どうも、その頃の僕は、とても旅立つ気にはなれなかったのだ。そういう事情なんだ。それは、それとしても、山に行きたい気分になれないんだ。
以前のように無性に出掛けたくてしょうのない、そういう気分になってこないのだ。たまに早起きしても、暖かいフトンから飛び出す踏ん切りがつかないのだ。以前、モノに憑かれたように週末の7時の新宿2番ホームに飛び込んだりした心の誘いが湧いてこないのだから仕方ない。
学生仲間と蔵王にスキーに行ったある日、冗談がてらに今度は海外だなんて言ってしまったら、誰だったか、君だったら行けるさ、きっと。その頃、僕が思いついたところに出掛けていたことを覚えていてくれたのだろう。
しかし、これとそれとは次元が違うのだ、僕のそれには、それなりの過程が、組み立てがあって、情熱が伴っていたのだから。それが、今は。そんな想いが懐かしく想い出されるとは、僕にもついにヤキが回ってしまったのかしら。
「とんでもない!」と、頭から一喝すべきであろうか、口ごもってしまったのであろうか。 (1973.3.3記)
以前のように無性に出掛けたくてしょうのない、そういう気分になってこないのだ。たまに早起きしても、暖かいフトンから飛び出す踏ん切りがつかないのだ。以前、モノに憑かれたように週末の7時の新宿2番ホームに飛び込んだりした心の誘いが湧いてこないのだから仕方ない。
学生仲間と蔵王にスキーに行ったある日、冗談がてらに今度は海外だなんて言ってしまったら、誰だったか、君だったら行けるさ、きっと。その頃、僕が思いついたところに出掛けていたことを覚えていてくれたのだろう。
しかし、これとそれとは次元が違うのだ、僕のそれには、それなりの過程が、組み立てがあって、情熱が伴っていたのだから。それが、今は。そんな想いが懐かしく想い出されるとは、僕にもついにヤキが回ってしまったのかしら。
「とんでもない!」と、頭から一喝すべきであろうか、口ごもってしまったのであろうか。 (1973.3.3記)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます