函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

ゴルフと大相撲と五輪

2021年04月13日 19時38分44秒 | えいこう語る
▼松山英樹が、ついに日本人初のマスターズ・ゴルフで優勝を果たした。私は20代の頃、函館市内のゴルフ場に勤務し、キャデイー・マスターをしていたことがある。

▼半世紀前のキャデイー・マスターといえば、キャデーさんは女性ばかりで、60人程を管理していた。だが、私はゴルフなど全く知らなかった。

▼当初は営業職で入社したが、ゴルフ場がOPENする際、千葉のゴルフ場へ3カ月研修に派遣された。そのコースの専属プロが「あいつはキャデイー・マスターに向いている」と上司に話したので、配属が決定したという。

▼ゴルフの知識はゼロだ。募集したキャデーもほとんど素人。お互い素人同士が功を奏したのかもしれない。一緒にゼロから始めようという、仲間意識が生まれたからだ。

▼山岳コースで良いスコアーが出にくく、お客様の苦情も多かったが「ここのキャデーは北海道一だ」と、シングル・プレーヤーたちに誉められたことは、今でも私の誇りだ。

▼なぜ褒められたかをふり返れば、多分職場が楽しいと、みんなが思ってくれたからだ。キャデイーのほとんどが主婦だった。

▼人様の奥様を預かっているので、家に帰り職場が楽しいと話せば、ご主人も安心するだろうと、当時独身の私は、それしか思い浮かばなかったからだ。

▼ゴルフ場では、コースの管理、芝生の管理が重要だ。私は最終ホールで松山がカップインした瞬間、涙がこぼれテレビに向かって拍手を送った。そしてコースを管理してくれた人たちにも、心から感謝した。

▼マスターズという最高の舞台での優勝が、どれほど大変なことか、元ゴルフ場勤務の私は、肌で感じることができるからだ。

▼世界で最も美しく難易度が高く、世界のトップクラスのゴルファーを悩ませるこの大会を、日本人が制したからだ。

▼私がゴルフを始めた当時は「紳士のスポーツ」だと言われた。ハンディキャップを決める委員会でも、技術ばかりでなく、人格まで審査の対象になった時代だ。

▼そんな時代を思い浮かべれば、今の我が国、特に政界には「ジェントルマン」など、見当たらない。マナーの悪いゴルファーなど、軽蔑の対象だったからだ。

▼球聖と称えられるボビー・ジョンズ。「ゴルフは2割が技術、残りは人格で決まる」と言っていたそうだ。勝てばいいというのがゴルフではない。

▼そこに品格も同時に備わらなければ、マスターズのチャンピオンにはなれないからだ。松山の優勝で、私が60年以上もフアンを続ける、大相撲のことを思い出した。

▼私も白鵬ほど強い横綱を観たことがない。彼の優勝回数を上回る者は、今後出てこないだろう。だが、ちょっぴり待ったをかけたい横綱だ。

▼「心・技・体」というのは、どのスポーツにも言える。だが、肘打ちや張り手など、横綱としてふさわしくない技を使う。「技術9割残りが問題」なのが白鵬だ。

▼私は夢に見る。「白鵬満開の桜の木の下での土俵入りだ」。行事が「これにて大横綱白鵬の土俵納にござりまする」、拍子木が鳴り響き桜が舞い散る。

▼日本列島各地から“白鵬万歳”の声が聞こえて来る。そんな最後の土俵入りであれば「相撲の神様」と称えてもよいぐらいの成績だと、私は思う。

▼ゴルフと大相撲フアンの私は、松山と白鵬の偉業に感謝をしたい。そして森喜朗が率いた東京五輪を思い出す。

   
   東京五輪に品格はあるか
             三頭下