なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

雷のあとに…

2024-06-16 | 
懲りずに窓岩「フリーランサー」。
付き合ってくれる方がいるのがありがたい。
先週と同じような天気だろうから午前中は登れるだろう、とタカをくくっている。
今回は窓岩リッジを登る気はない。
「フリーランサー」に焦点を当て、2人ともさっさと終わらせて、そのまま東の大壁でも行こう、などといつもように大口をたたきながら出発。

1p目は、KGさんに登ってもらう。
KGさんのアルパインリードも様になってきた。
さて、「フリーランサー」マスター便。
最終ピンを取り、核心を超えた。
体を上げると利きにくくなるガバを取り、次の甘めの一手を取りに行く。
甘いのが分かっているので安定した体制で向かいたいのに、この時のみ使った縦カチのせいで粘れるが、安定体制に持ち込めない。
体を上げると利きが悪いガバなので、一旦体を下げようとしてフォール。

周囲に悔しさが響き渡った。

KGさんも核心をこなせず。
数回練習をして下りる。
核心部の越え方をあーだこーだと話していると、小雨が降ってきた。
やがて遠くに雷音が聞こえ始める。
で、雨が強くなる。
でもなぜかフリーランサー面と取付はさほど濡れない。
「へー」とのん気に感心していると、周囲はどしゃぶり。
雷は近付き、海上に雷光が走る。
多少濡れ始めたので荷物を整理して待つ。
30分くらいじっとしていたかしら…。
ルートは濡れていなさそうだし、天気も一旦落ち着いたので再びトライ。

最終ピン手前のムーブがバランシー。
できるだけ足を右に置く意識とフェイス面のカチをつなぐ意識で、あまり力を損なわず核心を越える。
ガバ取り後も足を右に置くようにすると安定した体制で甘くて大きいホールドを捉えた。
すぐに次のよいホールドに手を伸ばし、無事RP
KGさんが動画をアップしてくれた。
気になる方はニセコクライマーズチャンネルへどうぞ。

RP直前からまた雨。
でもあまり当たらないからそのまま降ろしてもらう。
ルート上は全く濡れていなかった。おもしろい。

懸垂で1p取付へ戻る。

ここまで、大気が不安定との予報が時間までびったり当たっている。
ということは13時には本降りになるはず。
さすがに大壁に遠征する気にはならない。
でも、胎内巡りで帰るのも芸がないので、海岸に降りましょう、と提案。
不安定なガレ場を下りていく。
すると、青空が広がった。
窓岩と大壁を眺め、
不動岩の今後のラインを考えたりしながら、大迫力の展望に満足する。

ミミズク岩稜と大壁の合間から窓岩の窓を眺める。
赤岩マニアにはたまらない眺めでしょ。

勝手に「大壁海岸」と名付けている場所に出る。
ここは手のひらサイズの大きめの玉石で敷き詰められていて、とても珍しい場所だと思う。
両側に大きな岩があるので、隔絶感もある。
すぐ後ろにはDロック、という旧赤岩本には載っていた歴史あるボルダーがある。
存在感のあるボルダーと玉石の海岸がセットになっていて、とても好きな場所だ。
久しぶりの訪問でうれしい。

ガレ場とは別天地の快適、爽やか海岸を歩く。
海岸沿いのボルダー群を解説すると、KGさんは具体的興味を示すので、これまたうれしい。

カニ岩を通過する頃には、雨が本降りになってきた。
峠到着は12:50。
大雨、と言ってもいい状態。
天気予報がよく当たった。