今日の考え事〈applemint1104〉

自分の体験やニュース、テレビドラマや映画などについて感じた事を素直に書いて行きます。

「BORDER 贖罪」の感想

2017-10-31 15:05:49 | ドラマ
2時間スペシャルでした。昨夜眠れなくなって、録画を午前2時から見始め、早々と後悔しました。
画面は暗いわ、出てくる人みんな陰気、しかも1時間経っても話が進まず、気だけが滅入る…。
いい加減嫌になり見るのを止めました。
そして今日残りを見ました。
最後の30分で、このドラマの大きな骨格が分かるような説明があり、初めて全体を理解しました。
うーむなかなか文学的な作品だったんだなーと思いました。
しかし始めて見た人にはその奥深さを理解できません。

大森南朋さん演じる安藤が悪の挑戦者で、石川(小栗旬)の正義を守る人との戦い、つまり図式化されています。
これがまず解りません。
安藤がぬーっと現れてきて石川の傍に立ち、不可解な言葉を投げつけます。
脳の中に被弾した弾が残ってから死者と対話できるようになった石川なのですが、何でこうなるのか、以前から見ていた人にしか理解できません。
今回、石川はビルの屋上から安藤を突き落とします。落下して亡くなってしまった安藤がすぐさま石川の傍に現れ、話しかけます。
自分は悪の追求者だったけれど、お前も自分の側に立った。それでも前のようなお前でいられるのか、みたいな。
この観念的な対立がずっと続きます。
それからも別の死者が石川の前にやってきて、殺した人を捕まえて欲しいと告げます。
 
石川は死者に応えるべく、裏の協力者とともに行動し、ホシを上げていきます。
裏の協力者というのが、また現実離れした能力の持ち主なのです。天才的ハッカーが二人、そして便利屋と情報屋。
どこにそんな人たちがいるんだ、作者のご都合主義じゃないか、だけど、それはそれで彼らに魅力を感じてしまうのです。
特にハッカー二人はそうです。テレ朝の公式サイト見ると、生い立ちとかすごいですね。この二人でスピンオフドラマが作れそうです。
 
しかし、悪と戦うにはもう少し強力な味方がいないとダメなのではないでしょうか。
だって悪の組織なんてもーどうしようもない巨大な代物なんでしょ。生半可に立ち向かっても木っ端みじんなんでしょう?
そこまで望むのは行き過ぎか…
今回は鑑識の波留の出番がほとんどありませんでした。
でも、彼女は石川に何かを感じているんですよね。
無表情で愛想のない彼女ですが、意外とこの役が似合っているのではないかと思いました。
 
石川は安藤を殺した罪を背負って今までのように仕事を続けて行くのか、また協力者たちの変化はあるのか。
上司たちは石川が殺人を犯したと確信しました。緊張が増していきます。
一見救いのないドラマですが、どこかで転機が来るのか。
この後またあるの?ないの?
引き続き見て行きたいです。

映画「サイレンス」の感想

2017-10-27 09:57:31 | エンタメ
今年の初めに公開されたアメリカ映画。遠藤周作の小説が原作です。
制作監督は有名なマーティン・スコセッシ。
彼の作品は主にドキュメンタリー映画が多いですが、最近ではデカプリオの「ウルフオブ…」や代表作の「タクシードライバー」があります。なんと構想28年間の末、ようやく映画になりました。
 
今年もツタヤ年一度のカード更新の時期、無料レンタル一枚これを借りてきました。
大作感があり、初めから緊張です。
まーしかし、中盤までの重いこと重い事。1600年代の日本のキリスト教弾圧と教徒への拷問の数々がこれでもかと描かれています。
ポルトガルから先に渡来した宣教師の行方を追って、二人の若い司祭が長崎へ密航してきます。
イエズス会の立派な司祭です。
二人は師が日本で棄教し(キリスト教を辞めることらしい)しかも日本人として暮らしているらしいと聞き真実を知りに、やってきました。
ところがところが…日本の現実はすさまじいものでした。
長崎の農民たちがキリスト教徒となっていましたが、幕府の弾圧が徹底的に行われていました。
拷問がもう半端じゃない。踏み絵できなかった人を十字架にくくりつけて海の中にさらしたリ、藁で巻いて海に落としたリ、そのまま火に焚きつけたり…
いきなり首をはねる…。残酷で見ていられません。
もう疲れて1時間半くらいでディスクを止めました。気分が悪くなってしまったのです…。
 
