今日の考え事〈applemint1104〉

自分の体験やニュース、テレビドラマや映画などについて感じた事を素直に書いて行きます。

「火の粉」最終話の感想

2016-05-30 10:14:23 | ドラマ
何とも言えない最終回でした。
濃密というか、どこまでも視聴者を引き付けて思わせぶりな展開にして答えを出さない。
そしてエンドロールが出た後、更に引っ張りました。
それもCMを挟んで二度も。
最後に武内が死んでるのか動かなくなっている所を梶間家の四人が見守っている。
二度目のCMの後、回想だか知らないけど元気な武内が現れます。
一体何が言いたいのか?全て視聴者の判断に委ねられています。
またこのパターンか…。
 
重犯罪を犯しながら罪に問われず逃げ切ってきた男、武内。
的場さん一家殺人事件で無罪を言い渡した裁判官、梶間の隣に引っ越して来て、梶間家に入れ込み家族の一員になろうとした彼。
それもこれも「恩を返そう」「家族の一員になりたい」と願い、梶間家を苦しめている人を憎んであっさりと殺してしまうという恐ろしさ。
その異常さは根深く、幼い頃に亡くなった母のいいつけを守っているだけと告白します。
 
そして梶間家の人たちは武内という人間と向き合い、対決するのです。
また一方、武内に思いを寄せる琴音は変貌していきます。武内を襲う池本を刺殺してしまうのです。
 
武内は自首する前に最後の晩餐をしたいと申し出、梶間家の姑と嫁が料理を作ります。
その間に琴音から封筒が送られ、中身は武内家にあったという青酸系の毒物でした。
武内は梶間の人々を試し、これまでしてきたように、もし彼らに裏切られれば毒殺しようと企んでいるようでした。
 
最後の晩餐が始まり、異様な雰囲気の中、お互いの料理やジュースに毒が仕込まれているのではないかという猜疑心のもと、心理戦が始まります。
長男、祖父、雪見がそれぞれの言葉で武内への思いを語ります。
どうやら梶間家が用意した料理に毒は入っていなかった模様。
最後に武内が自分で焼いたバームクーヘンを差し出します。さぁこれに毒が入っているのか?
 

梶間家の人々の言葉は、本当に彼ら自身が語ったように個性的でした。
祖父は元裁判官らしく、
「決してあなたを許さない。それを裏切りというなら、気の済むようにして下さい」と言う。
雪見はためらいなくバームクーヘンを口にします。
それを見て、武内は「この家族は自分を信頼してくれた」ときっと思ったはずでした。
 
これは命を賭けた戦いでした。
梶間家は、結束して武内と戦い、勝ちました…。
 
そして家に帰った武内は、失敗したバームクーヘンを自ら食べます。
その中に毒を忍ばせていたのか?その後は最初に書いたとおりです。
 

文学的な作品でした。
普通の面白さではなく、心の綾、駆け引きがあり、犯罪者なのにその心中を知ろうと家族が努力し、
最後は心理戦に持ち込んで災難を回避、普通では考えられない運びです。
思わせぶりと引っ張りで苛々しましたが、無事着地しました。
見終わって、私は武内がいつまでも心にひっかかっていました。
 

今までの犯罪が本当に武内がやったものなら、何を語っても犯罪者の言い訳でしかないですよね。
でも「本当にこの人がやったの?」という部分が曖昧です。
亡くなった母親へ手紙を30年も送り続け、そして言いつけを守っている。病んでるのか狂気か。
しかし、見える部分は純粋ないい人でしかないのです。
 
ドラマがそうなのか原作がそうなのか分からないですが、武内を擁護するような作りになっているのですね。
それは作者が武内に哀れみを抱いているから?強い何かのメッセージなのでしょうか?

