函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

北海道新聞に期待する!

2021年04月05日 19時56分08秒 | えいこう語る
▼毎朝新聞を見るたびに、我が国の平和が壊れ始めていないかということを注視しながら、赤ペンでチェックしている。

▼中国が実効支配しようとしている、我が国の領土・尖閣諸島は、1972年の沖縄返還前までは、米軍の射撃訓練場だったということが今日(5日)の新聞に記載されている。

▼米国は返還時点で射撃訓練は中止したという。なぜかと言えば、戦後沖縄や周辺諸島は米国の統治下に置かれていたが、日本へ返還したため、中国との対立が悪化することを懸念し、米軍は使用を中止したという。

▼そこで中国は、対米国から対日本の関係となった尖閣を、自国の領土として漁業権の主張などで、日本へ圧力をかけ始めたというのが記事の内容だ。

▼さらに関連記事では、自衛隊が宮崎県新田原基地に、中国の海洋進出を見据えて、改良型空母に掲載できる、ステレス型戦闘機F35Bを18機配備する調整に入ったという。

▼スガ総理のバイデン大統領と初会談でのお土産が、最新鋭の高価な戦闘機購入なのだろうか
。いよいよ尖閣や台湾周辺での「集団的自衛権行使」が現実化したようで、睡眠不足になりそうだ。

▼コロナの感染拡大が始まっているので「緊急事態宣言」の強化が、国民や野党の中から湧き上がるのが心配だ。

▼さらに尖閣周辺で、中国との小さな衝突を機に【自民党改憲草案第98条】が、頭を持ち上げるに違いないからだ。

▼改憲草案98条【内閣総理大臣は我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震などによる大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる】。

▼2015年に成立した「安保関連法案」をベースに、尖閣諸島で自衛隊と中国軍の小競り合いを積極的に起こせば、コロナ禍で発出している【緊急事態宣言】の拡大解釈で、自衛隊の出動が容認されることになる。

▼そうなれば、現憲法第9条の改正へと、大きく世論はなびくはずだ。スガ総理や岸防衛相の顔には、そう書いているような気がする。

▼我が国が再び軍事大国化するのは、後の世に【尖閣事変】と呼ばれるものがきっかけになるのではないかと、今後睡眠不足が心配になる。

▼そんなきな臭い匂いが漂い始めることを、国民にいち早く知らせ、やがてやって来るだろう【憲法改正国民投票】に、国民が正しい選択ができるよう、新聞の使命をフルに発揮してほしいものだ。

▼今最も北海道新聞に期待するのは、寿都、神恵内で行われようとしている、核のゴミ地下埋設処分場に関する記事だ。

▼5日朝刊から【核のゴミどこへ】というシリーズ(計6回)が始まった。サブタイトルに【揺らぐ民主主義】とある。

▼「地方自治体は民主主義の学校」と言われる。私は“村社会”に住んでいたので、そのことは実感している。民主主義の未成熟が2004年の「市町村合併」につながったからだ。

▼私たちの地域の戦後民主主義なるものの成熟度は、残念ながら小学卒業にも届かない程度ではないかと思っている。勿論私もその中の生徒の一人だからだ。

▼なので、寿都町や神恵内村の核ゴミ問題は「揺らぐ民主主義」というサブ・テーマに共感を覚えるが、もっと言えば【戦後民主主義の採点】というテーマにしてほしかった。

▼我が国の「原子力問題」は、日本の戦後そのものを支えた、国家的問題だからだ。ヒロシマ・ナガサキ・フクシマとつながる原子力問題は、どこか遠いところの問題としてしか、戦後日本人は考えていないような気がするからだ。

▼福島原発の電力は東京方面が甘受していた。だが他所事だと考えていやしないだろうか。まして広大な北海道に核のゴミを埋設するのは、妥当だと多くの国民は考えていやしないだろうか。

▼核のゴミ問題から、戦後民主主義を考えるこの北海道新聞の挑戦に私は期待する。いつも心の隅にあるのは【地方自治体は民主主義の学校】だという言葉だからだ。

▼ありとあらゆる国家秩序の劣化が叫ばれる昨今、民主主義の劣化を考えるうえで、二つの町村の核のゴミ処理問題は、最も国民に理解しやすい問題提起ではないかと思う。

▼北海道=アイヌ・モシリ(人間が住む静かな大地)を、筆力で守ってほしいと思う。そんな役割を北海道新聞に期待したい