外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

芝生席の思い出

2010-04-13 18:10:08 | 大学野球
かつて、神宮球場の外野席の一部は芝生席でした。

1978年(昭和53年)に工事が行なわれて、芝生席は無くなってしまいましたが、陽気の良い季節の芝生席には、何ともいえぬ風情がありました。

冒頭の写真は、昭和50年ごろの神宮球場の芝生席での一枚。
当時のアサヒグラフからお借りした写真ですが、プロのカメラマンの方は、さすがに雰囲気のある写真を撮るものです。

芝生席といえば、六大学野球だけでなく、プロのナイターを何度も観に行った思い出があります。

高校生の頃、新聞屋さんあたりからもらった外野席のタダ券を自宅から持ち寄って、クラブ活動を終えた後の夕方に、青山高校の仲間たちと神宮によく行ったものでした。

もっとも神宮に行くといっても、高校の前の横断歩道を渡るだけですから、いたって簡単。
試合開始直前に着替えても間に合うという、野球ファンにとっては実にありがたい立地に今も母校は建っています。
大慌てで着替えてナイター観戦に走る後輩くんたちが、きっと今もいると思います。
(*^_^*)

外人選手の打撃練習を外野から眺めていると、芝生席の部分に、ドス!、ドス!と音をたててに強烈な打球が次々と打ち込まれてきまして、私たち観客は右へ左へと逃げまどいました。

当時は、スワローズだけでなく、本拠地のない"ジプシー球団"だったロッテの主催試合も時々ありました。
大杉、有藤、長池といった和製長距離砲も凄かったですが、ヤクルトのマニエル、ロジャース、ロッテのアルトマン、阪急のマルカーノ…
目の当たりにした外人パワーには脱帽でした。

外野席にいると、外野手の守備位置変更の様子が良く分かり、敵打者の長打力をどのように評価しているか想像がつきます。
また、選手がハンサムかどうかなんて外野席では関係ないですから、肩が強い、足が速い、長打力がある等々、スポーツの原点を純粋に楽しむことのできる場所でもあります。
「外野席の方が好きだ」という野球ファンが少なくないのも、分かるような気がします。

ただ、雨上がりの試合だったりすると、打球を避けようとした時に芝生の上でズルっと滑ってしまい、シャツの背中が泥だらけになってしまったこともありましたっけ。

今となってはセピア色の思い出ですが、芝生席のどこに新聞紙を敷こうかと友人達と迷ったことや、打球が打ち込まれた際のドス!という重い響きは、忘れることができません。

現在の感覚でいえば、天然芝の観客席には不都合な点もあるのでしょうが、ごろ寝したりしながら野球を観るスペースがある球場も、案外悪くないと思うんですよね

ハイテクの時代ですから、比較的に空いている試合日には、家族や仲間同士で座る、人工芝のピクニック席みたいなエリアが登場する仕掛けができないものでしょうか。
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