夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

アバウト・タイム (その2)

2014-11-22 23:43:04 | 映画
前回の訂正。タイトルの「about time」は、「今こそその時」といった意味だそうだ。(恥)

簡単な内容紹介の続き

ティムはその後、メアリーと結婚し(授かり婚)、やがて娘のポージーが生まれる。
タイムトラベルの出番は無くなっていった。
毎日が幸せだからだ。

しかし、そんなある日、妹のキットカットが交通事故で大ケガをし、病院に担ぎ込まれる。
ティムはキットカットが、ろくでなしの恋人・ジミーと一緒に暮らしていることで、不幸になっていることに心を痛めており、自分の「能力」で彼女をジミーと出会う前の過去に連れ戻し、人生をやり直させようとする。
その結果、妹は事故に遭わず、人生が好転するものの、ティムの過去に影響が生じ、なんと生まれた子どもはポージーではなく、まるっきり別の子どもになっていた。
ティムは苦悩した挙げ句、ポージーを取り返すため、再び過去をやり直し、本来の、ポージーが生まれ、キットカットは事故に遭う現実に戻す。
その時にティムは、タイムトラベルの能力をもってしても、人の幸・不幸までは変えられないことに気づく…。

感想

自分の変えたい過去のある時点に遡って、過去を再びやり直せる、しかも何度でも、という現実にはありえない話を通じて、逆に時間は不可逆だから、二度と帰ってこない今を大切に生きなければならないことを強く感じた。この映画を観た人は、最後にティムが語る、
「今日一日を精一杯、幸せに生きよう。」
という言葉の意味を、胸の内でずっしりと重く受けとめることになるだろう。

私自身にしても、可能なら過去に戻ってやり直したいことがたくさんある。
しかし、それによって、今自分が手にしているものが失われたり、あるいはその意味を変質させることになるよりは、今を肯定し、大切にすることの方を選ぶだろう。

この映画はもともと、『君に読む物語』(2004)以来好きな女優のレイチェル・マクアダムスが出ているので、必ず観に行こうと決めていた。
彼女の出演した映画は他にも、『消されたヘッドライン』『君がぼくを見つけた日』『シャーロック・ホームズ』(2009)、『恋とニュースの作り方』(2010)、『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)などを見ているが、特に美人というほどでもないのに(失礼!)、ものすごくチャーミングで、彼女の笑顔やたたずまいに癒される。
退屈な日常にうんざりしている人、あるいは多忙な毎日で自分を見失いそうになっている人にこそ、ぜひ見てほしい映画だ。

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