函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

目から鱗が落ちるというが

2021年04月01日 08時40分30秒 | えいこう語る

▼年齢を重ねると知識(無駄なものも)が増すが、そうなれば他人の“粗”が目立ち、一言が多くなり周囲にも疎まれる。だが高齢になると記憶も薄れるので、ちょうどいい加減になる

▼「人間が丸くなった」という言葉がある。単に記憶が落ちたということなのかもしれない。「落ちる」というのは失礼だから「丸くなる」と使っただけなのだろう。

▼「目から鱗が落ちる」という言葉がある。開眼すると理解してきたが、その使い慣れた言葉がどうしてできたのか知らなかった。

▼聖パウロが、サウロと名乗っていた頃、彼はキリスト教迫害のリーダーだった。だが、強い光で3日視力を失ったが、キリスト教徒の祈りで開眼した。それから熱心な布教につとめたという。『目から鱗が落ちる』の語源のようだ。

▼北海道出身の精神科医香山リカさんが、こんなことを吐露している。診察室ではあくまで心の医療のプロとして相手を尊重し、よく話を聞いたり必要な時は勇気づけたりしている。

▼香山さんは、昔よく弟と喧嘩し「おまえってひどいな。それでも姉か」と言われたそうだ。その例えで、自分にできないものは無理して行わないで、できる人に頼んでもいいのではないかと、介護疲れに対するアドバイスを行っている。

▼以外と単純そうに見えるが、これが的を得たアドバイスなのだ。『目から鱗が落ちる』ということなのだろう。

▼年齢を重ねるにつれ『目から鱗』に、たくさん出合った。しかし、私の周囲も高齢者ばかりで「丸く」なった人が多くなったせいか、最近『目から鱗』なるものは聞いたことがない。

▼80歳に手が届かんとする女性が、最近白内障の手術を終えた。かすんだ世の中に、灯を付けたように、はっきり見えたと喜んでいた。

▼彼女は潔癖症で、掃除は誰にも負けず丁寧に行っていたという。手術後、はっきり見えたら、掃除がまったく行き届いていないことに気が付いたという。人に負けない潔癖症だと思っていたので、はずかしと話ていた。

▼この場合、彼女は単なる潔癖症で、きれい好きだというのを自慢したいだけのように感じた。
お嫁さんに嫌われそうな、姑という感じを受けた。

▼彼女は自分では『目から鱗が落ちた』と考えているようだが、この彼女は白内障のままでいるのが「丸くなった」と言われ、それでちょうどいいような気がする。

▼ますます高齢化していく私だが、今後『目から鱗』は何度あるのだろうか。『目から鱗』の場面に出くわしても、それを感じることができないような、記憶が落ちない努力をしなければならないと思う。

▼そうだ「丸く」などなっては、いけないのだ。会議ではどんどん発言をしなければならない
。「忖度」など、ボケの始まりかも知れないからだ。

▼『目から鱗が落ちる』というテーマだったが、周囲の人たちの目から、鱗が落ちるぐらいの発言をしなければならないと感じる「丸くなれない」私だ。

    まあるくなれない地球の私
               三等下