暮れにきて株価が急上昇した。
コロナ不況の中、相反する動きで話題になっているようだ。
金融緩和による余剰資金が行き場を失っているせいだろうが、
いよいよあやうい現象だと思う。
膨大な資金が有効に使われることなく投機的取引に流れている。
日本のバブル崩壊の時には、その資金が不動産投資へも向かっていた。
今では不動産でさえ警戒され、運用先は株ぐらいしかないようである。
株は債券に比べ価格変動リスクが大きいが、配当金も期待できる。
ボラティリティは、裏を返せば収益機会でもあるので、信用力の高い会社の株式運用なら一概に否定はできない。
アベノミスクが始まり、金利が0%に近づいたのが8年ぐらい前。
それは世界の動きに歩調を合わせるものだったが、ヨーロッパを含めてマイナス金利政策が始まり、今でも極端な低金利が続いている。
前回の緩和政策はリーマンショックが原因だったが、
今度はコロナショックが追い打ちをかけた。
一方10年前、運用収益が確保できた当時の10年債の償還は、いよいよ最後を迎え、行先を失った投資資金は自然と増加傾向にあると思われる。
償還資金を以前と同じ債券に投資していたのでは、前のような収益は期待できないし、運用担当者としての責務が果たせない。
しかたがない。
リスクをとってでも運用計画の収益を確保しよう。
となるのだろう。
なんだか危うい感じだ。
緩和資金は本来経済成長のために流れるはずだった。
ところが経済成長に欠かせない中間層が壊滅しそうになっている。
明らかに政策の失敗だ。