でも次の日頑張って見終えました。
後半は主人公の心理的葛藤、宗教的矛盾、神とは何なのか、日本にキリスト教は根付くのか…
など深い問題に入って行きます。
主人公の若い祭司はキリスト教への信念があり、目の前でどんな残酷な死に方を見せつけられても、神への思いは変わりません。
ここが私には判りません。踏み絵ぐらい踏んだらいいじゃない、キリスト教徒じゃないと言ってみたところで誰が不利になるわけじゃなし。
神に忠誠を誓うことが命より大事なのか。この世で幸せにならずにあの世で幸せになってどうする。
死が救いだなんて、洗脳されている。しかし純粋な司祭は抵抗します。
行方不明になっていた司教は長崎でキリスト教を捨て、日本人になって生きていました。
彼から、静かに説得されます。
キリスト教が日本に根付かないことの理由や、矛盾を教えられます。淡々とした説得力ある話です。
 
「私は主の為に何をしたのか?」「私は怯える。あなたの沈黙が恐ろしい」「何に祈っているのか?無に祈っているのか?」
どんなに祈りを捧げても、その結果は死だけだ。神は沈黙している。
主人公の心に少しずつ疑念が湧いてきます。
 
後半、主人公の司祭ロドリゴはとうとう踏み絵を踏んでしまいます。
奉行の口の上手さ、通訳の説得、保身のためにずるく立ち回るキチジローなどがロドリゴの気持ちに変化を起こします。
ロドリゴは棄教し、奉行から日本人の籍を貰い、一生を江戸で暮らしました。
その間祈りもせず、神の名を口にすることもなかったと言います。
でも、棺桶の中のロドリゴの手の中にはロザリオが光っていました。ナレーションは「心については、神だけが知っている」と語っていました。
美しい場面でした。
 
2時間40分の長丁場、初めの掴み部分が分からなかったので、二度見ました。
五島と長崎の場面もこんがらがって、説明が必要だと思いました。
また、日本の貧しい農家の人々がどうしてあそこまでキリスト教に傾倒したのかが不明でした。
ただ拷問されるばかりの存在って、哀れです。もっと社会背景を描いてほしかったです。
にしても、ずしりと響く重厚な映画でした。また見たいとは思わないけど…、
いつかどこかでこの中のセリフを思い出すことはあるでしょう。
 

「先に生まれただけの僕」2話の感想

2017-10-23 09:24:30 | ドラマ
果たしてこの題が相応しいのかな?と思う内容です。
まぁ確かに先に生まれたには違いないのですが、どれだけ話から乖離しているんだと。
 
櫻井君は、会社から出向させられた雇われ校長です。
私立高校の経営不振を立て直すために本人の意志とは無関係に校長にさせられたのです。
しかし初めっから苦労続き。
先週もだったけど、先生達が(役者揃い)個性的で、なんだかふて腐れてるというかやる気が無いというか、扱いにくい人達ばかり。
一話見てて腹が立ったけど、今週も同じです。私立高校の先生ってこんなにふんぞり返ってるんだ…と興ざめでした。
 
でも今回その訳が少しずつ解ってきました。
年長の女教師は、自分が校長になれると思ったのによそから校長が来て、くやしくて仕方がなかった。
それでプリプリしているようです。
また真柴先生(蒼井優)は一生懸命生徒のために骨を折る、いい先生だと分かりました。
所で、何だか顔がまん丸になった櫻井君ですが、よく見ていますとこの高校に来てかなり奮闘しているのが分かります。
今週は予備校のカリスマ講師を呼んで先生達に講習会を受けさせていますし、不登校になってしまった子にも心を配っています。
「奨学金は貰うのは簡単だが、卒業した時点で600万くらい借金を抱えてしまう」というきびしい現実を教えて、生徒は悩んでしまいました。
また、なんですか、高校の中のカースト制って。生徒には一軍二軍三軍の階級があるのだそう。
彼氏が出来ただけで一軍入りですって。可笑しいなぁ。今まで仲良しだった友達が、彼氏が出来ただけで一軍入りし、友人を虐め出す
という話でした。こんな事が実際起こっているのかしら?
この事が原因で体調が悪くなっている生徒から話を聞き、校長と先生で生徒達に注意し話合いました。
 
