玉子おばあちゃんの逆襲

認知症の症状が出ていた玉子おばあちゃんだったが、
周りのサポートがあれば、日常生活は問題なく過ごせていたので
身体の動くうちは、家族に付き添われてよく外出していた。

そんな折り、おじいちゃんの本家で法事があった。

おばあちゃんは長男とお嫁さん(私の伯父と伯母)と一緒に出掛けていった。

お寺様の読経が終わり、
宴席が設けられた。

久しぶりに集った親戚一同が
和やかに会食するその場で、
玉子おばあちゃんがしゃべり出した。

「私はおじいさんと結婚して、
赤ん坊が生まれたっていうのに
兄様(長兄のこと)が許してくれず、
籍も入れさせてもらえんかった。」

そこから始まり、
玉子おばあちゃんの恨み節は延々と続く。

付き添いの伯父と伯母は
なんとか取り繕うとしたが、
一旦スイッチが入ったおばあちゃんは止まらない。

お構いなしに、
あれやこれや、積年の鬱憤をしゃべりまくったそうだ。

今まで余程嫌な思いをしてきたんだろう。

それから間もなく、
おばあちゃんは症状が重くなり、
施設に入って寝たきりの生活になってしまった。

おばあちゃん、
最後にぶちまけて
すっきりしたんだよね、きっと。

私も病気になって感情をコントロールできなくなったら、
玉子おばあちゃんのように全部ぶちまけたりするのかしら？
きゃー！そしたら一体どうしましょう？(爆)