今日の考え事〈applemint1104〉

自分の体験やニュース、テレビドラマや映画などについて感じた事を素直に書いて行きます。

「最高の離婚」7話「夜行観覧車」6話「ビブリア古書堂の事件手帖」の感想

2013-02-26 10:36:32 | ドラマ

まとめて録画を見直したのだが、今回一番心に残ったのは「最高の離婚」の尾野真智子が黙って荷物をまとめて出て行く時に書いた置き手紙の内容です。
しかしあの名文、作家が書いたとしか思えないような繊細な表現。
今までのあのがさつで粗暴な振る舞いは何だったんだ?とても同じ人には見えません。
後出しでどんどんいろんな所を出してくる。見る側は黙って受け入れるしかないのですが‥。
今回はぐっと来て、思わず落涙しました。
まぁ状況を考えると出て行く時なのだから、今まで以上にセンチメンタルになっているという前提があります。究極の場面では誰でも素晴らしい表現者になるのです。
でも、この手紙、破いてしまったんですよね、勿体ない。
これも彼女の本来の姿と考えると、ユカは振幅の激しい人なのでしょう。
桜の木を見上げ、二組の男女が桜の話をしている。互いに逆方向へ向かい歩きながら。
片方は瑛太「桜なんか大嫌い。なぎ倒されて海に流れていけばいいのに」
同感する真木。方やオノマチは「桜って大好き」桜の見える場所に結婚して引っ越してきて嬉しかった、と。二人のすれ違う心が象徴的に描かれています。うまいなぁ。
全般的に自然で構えてなくて、どこにでもある風景を切り取ったような場面に心打たれました。今回のは良かったです。

「夜行観覧車」今回はあまり進展なかったですね。逃亡している二人が何故逃げているか、もう少しヒントが欲しかったです。石田ゆり子は初回の頃に比べ髪が乱れていきますね。
内巻きで一世代前のお嬢様風の髪型が、何故かわざとらしかった気がしています。
伏線の意味もあったんでしょうか。夏木マリは段々回りから浮いてきました。異常さを取り巻きも感じているようです。夫はいるのでしょうか?この人も謎だらけです。
来週京香さんが何か起こすようです。進展がありそうですね。予告を見て思いました。

「ビブリア古書堂の‥」
昨日のは「えーっ?」と思う内容でした。あんなにおしとやかで知識のある人が、レプリカとは言え本に火を放って屋上から投げ捨てるとは。一つ間違えば犯罪になる所です。
彼女は読みが深すぎて、常人には理解できないですね。
一々解説して貰わないと全く言動が分かりません。
持ち込まれた本から推理して、その人が住んでいる家を当てたり、話を聞いただけで、過去の状況を言い当てたり、もう超人です。
うら若き乙女にこのような事が出来るとは、‥それにしても同じような資質を持った母親が、10年前に突如家をでて行方不明なのですね。
母親は、万引きされた価値のある漫画本と引き替えに、多くのプレミアのついた漫画本を交渉して引き取ったというやり手です。
したたかで腹の座った玄人なんだなぁと思いました。
この血を娘も受け継いでいるようです。
でもちょっとがっかりな気が‥。
剛力さんは透明感のある可愛さですね、見覚えがあると思ったら林静一のイラストにそっくりでした。
アキラも良い味出してますね。来週どうなるのか?期待しましょう。


「最高の離婚」6話「夜行観覧車」5話の感想

2013-02-17 11:28:45 | ドラマ

続けてドラマの感想です。
何ですか。毎回感じが違いますね。今回の「最高の離婚」は面白かった。
すれ違っている4人の会話がてんでばらばらでこんなに面白いとは。
しかし瑛太の役はあれですね。トンチンカンもいいとこ、餃子を食べてる場面で「さなぎが返るまで中身はどろどろのジュース状になる」とか、場の空気を一変させる名人です。こんなに不器用であれば返って個性として通用するのでは。
何を言われてもめげませんしね。ホントに可笑しい人物です。
あの若い男の子、あのキャラクターが出てきて安心しました。

仕事も会話も出来る安定した普通の男。
あの人がいないと、回りの人が引き立ちません。
彼が出てきてドラマが締まりました。

綾野剛の独白には「うーん‥」と思いました。
高校の時に学年でもトップの娘と駆け落ちをした。二人で北海道まで行き、ホテルで捕まった。彼女は先生と交際していた。みだらな写真など撮られていた。彼女に剛さんは「結婚しよう」と言った。でも彼女は「ダメなの。貴方じゃ足りないの。先生じゃなきゃダメなの」と言って泣いた。その後つき合いが発覚して先生は懲戒免職に、彼女は退学になった。「足りない物って何だろ‥」そう考えるようになった。彼女の相手の先生が美術教師だったので、自分も美術教師になった。そして、未だに女性を転々としている‥。
これは、昭和のエピソードだと思いましたね。今の人はもっとドライでしょう。
何か湿ってる‥。先生も美術やってるなら志を高く持って高尚であって欲しい。生徒に手を出して変な写真撮るとは、下らぬつまらない男でしょう。何だかなぁ‥。トラウマになるほどの男じゃないと思う。

