昨日の日経新聞に「田園都市と日本人」が紹介されていた。
私にとって、懐かしい本だった。
私がこの本を読んだのは1980年のことだ。
当時経済学部のK先生が、ぜひ読むようにと推奨した本だった。
かねがね、国土の乱開発を苦々しく思っていた私には、興味のある分野でもあった。
現代では、目に見える公害問題こそ減ったものの、地球温暖化など、より深刻でグローバルな環境問題を抱える時代となった。いわゆる持続可能な社会のありようとして、いまこそこの本を見直すべきときだと思われる。
明治時代に国家の理想を語る官僚たちの心意気を、今の官僚の人達にも感じてもらいたいものだ。
文庫本の裏書にはこうある
「われわれ日本人は、戦争を望んだことがあっただろうか。この過密都市を心待ちにしていただろうか。本書は、西洋諸国を模範として強引に進められる近代日本の国家建設に抗して、平和を愛し、自然を愛する日本人の国民性に着目して構想された日本的国家建設論である。国家の真のつとめは国民を強圧的に規制することではなく、国民に生活の喜びを与え、国民の主体的な努力を援助することであるとした。幻の内務省文書がよみがえる。」
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