金融専門紙に目を通していたら、いくつかの地域金融機関における新入社員研修の様子が紹介されていました。
ある地方銀行では、新入行員33名(うち女性5名)が、3泊4日で自衛隊の駐屯地で入隊訓練に参加したのだそうです。(写真)
朝6時に起床し、装備を身に着けて15キロの行進、あるいは重装備での2キロ走、腹筋運動などの7種目の体力測定を行ない、夜23時消灯というのが日課。
「時間管理と連帯責任の重要性を学んでもらった。来年も実施する。」という、その銀行の人事部・研修担当者のコメントも添えてありました。
他にも、いくつかの信用金庫で、新入社員研修で自衛隊での訓練を取り入れているそうです。
だいたい、この手のモーレツ型研修は、雇用する側と雇用される側の力関係が極端に雇用側に偏る就職難の時代に、必ずといってよいほど登場してきます。
文句を言おうにも言えない立場の新人たちに、このような研修を強制する感覚は、私には全く理解できません。
私が現在勤務する銀行でこんな研修を実施したら、その研修を企画した者は懲罰委員会にかけられて厳しく処分されてしまうことでしょう。
日本の多くの大学が、かつての自由放任の態勢から脱却して、より社会で役立つ知識を学生達に学んでもらおうと様々な工夫しています。
昔の自由放任の時代にもノスタルジーを感じますが、厳しさを増す社会情勢を考えれば、若い時に勉強して損することはありません。
それなのに、採用する側の企業といったら、三年生になった学生達が専門課程をじっくり学ぼうにも学べなくなるような日程での就職活動を強要し、苦労の末に入社したと思ったら、自衛隊に行ってこいと言うのですから、学生達もたまったものではありません。
この記事を読みながら、自分自身が新米の銀行マンだった時のことを思い出していました。
私が大学を卒業して邦銀に就職した30年余り前。
私が就職した銀行では1ヶ月の新人向け合宿研修があり、その研修メニューの中には2泊3日で禅寺に合宿し、朝は座禅、昼間は境内などの掃除、夜は再び座禅という日程も含まれていました。
同期生の中にはキリスト教の洗礼を受けた者もいましたから、現代の目線で考えれば、この禅寺合宿という企画自体も、かなり問題含みでした。
そして、お堂の中での掃除を行なっている際に、ちょっとした揉め事が発生しました。
人事部の30歳過ぎの研修担当者(某・旧帝大OB)が、「何をモタモタしてるんだ。お前らは、さっさと言われたことをやれ・・・」というような口調で私達に指示をしたために、新人達が一斉に反発して、その研修担当者に食って掛かったのです。
「あなたに、『お前ら』呼ばわりされる憶えはありません。」
「先輩行員ならば、どんな無礼な言葉使いでも許されると思っているんですか。」
(`へ´)
大学を卒業したばかりのヒヨッ子たちから予想もしない反発を受けて、研修担当者は青ざめていました。
幸い、もう一人の人事部研修担当者Aさん(早大OB)が、ビックリして飛んできて揉め事の仲裁に入り、大事に至りませんでした。
まだ試用期間中だというのに研修担当者を吊るし上げてしまった私たちも若かったですし、今から考えれば冷や汗ものです。
(;^_^A
それから十数年経って、私達の多くが支店長・副支店長クラスに昇格していましたが、『お前ら』発言をした研修担当者は、課長クラスにとどまったままで関連リース会社に出向。
つまるところ、若い後輩たちの人格を軽くみて、自分達の後継者として育てるんだという気持ちに欠ける人物だったということです。立派な学歴が泣いていました。
一方、仲裁に入ってくださった早大OBのAさんは、いくつかの支店で支店長を務められて、現在は、中堅の上場会社で役員をされています。
数年前にAさんとお会いした際に、『あの時のay君たちは、学生気分が全然抜けていないんだもの。学生集会みたいな雰囲気になっちゃって、本当に参ったよ。』と、楽しそうに笑っていらっしゃいました。
冒頭の自衛隊での訓練の写真、そして人事部研修担当者の得意げなコメントを読みながら、『行進している新入行員の中に、この研修担当者に文句をつけるようなヤンチャな連中はいたのかなあ』などと、昔日の自分達と重ね合わせていました。