前回で真木が告白していたのは、離婚した母のようになりたくないと思いながら、苦しんでいた母を見て来たのに自分も気づくと、同じような男を好きになっている‥。とドスのきいた声で打ち明け話していた。その気持ち、分かります。娘は母親のように決してなりたくないと思いながら気づくと同じ道を歩んでたりする。自分の中に流れている血を激しく憎むのです。こういう部分の理解がないとこのドラマは面白くないですね。

「夜行観覧車」

登場人物の行動がとても信じられない。びっくりです。
「キチガイぱっかりだな」と誰かが呟いてました。
今回は高橋家の長男が、親が殺されたのを知らずにいて、妹のメールで気づく。するとそれを知った長男の彼女の行動が異常です。
普通なら相手を気遣って「早く実家へ帰るよう」促すと思うのですが、反対になじり倒し「私のことだけ考えてよ!」と暴れる始末。とても考えられません。

でもこういう異常な人物でこのドラマは埋められているのです。
町内会で「事件を起こした人には立ち退いて貰いたい、そういう決まりを作りたい」と述べる夏木マリ。そんな拘束力はありません。大体町内会くらいで何を気取ってるの?逆に虐められますよ。

最後のシーン、京香さんが家を出て行ったら駐車場と車におびただしい貼り紙が貼られていました。「出て行け」とか「殺人者」とかいうののしりを書いた紙が。
録画を見直したのですが、これはどうやら向かいの高橋家、つまり石田ゆりの家の駐車場のようでした。夏木マリが貼ったようです。何とまぁ御苦労なことを‥。高級住宅地のブライドが泣きますよ。

今回は展開が少なく、ダレていました。見ているだけで不快感が募ります。
登場人物がどうのよりも作者の世界観が病んでいる気がします。
犯人などどうでもよくなりましたが、来週も惰性で見ることにします。


今期ドラマの感想

2013-02-11 16:39:45 | ドラマ

引き続きドラマの感想です。
何か今期は、心が温かくなるような物が一つもないですね。
初め面白いと思っていたのが、グダグタ、ドロドロ。人の気持ちを逆なでするような悪趣味で不愉快な内容が多いです。単に私が見ているのがそうなだけか?
極めつけは「夜行観覧車」でした。今回はひどかった。
父親を殺人で亡くしたばかりの隣家の女高生を、カラオケ店に誘って、主人公の長女が追い詰めていく。
その悪辣さと言ったら。背中が寒くなった。
何が悲しくて素直だった少女をそうさせたのか?
理由が見あたらない。高級住宅地に引っ越すまでは幸せな家庭だった。
この子をそうさせてしまったのは、環境と私立への受験失敗、しか見あたらない。
暗にそう言わせたいのだろうか。
ここまで人を意地悪く描くのは、作者のセレブとか高学歴への怨念なのか。
本当に後味が悪い。金曜の夜にこういう物を見るとますますストレスが溜まる。

謎を隠しておいて秘密を後出しにしてればいいだけだから、ドラマは簡単ですね。
夏木マリの息子もどうやら実在するみたいです。
阿刀田高の「奇妙にこわい話」文庫本シリーズの中にこういうのがあった。
ホームステイで滞在した家で、夜な夜なうめき声が聞こえる。
不思議に思っていたが、家族以外にそこに住む人はいない。
日本に帰ってから考えてみたら、どうもあの家には地下室があって、そこに誰かが閉じこめられているのではないかと。例えば障害を持った長男とかが。
一緒に滞在した友人も声を聞いており、それは異様なものだったと言う。
ドラマの夏木マリの息子も、実は座敷牢に閉じこめられているのではないかという意見があった。そんな雰囲気を匂わせていたが、来週息子の「まー君」小泉進太郎が登場するみたいです。

「最高の離婚」これは前にも書いたが、オノマチのあばずれっぷりに食傷気味です。
女性らしさ、優しさ、かわいらしさが全くない。ただただやりたい放題。結婚が上手く行かないのも「あんたが悪いのよ」と相手のせいにして開き直っている。こんな人、嫌だ。
二つのカップルのすれ違い、どうどう巡りを可笑しく描いている。でも飽きてきた。
もうちょっときちんと話し合えば解決することなのに何でここまでこじれるかな。
‥うーん。このままラストまで行くのか。

「サキ」
とうとう弁護士さんが自殺してしまいましたね。
一体サキは何を企んでいるのか。
「美しい隣人」では、自分の息子が行方不明になって、その間に警察が壇れいの息子を捜索していて、手遅れになってしまった、そのせいで仲間の息子が命を落としたんですね。
それを根に持って壇の家族に復讐するという話。
今回も、色々な人を自殺に導く動機がある筈なんです。
でもそれが今のところ明かされていない。最後に出してくるんでしょうね。
こんな個人の思いこみで人の人生狂わされたらたまったもんじゃない。
不気味ですね、美人なだけに。男が簡単にだまされる。謎めいた微笑みと丁寧さと、家事万能さなどでいとも簡単に手玉に取られる。怖いです。

