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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

日本の底が抜けている

2021年05月18日 20時06分17秒 | えいこう語る

▼新緑が目に鮮やかだ。くすんだ肌をしていた山々が、一斉に化粧をし始めたからだ。ピンク(桜)赤(ツツジ)薄緑(若葉たち)。少し前までは老人に思えたが、20歳代に若返った“マウンティン”が微笑んでいる我が故郷だ。

▼大地の無精ひげも伸びたので、草刈り機で丁寧に刈り込んだ。雨上がりの翌朝の庭は、30代前半の粋な男前になっていた。

▼雑然と積み上げている新聞の切り抜きに目を通した。2020年4月7日の北海道新聞に、作家の辺見庸がコロナ禍の現在を【世界の“底”が抜け落ちた。顔を出す“変わらぬもの”】というテーマで寄稿している。

▼ミッテラン政権で外交顧問を努めた作家で思想家の、レジス・ドゥブレは、政治の世界には【専制主義予防のワクチン】も【人種差別に対するワクチン】も【排外主義に対するワクチン】もないと言う。

▼辺見も宇宙に飛び立つという人類が、フアシズムや人種差別を駆遂するワクチンさえいまだに持ち合わせていない事に対し、新型コロナウイルスの厄災は、そのことを苦痛な現実として晒して見せているという。

▼昨年からの我が国のコロナ軍に対する政府の対応は、誰が見ても後手後手だ。むしろコロナ軍の侵略に、加勢する内容が多い気がする。

▼だが、政治家は「権謀術数」は得意技だ。無能なように見せかけ、コロナ軍の侵略を拡大させ、国民の関心をそこに集中させ【憲法改正】という大きな策略を練っているのだ。

▼新型コロナは、これまでまったく疑いもしなかった概念の土台を揺さぶっている。だが、世界にそもそも、土台というものがあったのだろうか。

▼世界を「基礎づけるものとして根底」は、ひょっとしたら大戦終結当時より、新型コロナ禍のいまのほうがゴソッとなくなってしまっているのではないか。世界の「底」が抜け落ちてしまっているのではないかとも、辺見は指摘する。

▼トランプは「戦時大統領」と名のり、マクロンは「これは戦争である」と繰り返し、メルケルも「第2次世界大戦以来の挑戦」と言った。

▼さながら第3次世界大戦の様相である。さて我が国はどうか。先の戦争で大敗した結果、憲法が改正された。現在もコロナ軍の侵攻に、負け続けている。

▼もしかしてコロナ戦争で、戦後日本の安全・安心の基本秩序の底が抜け落ちてしまったのではないだろうか。あるいは、意図的に底を抜き始めているのではないだろうか。

▼社会の基本秩序は【憲法】だ。その立て直しというのは【憲法改正】ということではないかと、自民党の政治家は考えているのだろう。

▼我が国の政治にも「変異株」が表れているようだ。野党や国民から、もっと強烈な「緊急事態宣言」の要望が上がっているからだ。この要望に後押しされ、政治はますます凶暴化し「政治変異株」が次々現れそうな気がする。

▼この「政治変異株」は、今までにない「権謀術数」を強め、ますます強烈になっていくような気がする。これに対抗するワクチン(倫理)などない。

▼【憲法改正】のスタートである【国民投票法案】も、野党第一党の立憲民主党の協力でまもなく成立する。

▼日本国憲法の「底」も抜け落ちてきたようだ。ドゥブレは【歴史には“逆行”ないし“退行”もあり】という考えをしているようだ。 
 

      退化3年5月17日
              三等下