脳のサイズと語学能力に関連性があるという研究結果が今日の日経朝刊に載っていました。
具体的には、MRIで脳の大きさを測定したところ、前頭葉の下部に相当する「下前頭回」(文法中枢と呼ばれる部位)の体積を調べると、英文法の能力の高い人は右脳のそれより左脳が大きいのだそうです。最も成績の良い人は4割も左脳の下前頭回の体積が大きかったといいますから驚きます。
研究によれば、将来は脳のサイズから語学の適性を判断し、個々の生徒にあった語学の教育方法を選択する可能性があるのだと。
この研究結果を踏まえて未来を想像してみると、例えば東京外語大の入試願書にMRIデータ添付を義務付けられて、「あなたは左脳の大きさが足りません。」と書類審査で不合格とされたり、あるいは「この受験生は左脳が大きいから、試験点数を10点上乗せしようか」なんていう時代が来るかもしれません・・・ (冗談です)
いずれにしても、語学勉強に励む前に自らの能力の限界を科学的なデータで明示される時代となったら、「どこまでやれるか、目一杯努力してみよう」というようなモチベーションを持つことが簡単ではなくなるかも知れません。
しかし、スポーツは、身長、手のひらの大きさ、腕の長さ等々、努力では如何ともしがたい肉体の諸条件を所与のものとして受け入れて、鍛錬に励むのが当たり前の世界。
もちろん、体格面で常人を上回るアスリートが天賦の資質を存分に活かして対戦相手を圧倒する姿は、チャンピオン・スポーツの醍醐味なのですが、その一方で、技術や戦術を磨きに磨き、体格面でのハンデを克服して頂点を極めようとするアスリートたちの姿、これもまたスポーツを観戦する醍醐味だといえるでしょう。
今年の早稲田の投手陣に当てはめてみると、前者の代表格は大石くん、後者は斎藤くんということになるでしょうか。
その対照的な二人の投手が、揃って苦しんでいます。
以前にも話題にしたことがあるのですが、野球にしてもラグビーにしても、二十歳前後の男性アスリートたちは、筋肉がぐっと豊かになってくる時期にあたります。
筋肉がついた分、パワーアップはできるのですが、その一方で、関節の柔らかさ、体のしなやかさを失う選手も少なくありません。
特に、体格面で劣る選手ほど、筋力を鍛えてハンデを克服しようとする傾向がありますから、筋力を鍛えつつ、如何に柔軟性を維持するかが、トレーニングを行なう上で、とても重要なポイントです。
このところの斎藤くんは、筋肉が豊かになった体に投球フォームがイマイチしっくりきていない、あるいは上半身と下半身の筋力バランスが崩れたことによって制球力が乱れ、そして、体のしなやかさが少し低下したことによって、筋力がついてきた割には球速が伸びないという状況となっているのではなかろうかと、素人目で見ています。
一方、不慣れな先発に回った大石くんは、同じ腕の振りから快速球とキレキレのスライダーを投げ分けるという彼の強みが、失われている印象を受けます。原因は良く分かりませんが、何よりも、腕が思い切って振れていません。
私が思い出したのは、明治の大エースだった頃の川上憲伸投手。
力投タイプで六大学を代表する投手となっていた彼が、ある時「あまり腕を振らなくても、それなりの球速が出るから、これからは制球重視でいきたい」と言って臨んだシーズンがあったのですが、結果は大失敗。
神宮球場の球速表示は確かに145キロ前後を常に示すのですが、球のキレがなくなって、早稲田の矢口、慶応の高橋由伸など当時の各校の主軸打者に面白いようにジャストミートされてしまいました。
直接確認したわけではないのですが、大石くんも、今季から先発に回ったことで、同じような考え違いをしているような気がしてなりません。
幸い、二人とも肩やヒジを傷めたということではないようなので、リーグ戦の中で少しずつ修正していくことが十分可能だと私は信じています。
今週末の立教戦を上手く乗り切れば一週空きますから、そこの時間を活用して、本来の持ち味を出せる態勢で明治と戦うことができるはずです。
あと忘れてならないことは、科学班のサポートです。
黄金時代を裏で支えてきた坂本くん(現・関西テレビ)、寺田くん(現・テレビ朝日)といった、データ解析に優れた部員たちが相次いで卒業しました。
彼らの築いたノウハウをきっちりと継承して、情報戦においても法政や明治などライバル校の後塵を拝することのないよう頑張ってもらいたいと思います。
