四国一周の旅 ⑥ ( 香川県 )
四国の旅もいよいよ終着の香川県に入りました。
香川といえば讃岐うどんと金毘羅さんですが、金毘羅宮は以前に行きましたので参道の途中から横道にそれて
金毘羅歌舞伎で有名な芝居小屋を見学することにしました。
◎ 金毘羅大芝居
金毘羅さんの参道脇に旧金毘羅大芝居「金丸座」があります。
日本最古の歌舞伎劇場で近年金毘羅大芝居が人気役者たちによって復活しました。
通り札(入場券)を購入して小屋に入ると 丁度案内役の方が場内の説明中で運よく学習の機会を得ました。
木戸をくぐって入ったところには歌舞伎役者の名簿板があり自筆のサインがそれぞれ趣がありました。
また、その脇には出席表示板がありましたが赤色のピンが立っているのが出席者だそうです。
時代的な独特の雰囲気に魅せられて説明に耳を傾けていました。
舞 台 、 桟 敷 「金毘羅大芝居」の額
舞台正面にはどっしりとした松の緞帳、天井からは吊るされた顔見世提灯に映えた家紋の数々が自己主張し、右側面には
金毘羅大芝居の額が威厳を放っていました。桟敷は整然と区切られていて往時の観客のざわめきが聞こえて
くるようでした。 楽しみの少なかった時代 庶民の、特に地方の娯楽に歌舞伎の果たした役割は大きかったと思いました。
楽屋番控室 頭取部屋
二階には役者の控えの間や囃子方部屋などの部屋があり裏方の生活の一端を垣間見た感じがしました。
奈落 をはじめて見学しました。 奈落とは仏教用語で地獄のことですが、芝居では舞台や花道の床下のことをいい
ます。地下の暗いイメージが地獄(奈落)を連想することからつけられたといわれています。
奈落は廻り舞台やセリ・すっぽんの仕掛けを動かす場所でここでは今でも昔ながらの人力で動かしているそうです。
華やかな舞台の下で芝居を盛り上げ役者の演技を支える裏方の方々のご苦労がひしひしと伝わってきました。
徳島、高知、愛媛、香川と海岸線に沿った 四国一周の旅は終わりに近づきました。
うずしおの淡路島を渡って、舞子、神戸、大阪、奈良と帰途につき、貴重な思い出深い旅になりました。