夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

きっと、うまくいく(2)

2013-09-07 23:28:01 | 映画
ネタバレ部分

卒業から10年後、ファルハーンとラージューは、大学時代の同級生・チャトゥルからの連絡で、ランチョーの居場所がわかったと知り、シムラ(インド有数の避暑地)まで会いに行く。ところが、ランチョーの実家であるはずの屋敷に本人はおらず、自分がランチョーだと名乗る男の口から、意外な事実が発覚する。
実は、ランチョーはこの屋敷で使われていた庭師の息子で、「ランチョー」という名前も、実際には、主人の長男の名前だった。
彼は小さいときに両親を亡くし、この屋敷の主人に引き取られ、雑用をしていたが、生来利発で勉強好きだった。そこで長男は彼に宿題をやらせたりしていたが、主人がその才能を見抜き、息子の身代わりになってICE工科大を受け、入学して学位を取ってきてほしいと頼んだのだ。
「こいつは勉強がしたい、私は学位が要る。」
そして、学位取得後はICE大とは縁を切る約束で、彼は4年間だけ好きな勉強に打ち込む自由を得たのだという。


長男は、
「住所を教える、会いに行け。」
と言い、彼が今は北の辺境、ラダックにいることを伝える。
ファルハーンとラージューは、学生時代に彼と恋仲だったピアに連絡を取るが、ピアはなんと他の男と結婚式を挙げる当日だった。二人は急いで式場に駆けつけて乱入し、花嫁を連れ出し、そのままラダックに向かう。

美しい自然に囲まれたラダックで、彼は小学校をつくり、科学や工学好きの子どもたちを育てていた。
卒業以来、10年ぶりに再会したことを喜び合った後、「ところで、ランチョーでないなら、本名は何なの?」ということを尋ね、彼の答えを聞いてびっくり。フンスク・ワングルという世界的に有名な科学者で、特許を山ほど持つ大金持ちでもあったのだ。
しかし、昔の友情は忘れず、ファルハーンの写真集はすべて持っているし、ラージューのブログもいつも見ているという。そして、ピアへの恋心も変わらず、…という幸せな結末を感じさせるところで、この映画は終わっていた。

感想

笑いも涙も感動もメガ盛りで、3時間がまったく長く感じられなかった。
インド映画には必須の要素の歌やダンスも満載で、今を生きて楽しもうというメッセージが伝わってくる。
映画の中で、ピンチに陥るたびにランチョーが口にし、エンディングの曲でも繰り返し叫ばれる、
“Aal izz well”(きっと、うまくいく)
という言葉。魔法の呪文でもないのに、聞いているうちに本当に、一心に願えば何でも叶うことを信じる気持ちになれる。
インドを代表する名優、アーミル・カーンの熱演もみどころ。当時44歳だった彼は、18歳のランチョーを演じるために、自ら苛酷なダイエットを課し、1日に4リットルの水を飲み(肌にツヤが出る)、バドミントンをして上気させた顔で撮影に臨んだという。…たしかに、見ていてまったく違和感がなかった。
今回はいつにも増して拙い紹介で、映画の魅力が全然伝えられていないので、興味を持った方はぜひ、直接作品に当たってみてください。

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