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10月13日:タイタンのメタンの溢れる谷

2016年10月13日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

土星最大の月タイタンは著しく地球に似ている。その直径は僅か地球の約40%であるが、タイタンの窒素の豊かな、密度の濃い、地表の地質活動は、二つの天体の間の比較を避けられないものにしている。NASAとヨーロッパ宇宙機関のカッシーニ宇宙船のレーダーでとられたこのイメージは、まさにタイタンの地形が地球の地形にどれくらい似ているかを示している。タイタンは、地球を除いては、大きなスケールでの活動的な浸食の証拠を発見し得る唯一の他の天体である。地球で水が浸食するように、この月には、地表を彫る、主にメタンといくらかのエタンの液体炭化水素で満たされた、海、湖、川がある。印象的な例は Vid Flumina であり、ナイルに似た分岐する川のシステムがイメージの左上四半部に見える。この川は、イメージの右の暗い片として現れているメタンの豊富な海、月の北極領域の Ligeia Mare(ライジーア・メア)に流れ込んでいる。2013年5月からカッシーニのレーダー観測を分析しているイタリアと米国の調査者達は、この Vid Flumina から分岐する狭いチャンネルが、流れる炭化水素で満たされた深い急斜面の谷であることを明らかにした。このチャンネルは、幅1キロメートル未満、深さ570メートル、40度より急な斜面を持っている。それらは、主に Vid Flumina 川に流入する液体のメタンによって彫られたことを示唆している。

<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」

<大判>: イメージをクリック

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