カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

アグリツーリズモへ

2010-10-07 23:12:32 | └☆イタリアぶらり旅
アグリツーリズモとやらに興味があった。
どこまでもおおらかなイタリアの自然の中で
それを体験してみたかった。
友達がアグリツーリズモで働いているので
そこへ行ってみる事に。
ちょうどその友達がアグリのオーナーと一緒にフィレンツェに来ていて
帰りの車に便乗して行ける事になった。
オーナーと友達とスタッフのアメリカ人の女の子
私を入れて女子4人を乗せた車は
抜けるような青空のもと、
トスカーナの大地を軽快に走って行く。

途中、温泉によってくれた。

いくつも続く丘陵の小さな丘のひとつに上ると
小さな温泉場があった。

温泉と言っても日本みたいにぐつぐつと沸く温泉ではなくて
ま、ちょっと温かいお湯がでるのみ。
だから冬にはとても寒くて入れないのだけど。
 
流れる温泉にみんな足湯みたいに足を浸していた。
私たちも靴を脱いで浸してみる。
ふああ、ぬくい~~。
やっぱり気持ちいいねぇ、温泉。
海外にいて日本の何が恋しいかっていえば
やっぱり温泉!日本のお風呂!
しかし、ひろびろとした空と大地を眺めつつ入る温泉も
こりゃまたいいもんで。

楽しい寄り道をして、また一路アグリツーリズモのある「Maremma」へ。
 
ちょうどお昼にアグリツーリズモへ着いた。
わぁ、素敵なところ。
 
「Agriturismo Sant'Egle」
畑と家に続くちいさな小道、どこまでも広く青い空。
なにひとつ特別なことはないけど
ひゅるると心が緩むような心地よさ。
まるで田舎のおばあちゃんの家に帰って来たみたい。

宿に残っていたスタッフがお昼を作って待っててくれた。
外のテラスでみんなでお食事。
きのこのパスタ。
 
このきのこ森で採って来たんだってすっごく自慢げ。
(写真右のきのこ。でかい!)
でもこれ食べられるの?って言ったら
「大丈夫、死ぬときはみんな一緒、Buonapetito!」って。
こわいなぁ~。
しかもみんなきのこパスタなのに、オーナーだけきのこの入ってないパスタだ。
なんで?更にこわいなぁ~。。
でも!とってもおいしかった!!
そして、無事みんな生きている!今のところ。
ごちそうさまでした。

お昼を食べ終わって、友達が辺りを案内してくれた。

ぶどう畑。
そして、宿の料理に使われる野菜畑。

ズッキーニがこんなにのびのびのびちゃってる
 
どのお野菜たちもみんな気持ち良さそう

森には木の実が生って、おやつには困らない
  
ひつじさんたちも昼食におでかけ

なんてのどかな今日


カメラを持ってひとりお散歩の続き。
 
ちいさな小道をどこまでも歩いてみた。
固い椎の木の葉がザワワと風に鳴っている。
葉を揺らしさらさらとこぼれ落ちる風が心地いい。



ふと、目の前に開けた風景。

その光はあまりにも美しい。

不意に涙が浮かんできた。

何か慰められたような気がしたのだ。
もういいよ、いいんだよって
とても優しくやわらかくその声は言う。

 
私はいつの間に風の声が聞こえるようになったんだろう。

色んな物を得て、失って来た。
全てをかなぐり捨てて自分の芯だけだ残った。
それは強くもあり、危うくもある姿。
信じて歩き始めた道、でも不安は拭えない。
ただ目に浮かぶ涙は今、風が拭ってくれる。

自然はこんなにも優しくて美しい。

ここに、この景色に出会えて本当によかった。


午後、みんなで栗拾いに行こうと誘ってくれた。
栗拾い!楽しそう!
子どもの頃、観世音寺の境内で良くどんぐり拾いして遊んだなぁ。

大きなリックを背負って、みんなで森に入る。
いばらも生える道なき道を行くことしばし
森の切れた辺りに大きな栗の木が。
 
 
わぁいっぱい落ちてる。
真剣に拾う人達。
そっか、私は何かアクティビティにでも参加するつもりで付いて来たけど
これは収穫、日々の糧を得る大事なお仕事なのだ。
  
私もがんばって採った。
そしてみんなでこんなに採った!
大収穫☆やったね。

こんなにたくさんの恵みを与えてくれる森に感謝。
森って本当に素晴らしい。

私は学生の頃、実は、森林生態学を専攻していた。
木々の成長を記録し、対話する毎日だった。
大学の裏山の雑木林は少し窮屈そうにしていたけど
ここの森は誰に遠慮する事なくのびのびと生きている。
なんだか森までイタリアっぽい。


なんでもないけどこの上なく楽しい
美しい今日がゆっくり静かに暮れてゆく。


夜はみんなでワインとパンとチーズを持って温泉に行く事に。
日本の温泉はお風呂だけど
こちらは屋外のプールみたいになっている。
水着を着てゆっくり温泉につかり、ワインを飲む。
日も暮れて、空には満天の星空。
こんなにたくさんの星を見たの久しぶりだ。
キラキラと星の輝きが私の上に降ってくる。

ああ、最高!
なんて素晴らしい今日一日。
本当にほんとうにありがとう!
やたらめったら全てのものに
感謝したい夜なのでした。


<フィレンツェからアグリツーリズモ「Sant'Egle」への行き方>
車で行くのが一番いいですが、もし公共交通機関を使うなら次の方法です。
イタリア国鉄にて「Grosseto」へ
Rama社のバスに乗り換え「Pitigliano」下車
Rama Mobilita:http://www.ramamobilita.it/bw_public/percorso.php
ピティリアーノまでピックアップに来てくれます。
詳細は宿のHPを参照下さい。
■Agriturismo Sant'Egle
Case Sparse Sant'Egle,18 - Sorano - Grosseto - Italy
Tel. + 39 329.4250285
http://www.tuscanycharmingcountryhouse.com/

■このアグリツーリズモで働いている私の大好きなお友達のブログ
http://ayakaze19.exblog.jp/