具体的には、MRIで脳の大きさを測定したところ、前頭葉の下部に相当する「下前頭回」(文法中枢と呼ばれる部位)の体積を調べると、英文法の能力の高い人は右脳のそれより左脳が大きいのだそうです。最も成績の良い人は4割も左脳の下前頭回の体積が大きかったといいますから驚きます。
研究によれば、将来は脳のサイズから語学の適性を判断し、個々の生徒にあった語学の教育方法を選択する可能性があるのだと。
この研究結果を踏まえて未来を想像してみると、例えば東京外語大の入試願書にMRIデータ添付を義務付けられて、「あなたは左脳の大きさが足りません。」と書類審査で不合格とされたり、あるいは「この受験生は左脳が大きいから、試験点数を10点上乗せしようか」なんていう時代が来るかもしれません・・・ (冗談です)
いずれにしても、語学勉強に励む前に自らの能力の限界を科学的なデータで明示される時代となったら、「どこまでやれるか、目一杯努力してみよう」というようなモチベーションを持つことが簡単ではなくなるかも知れません。
しかし、スポーツは、身長、手のひらの大きさ、腕の長さ等々、努力では如何ともしがたい肉体の諸条件を所与のものとして受け入れて、鍛錬に励むのが当たり前の世界。
もちろん、体格面で常人を上回るアスリートが天賦の資質を存分に活かして対戦相手を圧倒する姿は、チャンピオン・スポーツの醍醐味なのですが、その一方で、技術や戦術を磨きに磨き、体格面でのハンデを克服して頂点を極めようとするアスリートたちの姿、これもまたスポーツを観戦する醍醐味だといえるでしょう。
今年の早稲田の投手陣に当てはめてみると、前者の代表格は大石くん、後者は斎藤くんということになるでしょうか。
その対照的な二人の投手が、揃って苦しんでいます。
以前にも話題にしたことがあるのですが、野球にしてもラグビーにしても、二十歳前後の男性アスリートたちは、筋肉がぐっと豊かになってくる時期にあたります。
筋肉がついた分、パワーアップはできるのですが、その一方で、関節の柔らかさ、体のしなやかさを失う選手も少なくありません。
特に、体格面で劣る選手ほど、筋力を鍛えてハンデを克服しようとする傾向がありますから、筋力を鍛えつつ、如何に柔軟性を維持するかが、トレーニングを行なう上で、とても重要なポイントです。
このところの斎藤くんは、筋肉が豊かになった体に投球フォームがイマイチしっくりきていない、あるいは上半身と下半身の筋力バランスが崩れたことによって制球力が乱れ、そして、体のしなやかさが少し低下したことによって、筋力がついてきた割には球速が伸びないという状況となっているのではなかろうかと、素人目で見ています。
一方、不慣れな先発に回った大石くんは、同じ腕の振りから快速球とキレキレのスライダーを投げ分けるという彼の強みが、失われている印象を受けます。原因は良く分かりませんが、何よりも、腕が思い切って振れていません。
私が思い出したのは、明治の大エースだった頃の川上憲伸投手。
力投タイプで六大学を代表する投手となっていた彼が、ある時「あまり腕を振らなくても、それなりの球速が出るから、これからは制球重視でいきたい」と言って臨んだシーズンがあったのですが、結果は大失敗。
神宮球場の球速表示は確かに145キロ前後を常に示すのですが、球のキレがなくなって、早稲田の矢口、慶応の高橋由伸など当時の各校の主軸打者に面白いようにジャストミートされてしまいました。
直接確認したわけではないのですが、大石くんも、今季から先発に回ったことで、同じような考え違いをしているような気がしてなりません。
幸い、二人とも肩やヒジを傷めたということではないようなので、リーグ戦の中で少しずつ修正していくことが十分可能だと私は信じています。
今週末の立教戦を上手く乗り切れば一週空きますから、そこの時間を活用して、本来の持ち味を出せる態勢で明治と戦うことができるはずです。
あと忘れてならないことは、科学班のサポートです。
黄金時代を裏で支えてきた坂本くん(現・関西テレビ)、寺田くん(現・テレビ朝日)といった、データ解析に優れた部員たちが相次いで卒業しました。
彼らの築いたノウハウをきっちりと継承して、情報戦においても法政や明治などライバル校の後塵を拝することのないよう頑張ってもらいたいと思います。