今日の考え事〈applemint1104〉

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映画「万引き家族」の感想

2018-06-15 16:53:22 | エンタメ
思い立って行ったものだから映画が始まるギリギリに入り、しかも満席に近い。(10時台に見ると割引らしいのです)
空気はどよーんとしていて、息苦しい。早くも後悔しました。
が、始まるとたちまち引き込まれました。
殆ど観客の反応もなく非常に静かな二時間でした。
しかし、見終わってみるとほぼ想像通りの作品でした。
是枝作品の域を出ず、ふーん、こんなもんだろうなと思うだけでした。
 
初見した時の家族の印象は最悪でした。家の汚さ、だらしなさが目を覆うようでした。
言葉は悪いですが、底辺中の底辺といってもいいような‥。
私は何十年も生きてきて回りにこういう家族を見た事がありません。いるんだろうか、実際に。
外国の人がこれを見て日本のよくある家庭だと思ったらイヤだな~と思いました。
 
しかしそんな思いとは裏腹に、映画の中の一家は自然で楽しそう。和気藹々です。
誰もお互いを責めたり詰ったり妙な期待をかけたりしていません。
ゆるい不思議な関係、絆と言ってもいいような‥。だから見ていて心がホンワカしてくるのです。
 
治(リリー)の家族はどうも家族ではないらしいのです。どんな関係なんだ?と見ながら思います。
そして徐々に彼らの関係が分かってきます。物語りの後半です。
お婆ちゃんが突然亡くなってしまう。葬式代がないために、治と信代(安藤)は家の床下を掘って埋めるという、まったく尋常じゃない行動を取ります。
そうして約3週間が経ちます。
祥太はいつものようにスーパーで万引きをしますが、失敗。玉ねぎを持って逃げる間に店員に追いつめられて道路に転落してしまいます。
頭を打ち脚の骨を折って入院した祥太。そこから、一家の不自然さが世間に暴かれます。
 
なんとなく家に連れてきて、リリーの家にいついている女の子、百合(ホントは樹里)
5歳の彼女は行方不明の女児としてマスコミに報道され、両親は娘を殺害した疑いをかけられていました。
彼女がその樹里だということ、お婆ちゃんの死体遺棄のこともバレ、そしてなんと、信代の身の上も暴かれます。
信代は殺人の前科者だったのです。当然、おばあちゃんも殺したのだろうと疑われます‥。罪を着て刑務所に入る彼女。
 
しかし恐ろしいことはこの家族はとってほんの一部なのです。
ばあちゃんは元夫を奪った女の家を時々訪問してお金を貰っているし、その娘が今はこの家族と一緒に暮らしていかがわしい風俗のバイトをしている。
嫌になるくらいこれでもかと、低俗さ汚さを描き出しています。
でも、祥太はここから抜け出す覚悟で万引きを失敗させたのでした。
最後は家に戻った樹里ちゃんの日常でブツッと終わりました。
 

ドキュメンタリーでもなく素晴らしい人達の感動物語でもなく、一生懸命に生きる人達のバイタリティーあふれた物語りでもない。
何なんでしょうね‥
しかし万引きを正当化していたわけでもなく、全てが淡々としていました。それが救いなのかな‥
 
こういう世界は私には抵抗があります。
21世紀も20年になろうとしている今の日本、科学技術が発展し、あらゆるサービスと情報が溢れている国にあって、こういう話がもてはやされていいとは思えないのです。上手く言えないですが‥。
いいようのないモヤモヤが心に残りました。


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