しかし、鳴海校長(櫻井)はすごいです。教職員から反発があろうと自分の考えをはっきり言い、物怖じしません。
常に何をすればいいか悩み考えています。
そして最後の数分間で、思わぬ急展開が待ち受けていました。
なんと、校長の意志にそぐわなかった、まったく非協力的だった数学教師(ほうかさん)をいきなりばっさり切り捨てたのです!
彼に他の会社へ研修に行くことを命じ、次に早期退職を勧め、更に受け皿の転職先まで見つけてあげていました。
数学教師は辞職しました。
な、なんという好プレー!
やるではありませんか。ちょっとスッキリしました。

立て直しに入る人なんて、こんなもんです。先生達が危機感ないのには驚きます。
見てるとたらたらした運びですが、よく出来ていると思いました。
主役はわざと櫻井君を選んだのでしょうか?出来なさそうに見えて、冷徹。頑張ってるように見えなくて努力家。
そんなタイプなんですね。
二宮くんでも良かったかもしれません。でも中途半端に太った、弱気そうな自信なさげなキャラクターを演じられるのは彼なんでしょうね。
この調子で次からも先生たちをバッサバッサと切って貰いたいです。

「明日の約束」1話の感想

2017-10-20 15:29:49 | ドラマ
この所毎日9時過ぎると眠気に襲われて寝てしまい、新しいドラマが見れていません。
火曜日の「明日の約束」を見直して、感想を書いてみます。
 
久々の井上真央が主演です。鎌倉の私立高校のスクールカウンセラーと言う仕事をしている藍沢日向。でも教職員に変な人もいなく、恵まれた職場環境のようです。
しかし、生徒達それぞれが何か複雑な問題を抱えているようです。
更に井上演じる日向本人も母親との不和、不信感を持っています。まだ明らかにされてませんが母子家庭のようです。
日向の母親は左腕が不自由らしく、表面的には娘と平穏さを保っていますが、飼っている鳥に話しかけグチを吐き出したりしています。
 
所々に回想が挟まれています。どうも母親は娘に幼い頃から心理的虐待をしていたようです。
「明日の約束」と書いたノートに、約束を書き付け守るように言い、自分への服従をさせていたようです。
まーこういう人って…、いないようでいるかもしれないですね。女親ってけっこう変な人いますよ。
 
ドラマは全編ゆっくりと進み、夜見たらまだるっこしくなるほどスローテンポです。
昔のNHKの中学生日記見ているみたい。
でも確実に事件が起きようとしています。
 
生徒の吉岡圭吾が今回の中心人物でした。彼は現在不登校になっていますが、その原因が分からないのでした。
日向と担任の霧島が自宅を訪ねると、不自然なほどの笑顔です。
そして部屋の中も明るく整頓されています。そこに違和感を感じる日向でした。
また圭吾の母親が(仲間由紀恵)ねっとりとした嫌みたらしい性格なのです。上品な口調で先生達を責めるのでした。
「圭吾の人生が駄目になったら先生達のせいですよ」と、恐ろしいことをサラリと言っています。
でも、もう少しここで日向が重い演技をしないといけなかったのではないかな?
「あんな言葉なかなか出て来ませんよ普通なら」と日向は言っています。
母親が圭吾の不登校の一因だと勘づいているのだから、もっと思わせぶりな演技をした方がよかった気がします。
 
「圭吾は虐めに遭っている」という母親の話で、霧島と日向は部活やクラスの生徒達の話を聞いて回ります。
が、特に何も出て来ません。
そしてフラフラと家を出てあちこち歩き回る圭吾でした。
先生達で探し出し、やっと見つけ出します。日向と二人っきりになると、ななんと、圭吾は日向に「僕と付き合って下さい」と急に言い出します。
おいおい一体何を考えているんだ?…その勇気があったら正直に何もかも話せよ。
最後に圭吾は日向に向かって「僕の好きな色は黒」と告げます。
翌日、圭吾は自殺を決行してしまいます。
今週の1時間はこの事件の序章だったのか…
バスケ部の先輩との関係、またクラスメートが何か知っているようです。
これから謎が幕開けして行きます。

