久留百合子の生活者視点

仕事、旅行、日常のちょっとしたことから得た情報、生活者として感じたことなどを綴ってみます。

今年2度目。原子燃料サイクル事業見学に行ってきました!

2008-10-08 14:59:38 | Weblog
 今年の7月に続いて、今年2度目になりますが、9月末に青森県六ケ所村にある「原子力燃料リサイクル事業」見学に行ってきました。
 前回は、当社がある会のメンバーを見学にお連れした形でしたが、今回のは、私が所属している委員会のメンバーとして案内していただいたというものでした。

 そもそも、原子力発電は、資源が乏しく、また地球環境、特に温暖化の問題を考えた時に、我が国では、大変重要な発電であることは理解されるようになってきました。
 が、もう一歩進んで、原子力発電で使う燃料のウランは、その3~4%ぐらいしか使われず、後は捨てるしかなかったのです。しかしそれではもったいないと、というのも、ウランも地球上で、あと80年ぐらいしかなく、日本はそれも輸入に頼っているという現状を考えると、使い終わったウランも一部再生して使おうというのが、プルサーマルです。
 それともうひとつ大きな問題が、使い終わった放射性廃棄物の処理の問題。我々が毎日出しているゴミといっしょで、原子力発電所からもゴミが出ます。それを安全にどう処理するか、これを解決しなくてはなりません。

 それらの施設がほぼ一同に集まったのが、今回、実は、これで4度目の訪問になるのですが、六か所村の原始燃料サイクル事業です。日本原燃株式会社という会社が、現在、再処理工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、ウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物埋設センターを建設、運営しています。

 簡単に説明すると、まず、原子力発電でウランを使う時に、採掘されたウランそのままでは効率が悪いので、濃縮して使います。その工場が「ウラン濃縮工場」です。ここは外からだけの見学でした。
 次に、発電する過程や発電した後に、発電所から放射性廃棄物が出ます。それを大きく、低レベル廃棄物と高レベル廃棄物とに分けます。「低レベル放射性廃棄物埋設センター」は、その名前のとおり、発電所から出る作業着や備品など低レベル廃棄物をドラム缶に詰めて、それを約200mぐらいの深さの所に埋め、それらをコンクリートで固め、最終的にはその上に粘土や土を被せ埋めてしまう所です。すぐ傍の少し高い所から見ると、1号は随分埋まっていましたし、2号も少し埋まってきている段階でした。200ℓのドラム缶300万本収容できるということですが、全国の電力会社から送られてくるわけですから、かなりの数になります。今年も9,720本の予定だそうです。

 次に見学したのは、「使用済燃料受入貯蔵施設」。ここに入るには、事前に登録したカードを受取り、それを一人一人機械に通し、ゲートを抜けて専用のバスに乗り込んで行くという大変な警戒です。ここは、使用した燃料を切断して一時保存しておく所。放射線は水で遮蔽されるので、プールに入れて冷却する所です。

 もうひとつ大事な施設が、「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」。これまで使い終わった高レベル廃棄物は、フランスやイギリスに送られて、再処理され、日本に戻されてきていました。これを保存しておく場所です。ガラス固化体というわれるガラスで厳重に固められたもので、これをこのセンターにおいて30年~50年保管します。
 実は、ここから先がまだ決まっていないのです。ここで30年~50年冷却されて、その後は、計画では、地下300mの所に埋蔵する予定なのですが、その場所が決まっていないのです。これから地層処分が始まるスウエーデンや韓国ではすでに決まっているということですが。

 さらに今年11月に竣工予定の「再処理工場」は、日本で初めての商業用再処理工場で、今までイギリスやフランスに処理を頼んでいたのをやめて、国内で処理しようとする工場です。先日、ガラス固化体が成功したと新聞にでていましたが。
 今後、プルサーマルの燃料となるMOX燃料を作る工場もすでに着工されていましたし、ここは名実共に原子力燃料サイクル施設なんだと、今回しっかり実感することができました。

 兎に角広い敷地の中は、道も建物をよく整備されており、すべての工場は、白にブルーと緑の線がすっきりと入り(青森県を意識した色とも聞いていますが)、景観にも配慮された施設でした。
 あまりにも高度な技術にびっくりすると同時に、日常からかけ離れている施設を見学したと思っていたのですが、「いや、待てよ。本当に私たちには関係がない、遠い施設なんだろうか」と考えた時、毎日使っている電気、九州の場合、作られている電気の4割は原子力であるということを考えると、私たちには関係ない、後のことは何も知らないでいいのでしょうか。
 私は、日本の技術を信じているし、安全に万全の注意を払い、情報は出来るだけオープンにするということを約束してもらえれば、原子力については理解しようとしなくてはいけないと思いました。日本原燃はしっかりPRもして、今後もっと多くの人に知ってもらう努力も必要だと感じた次第でした

 
 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