テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 旋風から烈風へ ~

2021-12-05 23:35:43 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 だうんじゃけッとォ、かいきんッ!」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!風邪予防~!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日の関東圏がぐんと寒さが増しました。
 ヤセ我慢はせず、
 ダウンジャケットを着ての外出から戻った後は、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
       ―― 熱風団地 ――



 著者は大沢在昌(おおさわ・ありまさ)さん、
 2021年8月に発行されました。
 『Asian Housing Complex』
 と英語題名が付されています。

「うむうむッ! これはァ、きッとォ~…」
「ぐるがーるるるるる!」(←訳:熱々ハードボイルド!)

 ハードボイルドの名手、大沢在昌さん。
 そして、
 『熱風団地』というアツい題名と、
 息苦しささえ感じさせる表紙のデザイン。

 ならば主人公は、
 レイモンド・チャンドラーさんや
 ダシール・ハメットさん的な
 ハードボイルドな探偵さんよね!

 と、勝手に期待しながら
 本文へと進んでゆきますと……
 あら?

「おやッ?」
「がるるっ?」(←訳:おややっ?)

 人見知りで、アガリ症。
 初対面の人と話をするのは、
 と~っても苦手で。

 武道や格闘術などとは
 まったく無縁の、
 旅行ガイド――
 
 それが、佐抜克郎(さぬき・かつろう)さん。

「あはァ! そこでスねッ!」
「ぐるるっるがるぐるる!」(←訳:ガイドっていうところ!)

 はい、御明察♫

 佐抜さんは、
 通訳を兼ねる旅行ガイドさんです。

 それも、英語、フランス語といった
 言語ではなくて、
 中国語、ビルマ語など
 アジア系言語を得意とする
 ガイドさん、なのです。

 今日も、
 中国雲南省からの団体客さんを
 成田空港で見送って、
 さて、東京に戻ろうかと
 しているところで。

「むむッ?」
「がるるる!」(←訳:怪しの影!)

 佐抜さんに声を掛けてきたのは、
 外務省関連団体のNPO法人の者、
 と名乗る男性ふたり組でした。

 彼らは、
 佐抜さんに”お仕事“を依頼します。

 或る人物を探して欲しい――

「がいどさんッ、でスよゥ?」
「ぐるるるるがるる?」(←訳:探偵さんに頼めば?)

 ガイドさんだから、なのです。
 探偵さんではなく、
 ガイドである佐抜さんに頼むのは、
 佐抜さんの語学力を
 見込んでのこと。

 最近はスマホに通訳の仕事を奪われ、
 懐具合が寂しくなっていた佐抜さんは、
 考えた末、
 この奇妙な”お仕事“を
 請け負ってはみたものの……

「あァ~やぱりィ!」
「がるるぐるがーる!」(←訳:怪しの影がドーン!)

 読み手の私たちが
 つい応援したくなってしまう、
 こころ優しい佐抜さん。

 また、
 佐抜さんをアシストする
 魅力的な脇役さんたちも、
 活き活きと物語を動かしてゆきます。

 はたして、
 ”お仕事“の成就は?

「ゆだんッしないでェ!」
「ぐるがるる!」(←訳:壁に耳あり!)

 現在の日本と
 未来の日本のカタチを覗き見るような
 エンターテインメント作品は、
 ミステリ好きな活字マニアさんに、
 旅行好きな方々にも
 おすすめですよ。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫
 
 
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