goo blog サービス終了のお知らせ 

テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ー バンパイア・コミック クロニクル ―

2019-02-24 21:51:22 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 がんばれェ、はやぶさァにごうゥ~!」
「がるる!ぐるるがぅるる!」(←訳:虎です!宇宙でファイト!)

 こんにちは、ネーさです。
 前回記事ではミミズクくんにエールを送りましたが、
 今日は小惑星探査機『ハヤブサ2』くんを全力で応援しますよ。
 『ハヤ2』くんの道のりは、まだまだ長い……
 どうかミッションを達成できますように!と星々に祈りつつ、
 さあ、本日の読書タイムは
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  



      ―― 少女まんがは吸血鬼でできている ――



 著者は中野純(なかの・じゅん)さん、大井夏代(おおい・なつよ)さん、
 2019年1月に発行されました。
 『古典バンパイア・コミックガイド』と副題が付されています。

 先日は、練馬区立石神井公演ふるさと文化館分室にて開催中の
 『練馬区ゆかりの漫画家』展と、
 清水勲さんと猪俣紀子さん著『日本の漫画本300年』を
 御紹介いたしました。

 そして今回も、
 漫画関連のノンフィクション作品に登場していただきましょう~♫

「しょうじょまんがはァ、きゅうゥけつきィ~…?」
「ぐるがるぐるるるぅ??」(←訳:これ本当なのかなぁ??)

 御本の題名――『少女まんがは吸血鬼でできている』を一見して、
 おそらく多くの方々が、

  う~ん? 
  いくら何でも……?

 と思ったことでしょう。
 
 私ネーさも、
 『少女まんが』『吸血鬼』というキーワードから、
 萩尾望都さん著『ポーの一族を』想起したしましたけれど、
 えーと、他に吸血鬼マンガって、ありましたっけ……?

「ところがァ!」
「がっるるるる!」(←訳:あったんです!)

 ええ、そうなんです。

 少女まんが専門の私設図書館《少女まんが館》を運営する
 著者・中野さん&大井さんによれば、
 吸血鬼少女まんがとは、
 “少女まんがの核心部”。

 そうして、本文を読み進んでゆくにつれ、
 いやもう、ホントにもう、呆気に取られてしまいます。

 こんなに?
 吸血鬼少女まんがって、こ~んなにあるの?!?

「さくひんッ、いろいろォ!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:作家さんもいろいろ!)

 すでに1950年代から1960年代にかけ、
 吸血鬼をテーマにした少女まんがは発表されていて、
 横山光輝さん、
 石ノ森章太郎さん、
 野呂新平さん、
 里中満知子さん、
 えっ! 青池保子さんも!

 さらに、まんがだけではなく、
 少女雑誌の読み物にも
 吸血鬼ネタが!

「しりあすゥどらまァもォあればァ~…」
「がるるぅるぐる!」(←訳:コメディもあり!)

 『ポーの一族』が雑誌に初掲載されたのは1972年。
 同じ1970年代に、
 早くもラブコメディやらギャグやら、
 吸血鬼少女まんがは、花盛り?

「まだまだァ、おわりませんでスゥ!」
「ぐるるるるがるるぐるるるがる!」(←訳:21世紀も吸血鬼まんがは健在!)

 この御本の前半部分は、
 《ポーの一族》シリーズと、
 木村敏江さん著《夢の碑》についての
 熱い語りで構成されていますが、
 奇しくも、両シリーズとも新作が現在進行中、ですね。

 また、
 通常のコミックスより大きな版(B5サイズ)の
 『ポーの一族』プレミアムエディション上下巻が
 発売されたばかりです。

「ほんやさんでェ、さがしてェみてねッ!」
「がるるぐるるるがる~!」(←訳:今年は原画展も予定~!)

 美しい姿のまま、永遠に生きる――

 少女まんがの世界を
 いっそう輝かせる“吸血鬼”という存在、
 その魅力を説くこの御本は、
 少女まんがは未知の分野なんだけど……そんな方々にこそ、
 おすすめしたい労作にして傑作です。
 どうか皆さま、ぜひ、一読を♪