貧しくても、多少アホでも、元気に生きていくドラマが懐かしくなってきた。
余りにマニアックで救われない話ばかりです。次のクールに期待しましょうかね。


「最高の離婚」「夜行観覧車」の感想

2013-02-02 13:30:26 | ドラマ

今シーズンのドラマは面白いと前回感想を書いた。
しかし何回か回を重ねると、そうでもないのと更に面白いものに分かれた。
今日はその中から更に面白くなってきたドラマを二つ取り上げてみましょう。

「最高の離婚」
どうしても性格が合わない二人、瑛太と尾野真智子のカップルはもう離婚届けを出した。
にも関わらず同居を続けている。
他人になったのに一緒にいるという不思議さ。相変わらず仲が悪い。
瑛太は綾野剛と真木よう子が結婚届を出していないのが気になってしょうがない。
尾野は知り合った若い男の家に何かと通っている。

見事なまでにすれ違っている二つのカップル。
瑛太の先週のセリフ「縄跳びに入れっていうから入ったら縄が脚に絡んで‥」「何もかも上手く出来ないんですよね」という情けない独白。弱々しくて、病んで見えた。
セリフが内面的なんだからもっと軽く、サラッとした言い方で言わないと。
あれにはちょっと引いた。
綾野も同様で、浮気の事後シーンで、独り言を言う。
「カシオペア号が何とか‥テトリスがどうのこうの‥空しい」と。
この喋りもねちっこくて湿っていた。なので見るに耐えられなかった感じ。
もっとサラッと言えよ!と思った。
美大の講師にしては何か貧相というか、夢のない感じで、一般の美術家はもっとエネルギッシュらしいですよ、聞くところによると。

さてさて、今週の見所は尾野真智の長台詞。男の家で作った料理を瑛太が拒否して食べなかったことから逆ギレする。
タッパーを床に投げつけ、半泣きになりながら自分の思いをぶちまける。
「今まで人を好きにならなかった自分が、段々瑛太に心惹かれていって、ドキドキして、結婚してからはいつ普通の夫婦になれるのかと思っていた。でも最後までなれなかった。子供が出来れば家族になれるのかと思った。でもあなたは子供はまだいらないと言ったよね」と激しくなじり、感情をぶつける。棚に飾られた盆栽や本を投げつけながら。
私にはこの人の行動が全く理解できない。いつも自分勝手に振る舞い、がさつで、一方的で、相手を理解しようという気持ちがない。
まず自分、自分。それなのに「あなたは私が好きなんじゃない。あなたが好きなのはいつも、自分」と瑛太に突きつける。
えーっ?私は驚いた。
それはあんたでしょう?と思わず言いたくなった。
私から見ると、瑛太は至って普通の、どこにでもいる男。
少々鈍くさいけど、不器用である。正直なのは、長所でもある。
徹底的に合わない人たちってこうなんだなぁ、と見せつけられた。


綾野は暗いですなぁ。退廃的な雰囲気を持っている。
それが性分なのか演技なのか分からないが。
綾野が浮気してる人は二人だ。
その内の一人は、まんまともう一人の浮気相手から貰ったマッサージの割引券を使って、真木よう子に会う羽目になってしまう。

人間のどうしようもない所を複雑に絡ませて、ひもが解けないようにして、じらせて見せる。
坂元裕二ってこんな脚本家だっけ?
うーむ、面白いかどうか私には分からないが、まぁ気にはなるドラマです。
山田太一の娘の理恵子さんがプロデュース?してるそうな。まぁ山田太一さん風のドラマを引き継いでると言っていいのかもしれませんね。

「夜行観覧車」
高橋家で起きた殺人事件の解明はさっぱり進まないが、断片的に過去を描きながら、高橋家と遠藤家二つの家庭の内部を探っている。
突然過去に戻ったりして、時間的な配列がめちゃくちゃだが、それを現すのに観覧車が使われている。大きな観覧車がどんどん出来上がっていく。挟まれるこの観覧車の出来具合が時間を現しているそうだ。これはちょっとぞっとする表現だ。言われなければ分からない。

とにかく人がよく描かれている。憧れの新居に越してからどんどん壊れていく家族。
娘の悪態や暴れ方は普通ではない、それに対して無抵抗で、しかもずれている母親。
父親は仕事のことで頭が一杯。救いようのない家族になって行く。
京香さんの母親は今まで描かれなかったタイプの役だが、「そう言えばこういう親っているわ」と頷ける。利口なようで愚かな母親だ。

一方高橋家はまた何か理由を抱えた家だ。
出来の違う兄弟は、度々問題を引き起こす。
静かな落ち着いた日常の中に、恐ろしい爆発物が潜んでいる。
また、夏木マリなどのセレブ家庭が誇張して描かれているが、これはマンガだと思えばいい。

ネットの掲示板では「石田ゆり子と宮迫が浮気していてわざわざ近くに越してきた」
「田中哲司の二男は実は宮迫の息子ではないか?」「これは依頼殺人か」と憶測が飛んでいる。
原作とは全然違うドラマになっているらしい。
犯人が誰でも別にいいが、人や家庭の描き方には本当に感心されられた。
これも興味深いドラマだ。