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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

痴呆爺体の謀反?

2020年10月13日 08時54分52秒 | えいこう語る

▼記憶が定かでなくなったが、70年代に「首都圏地方自治研究会」なるもので、神奈川県長洲知事が発したのが「地方の時代」という言葉だ。

▼地方に住んでいる私は、この言葉に拍手をしたことを覚えている。戦後の高度成長経済での一極集中型から、やっと地方が主役になる時代の到来を感じたからだ。

▼その後、地方分権や地方が活性化する方針が次々出された。だが肝心の地方には、民主主義の浸透度合いが極めて低い「村社会的」古い体質がはびこっていた。

▼竹下内閣の時代に「ふるさと創生資金」なるもので、地方が独自のアイディアを出し活性化してほしいと、いわゆるひも付きではない「1億円」が交付された。

▼その時の記憶だ。当時、自治省だったと思うが、担当者に「地方はそれほどの力がないので、時期尚早ではないか」と話したことがある。

▼北海道についていえば、1億円を有効的にまちづくりにつなげた自治体など、一つもなかったようだ。

▼私の村など、住民と自治体職員とで出したアイディアも、地方議会であっさり否決されてしまった。

▼アイディアを首長に渡す時「住民が知恵を出し合った末の提案なので、議会にあっさり否決されないよう頑張ってほしい」と、首長にダメ押ししたのは私だ。

▼結果、いとも簡単に否決された。その内容を聞きただそうとしたが、いわゆる説明責任を果たさず、行政も議会に忖度してうやむやとなった。

▼当時は「住民自治」などという言葉も知らないような自治体だった。そこに高齢化が拍車をかけた。「痴呆爺体」というのはその頃に思いついた言葉だ。

▼というような、遥か昔のことを思い出しながら、核のゴミ問題で揺れる、寿都町と神恵内村の現状を考えている。

▼私が考えているのは、地方自治体の【三角形の定理】というものだ。民主主義が正確に運営されている自治体であれば、三角形の頂点には住民がいる。底辺の両辺には、行政と議会が位置するというのが正常な民主主義だ。

▼だが、ほとんど歪んだ三角形だ。頂点には議会で、斜め下には行政、一番下の辺には住民だ。この「三角形の定理」を寿都や神恵内に当てはめると、住民自治という感じには見えない。

▼議員や首長は住民から選ばれているとはいえ、行政と議会が政策を決め、それに従わせるという構造が見える。

▼戦後75年経った現在。核のゴミの処分場をめぐる寿都町と神恵内村の問題は、戦後の我が国の民主主義を総括する、国民的議論を巻き起こす内容ではないか。

▼国民が使用した電力で、残ったのが核のゴミだ。処分するのは当然で、地下埋設しかないと思わせ、多額の交付金で候補地を誘致させ、自治体を分断する。

▼「戦争放棄」の憲法を持ちながら、自衛隊を維持してきた。自衛隊は国民の役に立っている。だから憲法で保障しようという、憲法改正論と核のゴミ処理問題は、似ていやしないだろうか。

▼寿都町長の「文献調査の20億円は、洋上風力の調査に使いたい」というのは、国を手玉に取ったやり方だ。交付金などは使い道が制限されいるのを、十分理解した上での発言だ。

▼さらに神恵内村長の発言だ。「住民投票は20億円を貰い、その後の概要検査前に行なう」という、交付金サギの様な手法に出た。

▼両首長は、くれるものは貰い、後は住民の判断に委ねるというのは、同じ道民としては、倫理観に欠けているように思う。恥も外聞も捨てたみっともない発言だ。

▼寿都町長は、核のゴミ問題を国民的議論にしたいとまで言う。この町長の発言を聞いていると、自衛隊も憲法に明記させるため、国民的議論をという、すり替え論法に思えてくる。

▼菅総理も、日本学術会議の推薦から政府批判をする6人を排除した。そういう輩が今後出ないような、組織の改革を行うと、自分の非を転嫁する方向に出た。

▼アベ総理から菅総理に共通した「すり替え論法」。地方自治体の首長も、その真似をしているように思える。

▼寿都町も神恵内村も、国内から問われているのは「痴呆爺体」か「地方自治体」かということではないか。

▼いずれにせよ、私たち国民の考えの基礎となる戦後民主主義が、憲法改正論議が政治課題にあがる中で問われている。

▼国民が自分の民主主義度に点数をつける。そんな問題の一つが「核のゴミ処分問題」ではないだろうか。

▼私が思い出す民主主義の代表的場面だ。9:11の米国同時多発テロの3日後、米連邦議会は報復戦争に同意した。

▼上院は全会一致で可決。下院は、賛成420対【反対1】だった。反対は民主党の黒人女性議員、バーバラ・リーだ。

▼これが私たちが学んだ、戦後民主主義の真理だと思っている。