ある地方銀行では、新入行員33名(うち女性5名)が、3泊4日で自衛隊の駐屯地で入隊訓練に参加したのだそうです。(写真)
朝6時に起床し、装備を身に着けて15キロの行進、あるいは重装備での2キロ走、腹筋運動などの7種目の体力測定を行ない、夜23時消灯というのが日課。
「時間管理と連帯責任の重要性を学んでもらった。来年も実施する。」という、その銀行の人事部・研修担当者のコメントも添えてありました。
他にも、いくつかの信用金庫で、新入社員研修で自衛隊での訓練を取り入れているそうです。
だいたい、この手のモーレツ型研修は、雇用する側と雇用される側の力関係が極端に雇用側に偏る就職難の時代に、必ずといってよいほど登場してきます。
文句を言おうにも言えない立場の新人たちに、このような研修を強制する感覚は、私には全く理解できません。
私が現在勤務する銀行でこんな研修を実施したら、その研修を企画した者は懲罰委員会にかけられて厳しく処分されてしまうことでしょう。
日本の多くの大学が、かつての自由放任の態勢から脱却して、より社会で役立つ知識を学生達に学んでもらおうと様々な工夫しています。
昔の自由放任の時代にもノスタルジーを感じますが、厳しさを増す社会情勢を考えれば、若い時に勉強して損することはありません。
それなのに、採用する側の企業といったら、三年生になった学生達が専門課程をじっくり学ぼうにも学べなくなるような日程での就職活動を強要し、苦労の末に入社したと思ったら、自衛隊に行ってこいと言うのですから、学生達もたまったものではありません。
この記事を読みながら、自分自身が新米の銀行マンだった時のことを思い出していました。
私が大学を卒業して邦銀に就職した30年余り前。
私が就職した銀行では1ヶ月の新人向け合宿研修があり、その研修メニューの中には2泊3日で禅寺に合宿し、朝は座禅、昼間は境内などの掃除、夜は再び座禅という日程も含まれていました。
同期生の中にはキリスト教の洗礼を受けた者もいましたから、現代の目線で考えれば、この禅寺合宿という企画自体も、かなり問題含みでした。
そして、お堂の中での掃除を行なっている際に、ちょっとした揉め事が発生しました。
人事部の30歳過ぎの研修担当者(某・旧帝大OB)が、「何をモタモタしてるんだ。お前らは、さっさと言われたことをやれ・・・」というような口調で私達に指示をしたために、新人達が一斉に反発して、その研修担当者に食って掛かったのです。
「あなたに、『お前ら』呼ばわりされる憶えはありません。」
「先輩行員ならば、どんな無礼な言葉使いでも許されると思っているんですか。」
(`へ´)
大学を卒業したばかりのヒヨッ子たちから予想もしない反発を受けて、研修担当者は青ざめていました。
幸い、もう一人の人事部研修担当者Aさん(早大OB)が、ビックリして飛んできて揉め事の仲裁に入り、大事に至りませんでした。
まだ試用期間中だというのに研修担当者を吊るし上げてしまった私たちも若かったですし、今から考えれば冷や汗ものです。
(;^_^A
それから十数年経って、私達の多くが支店長・副支店長クラスに昇格していましたが、『お前ら』発言をした研修担当者は、課長クラスにとどまったままで関連リース会社に出向。
つまるところ、若い後輩たちの人格を軽くみて、自分達の後継者として育てるんだという気持ちに欠ける人物だったということです。立派な学歴が泣いていました。
一方、仲裁に入ってくださった早大OBのAさんは、いくつかの支店で支店長を務められて、現在は、中堅の上場会社で役員をされています。
数年前にAさんとお会いした際に、『あの時のay君たちは、学生気分が全然抜けていないんだもの。学生集会みたいな雰囲気になっちゃって、本当に参ったよ。』と、楽しそうに笑っていらっしゃいました。
冒頭の自衛隊での訓練の写真、そして人事部研修担当者の得意げなコメントを読みながら、『行進している新入行員の中に、この研修担当者に文句をつけるようなヤンチャな連中はいたのかなあ』などと、昔日の自分達と重ね合わせていました。