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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

いつまでも、遠くへ。

2019-02-07 22:08:20 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 これはァ、ていせいィしないとォ~!」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!いますぐに!)

 こんにちは、ネーさです。
 本日の読書タイムは、
 この御本を《2018年 BEST BOOK》に加えておくべきだったわ!
 ああ、なんたること……!
 と私ネーさを打ちのめしたエッセイ作品に登場していただきますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~! 

  


 
          ―― 銀河を渡る ――



 著者は沢木耕太郎(さわき・こうたろう)さん、2018年9月に発行されました。
 『全エッセイ』と副題が付されています。

「にじゅうゥごねんぶんッ!」
「ぐるるるるる!」(←訳:まとめました!)

 著作活動25年分のエッセイを
 《歩く》《見る》《書く》《暮らす》《別れる》
 の5つのテーマごとに構成したこの御本の、
 表紙を飾っているのは、
 レオナール藤田(藤田嗣治)さんの画『VAGABOND』。

 『ヴァガボンド』――
 放浪者、漂浪者、さすらいびと、という意味を持つこの言葉が、
 御本の性格をも表わしている、と申せましょうか。
 
 収録されているエッセイはどれにも、
 いえ、あとがきにまでも、
 《旅》の記憶が刻印されています。

「いろいろなァ、すぽーつゥ!」
「がるぐるるるる!」(←訳:活写されてます!)

 シンクロナイズドスイミング、
 クライミング(登山)、柔道、水泳、陸上競技……
 様々なジャンルのスポーツについて
 沢木さんは語りますが、
 やはり、ボクシングに懸ける情熱は特別のようです。

 第一部《鏡としての旅人》の中の
 『ロサンゼルスのミッキー・ローク』(本文72ページ)では、
 世界的に有名なボクシングジム『ワイルドカード』での、
 ボコサーさんたち、
 トレーナーさんたちとの邂逅が描かれています。

 第二部《過ぎた季節》の、
 『拳の記憶』(本文139ページ)で言及されるのは、
 ボクシングの技術論と、
 ボクシング・ファンとしての“夢”……。

「さわやかァなのにィ~」
「ぐるるがるるるるる!」(←訳:熱々に燃え上がる夢!)

 そして、スポーツ選手さんがたびたび口にする、
 心が折れる、という言葉遣いについても
 沢木さんは思いを巡らせます。

 或る人によれば、“心が折れる”は流行り言葉。
 ……けれど、そうだろうか……?
 “心が折れる”なる表現は、
 どこに、だれに始まるものなのだろう……?

 その答えは
 本文76ページの『心は折れるか』をお読みくださいね。

「それからァ、これッ!」
「がるるぐるるがるるるるるる!」(←訳:絶対に読んでもらいたいのは!)

 第五部《深い海の底に》の、
 『深い海の底に』(本文425ページ)は
 俳優・高倉健さんを追慕する作品です。
 沢木さんと高倉さん、
 ふたりを結ぶ糸とは――

「かなしくてェ~… 」
「ぐるるるるるる……」(←訳:やりきれなくて……)

 旅へ、旅へ、さすらい、さらに遠くへ。

 星を追って銀河を渡り、
 なおも続く沢木さんの旅の記録を、
 全活字マニアの皆さま、ぜひ!!