夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

N・ヒル『仕事の流儀』(その9)

2012-11-12 21:00:55 | N・ヒル『仕事の流儀』
第10章でヒル博士は、お客との間に信頼を確立し、お客の心をニュートラル(中立的)な状態にすることの大切さを強調している。そして、信頼を育むための主要な10の条件を掲げている。そのうちのいくつかを紹介すると、

1. Follow the habit of redering more service and better service than you are paid to render.
(自分が与えられているよりも多くのサービスや、それよりもっとよいサービスを提供する習慣に従いなさい。)

2. Enter into no transaction that does not benefit, as nearly alike as possible, everyone it affects.
(それによって影響を受ける誰のためにもならない取引は、できるかぎり、等しく、結んではならない。)

4. Have a sincere desire in your heart to be of the greatest possible service to the largest number of people.
(自分の心の中に、自分のできるもっともすばらしいサービスを、できるかぎり最も多くの人々に提供しようという心からの願いを抱きなさい。)

6.Do your best to live as well as preach your own philosophy of business . Actions speak louder than words!
(自分自身の仕事の哲学を説くのと同様に、最善を尽くして生きなさい。行動は言葉よりも大きな声で語るものだ。)

10.Spread the sunshine of good cheer wherever and whenever you can. No man trusts a joy killer!
(どこでも、いつでも、できるかぎりの上機嫌を太陽の日差しのように降り注ぎなさい。楽しみを壊す人は、誰も信用しない。)
(“How to sell your way through life”‘10 Neutralizing the prospective buyer’s mind’)


ヒル博士が言っていることは、セールスマンの心構えについてであるが、我々の仕事の要諦もここにある。私も、常に報酬以上の仕事を心がけ、常に自分や教員集団の利益よりも生徒や保護者のためになるかどうかを判断の基準に置くようにしている。ただし、自分の知識・技能・エネルギーを最大限に使って奉仕するということはなかなかできていないし、言葉より行動で示すということはさらにできていない。そして、いつでもどこでも“good cheer”でいる、というのは本当に難しいことだと実感する。ヒル博士はどうしてこう、いつも私ができていなくて、気づかないでいたいことを明瞭に言語化し、叱咤激励してくるのだろうと思ってしまう。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。