夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

N・ヒル『仕事の流儀』(その24)

2013-04-07 21:50:52 | N・ヒル『仕事の流儀』
第20章は、地位を得るための最上の計画について。

ヒル博士は、誰でも自分に適した地位や職を手に入れることのできる、決して失敗しない方法があるという。ただし、それを手に入れることと、それを維持し続けることは別のことだ、とヒル博士は注意を喚起する。

ヒル博士はよく、
「あなたはどうやって、多くの成功者たちと会談して、成功哲学の法則を体系化するという仕事をやりおおせることができたのか。また、彼らをどのように促して、そのように多くの時間を割いてもらえたのか。」
という質問を受けたそうだ。その答えは、
「私は単純に、彼らと話をする機会をつかんだら、彼らが関心のある話題をもちかけ、ほとんど彼らについて話をしただけだ。」

ヒル博士は、同じことが、職を手に入れることについても言えるのだとする。その人が、その職にふさわしい能力を持ち、その地位に就くのに正しいアプローチをするならば、自分の望むどんな地位も手に入れるのはやさしい、と博士はいう。
ここで読者のあなたがたとえば、ある一流の石油会社(仮にS社とする)に地位を得ようとしているときのことを考えてみよう。あなたは、S社があなたをその地位につけたいと思うどの部署で働き始めてもよいと思っている。ただし、あなたの主要な要望は、自分がどんな種類のサービスを行うことができるか、証明する機会を得たいということである。
もしあなたが、この原則にしたがって一歩一歩着実に取り組み、自分に特有の個性に合うように改変していくならば、自分の望んでいる機会を手にしそこねることは、ほとんどありえない、とヒル博士はいう。

First: Decide what particular position with the Standard Oil Company you desire, then make a complete list, in writing, of all your qualifications to fill that position. If you feel the list of your capabilities is inadequate after you have placed it on paper, go to work and prepare yourself through study and observation of some other person who is filling a position similar to the one you want, until you are ready for the position.
(“How to sell your way through life”‘20 The Master Plan for Getting a Position’)

その第一は、まずあなたがS社のどの地位を希望するかを決めることだ。それから、自分にその地位の職務を果たすだけの能力があるか、全てを完全なリストに(書き出して)作りなさい。それを紙に書き並べてみたあとで、自分の能力のリストが不十分であると感じたら、あなたがその地位に就く準備ができたと確信できるまで、自分が望むのと同じような地位の職務を果たしている人に学び、よく観察しながら、仕事に取りかかり、自分を訓練しなさい。


ヒル博士の言うことは、組織で働くほぼ全ての職業人に当てはまるのではないだろうか。世の中には、自分がその能力にふさわしい待遇を受けていないと愚痴ったり、なんであんなヤツがあの地位に就いているんだとやっかんだりしている人が多いと思う。しかし、その地位に就くための機会を得る努力や、その地位にふさわしい能力を身につけ、磨くための努力を、(私も含めて)どれだけの人がしていることだろう。
ヒル博士の勧める原則の第二は、次回に紹介する。





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1 コメント

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無題 (風の靴)
2013-04-08 09:54:23
おはようございます

相変わらずヒル博士の言葉は説得力があります、一つ一つが重いです(笑)

ちかさださんのこれは「総ての人に言える」・・・

おっしゃる通りだと思います

本質をついてると言おうか、考えさせられますね

次回も期待しております。
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