他にも、だらしない母親のせいで生活苦になっている女子高生が、母親と縁を切りました。
「貴方は強いよ」と日向は褒めていました…。
鎌倉にはこんな問題ある生徒ばかりいるのか、と勘違いさせられるような第一話でした。
まだ始まったばかりですが、この話で最後まで行くんだろうか。
井上さんが普通の人っぽい普通の役を上手くこなしています。
仲間由紀恵がキーパーソンですかね。
一癖ありそう、というかそれ以上の雰囲気を醸し出しています。
でも仲間さんも高校生の親の役するようになったんだな~。ちょっと感慨深いです。

「陸王」1話の感想

2017-10-16 11:12:00 | ドラマ
すごく話の詰まった初回でした。
100年続いている老舗の足袋作りの会社が舞台です。
行田市という所は足袋の町で、昔は8000万足もの足袋を作り70億円産業だったそう。
それが今では数社だけになり、「こはぜ屋」はがらんとした工場に20人の社員。しかも足袋を縫う部品が使えなくなり、生産が出来なくなりました。
廃業した会社の倉庫へ行き機械を探し回る社長と部下。あきらめかけた所に、廃棄されている機械を見つけました。
ドイツ製のミシンでもう製造していないんだそう。
それを持ち帰って、足袋を全力で作るのでしたが、納期に間に合いませんでした。これが3分くらいで語られます。

漠然と見ていたために分からなかったのですが、録画で見返し意味が分かりました。
とにかくこのこはぜ屋は斜陽産業で未来が見えず、このまま沈んで行くしかない会社です。
銀行の担当者が来て、新しい商品開発を進めます。新天地を求めないとこのままでは駄目だと説得します。
社長は色々と迷いながら、ある時閃きます。運動靴、ランニングシューズはどうかと考えました。
担当の坂本と研究のためマラソン大会に出かけたり、靴屋から運動靴について講義して貰います。
そして「マラソン足袋」を作る決意をします。
 
しかし次々に困難が待ち受けています。莫大な開発費と、研究に要する人と時間。
社員は残業しつづけて身体が持ちません。しかもサービス残業です。
それに反して、社長はどんどん研究にのめり込んで行きます。マラソン大会で選手の茂木が目の前で倒れて優勝を逃したのも、靴のせいではないかと思います。
社長は特別な靴底を作り、マラソン足袋として、売り出し始めます。
コンペでは大勢の前でプレゼンをしましたが、結局空振り。大手の靴メーカーに負けてしまいました。
 
坂本は転勤を命じられ、次の担当者はこはぜ屋をきびしい口調で責め立てます。
マラソン足袋の商品化を諦めるように言います。が、窮地に陥る社長を、社員たちは逆に応援し、一致団結します。
この辺りはもう人情話です。
下町ロケットとほぼ同じ構図です。
 
筋書きはこの程度にしときますが、初めから飛ばしすぎな感じでした。
何回分かを素早く走り抜けたような…。漠然と見ていました。
下町の伝統、技術をこのまま消えて行かせるのではなく、生まれ変わらせ、次世代に受け継がたい。
その努力と苦悩、困難をこれから描いていくのでしょうけど、見るからに社長が無謀な気がしてなりませんでした。
 
足袋屋でしょう?マラソン足袋なんて言うけど、地下足袋とどう違うんだろう。
そもそも、人が言った言葉に乗っかって商品開発するなんて甘いんじゃないの?
じっくり何年も何十年もかかって研究すべきなんでは?
今回見た限りでは、社長の行動は博打に近い気がしました。
 
珍しいことに阿川さんが出てますね。
セリフが下手なのだろうけど、強さとしたたかさがないですね。上品すぎです。
親友の檀ふみさんも出てますね。空気みたいな嫁役です。
ラストで陸王の意味が分かりました。ネーミングがカッコイイですね!
きっと最後には大成功が待ってるんでしょう。陸王が、名前負けにならないことを祈っています。