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12月24日: ボーイングのスターライナー宇宙船、ニューメキシコに着陸

2019年12月24日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ボーイングの CST-100 スターライナー宇宙船が、夜明け前のエアーバッグの上に静かに置かれている。スターライナーは、NASAの商用クルー計画の一部として初めての無人の軌道飛行テストを終え、東部標準時間2019年12月22日日曜日 7:58 a.m. に、将来のクルー船に計画された同じサイトの、ニューメキシコのホワイトサンズ宇宙ポートに着地した。その着陸は、午前7時23分の軌道脱出点火、宇宙船のサービスモジュールの分離、3基のメインパラシュート、六つのエアバッグの展開の成功に続いた。

<出典>: 「商用クルー(Commercial Crew)」

<大判>: イメージにリンクした大判は着陸直後のスターライナー。手前に広げられたパラシュートが見える。

<ひとこと>: 2003年2月、国際宇宙ステーションからの帰路7名の宇宙飛行士の犠牲者を出したスペースシャトルコロンビアの事故以降、NASAは、その計画の大幅な見直しを迫られた。それまでもそのコンセプトに疑念があったスペースシャトル計画は廃止され --- 近年の有人宇宙船は全て耐熱性のカプセル型(円錐形)である --- 、宇宙飛行士の送迎、物資の運搬を含む近地球軌道(例:国際宇宙ステーション)との飛行は民間企業に任せ、NASAは更に遠い宇宙の探査に専念することになった。
その後、近地球軌道の宇宙船開発にボーイング(スターライナー)とスペースX(ドラゴンクルー)が名乗りを上げ、今回のテストに結びついている。ドラゴンクルー船は既に飛行テストを終えているが、NASAでは今回のスターライナーのテスト飛行を非常に重視している。その理由は分らない。
一方、国際宇宙ステーションのクルー(通常滞在期間は6ヵ月)の補充要員の送迎は、ここ何年かはロシアのソユーズを使って年4回3名づつ打ち上げられ、12月遅くのこの時期、既に飛行準備にかかっているのが通例であった。しかし、今のところ、ロシアのソユーズを含めて次期のクルー船飛行計画は全く不明である。これまでもスターライナーのテストは再々延期されていることから、これに起因しているのだろう。今回の無人テストでは着陸には成功したが、打上では予定の軌道に入れずドッキングをあきらめることとなった。これ以上ステーションの飛行士達を長く滞在させることは難しい --- 女性宇宙飛行士の一人の滞在期間は既に一年近くになっている --- ことから、早急な対応を求められるだろう。このことは近い将来指揮官として国際宇宙ステーションに向かう予定の、日本の野口聡一飛行士の計画にもかかわっている。

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