安全だという。WHOの見解はどうなのだろうか。さらに原発再稼働によるトリチウムの海洋放出は続き、核燃料再処理施設の稼働後には、とてつもない量のチウムの海洋放出が待っている。

 

長崎県対馬市長は、核のごみ最終処分場の調査を拒否した。残るは北海道の寿都町と神恵内村だ。両首長は2段階目の概要調査まで踏み込む勢いだ。

 

広大な大地・北海道。広大な太平洋。この広大さに中に、安全・安心の神話が飲み込まれようとしている。

 

福島の汚染水問題。水俣病問題。対馬の核のごみ処分場問題。これらが自分とは無縁であると考えてはならないような気がする。

 

国家の「安全・安心」に関わる大きな問題だからだ。