「重版出来」7話の感想

2016-05-26 11:37:04 | ドラマ
漫画の出版社が舞台ということで、作家と編集者の苦労を扱ったドラマです。
作家の人柄や生活とそれにかかわる難しい立場の編集という仕事に焦点を当て、抜き差しならない創作というものの本質に迫っている気がします。
 
娯楽でありながら商品であり、読者の心をつかむマーケティングだったり、藝術でもあるという。
それが漫画です。
平たく言うと、どんな逸材が潜んでいるか分からない。
それを探し当てれば原石、いや鉱脈を発見したようなもの。
編集者は目利きでなくてはいけないし、時代を読んでいなければならない。
合わせて、作家のモチベーションを上げ、サポートもしなくちゃいけない。
大変な仕事なのです。
しかしそう言われても…読む方にとってはただの気晴らし、娯楽に過ぎないのです。
 
今回は永山さん演じる下手くそだけどすごい才能を秘めている駆け出しの漫画家にスポットが当てられていました。
どれだけすごいのかはさっぱり分かりませんが、すでに長い間アシスタントをやっている沼田が、危機を感じるほどです。
 
沼田は中田の作品を読み、その才能に圧倒され、自分のふがいなさに自信を無くします。
沼田は20歳で賞を取り、アシスタントをしながら自分のものが描けないでいました。
次々に後輩たちに抜かれ、うだつの上がらない日々。
漫画家を諦められない。悔しい、でもまだ自分の可能性に賭けたい、そんな気持ちが苦しいほど伝わってきました。
 
しかしどこかで創作者は踏ん切りをつけなければなりません。
漫画家とは、片手間にやれる仕事ではないからです。
着々と新しい才能が花開こうとしています。
 
中田は屈折した青年です。悲惨な生い立ちを持ち、人を信用できません。でも表現するものには人をうならせるものがあるのです。
 
私はこの中田があんまり好きではありません。
大多数の目に触れる漫画は、やはり屈折した心で表現したものでは受け入れられないだろうと思うのです。
大衆芸能(娯楽?)という分野は、どこか希望に満ちた、明るいものでなければならない気がします。
そういう目で見ているから「うーんどうなんだろう、この人の描くものって」と懐疑的でした。
 
やがて沼田さんは葛藤がありつつ、漫画から足を洗う決心をします。
しかし、実は沼田さんもすごい才能を持った人だったのです。中田が沼田の描いたものを読んで感動して涙ぐみました。
沼田さんは編集者と相性が悪かったのです。
どんなに才能があっても、それを引き出してくれる編集者に会わなかったら、漫画家は芽が出ないのです。
中田の反応でハッとする沼田。しかし遅すぎたのです。
 
彼は漫画家を諦めて家業に戻ることにしました。
心機一転して酒屋の仕事をやり始めました。
「自分は漫画が好きだった。24時間漫画のことだけ考えて生きて来た。漫画さえあれば、現実なんていらなかった。この間、自分は何と幸せだったのだろう」
と彼は自分を振り返るのです。
 
この言葉がすてきでした。
その瞬間あたりがピンク色に輝いた気がしました。
「大成しなかったからダメだった」のではなくて、挑戦できたことが幸せなのです。
そこで頑張って来た、それこそが幸せなのです。
何と素晴らしい言葉なのでしょう!
沼田さんの冴えない風貌も愚直な生き方も、肯定されて好きになりました。
 
作家の苦労なんて…と思う人と「分かりすぎて辛い」と思う人。二つに分かれると思います。
私は先週は冷めた目で見ていました。が今週は打って変わって暖かい気持ちになりました。
来週も今週の続きのようです。まだまだ編集者と作家との格闘は続きます…。

「OUR HOUSE」6話の感想

2016-05-25 10:53:37 | ドラマ
話の流れや人物の構成は悪くないのに、色んな所が雑で勿体ないなぁと思いました。
更に桜子の独り合点なセリフが見ていて恥ずかしくてたまりません。
 
今回は、引きこもりで2年遅れてしまった男の子・省吾(桜子がよく家に通っていた子)が学校に出てくるのですが、それを桜子がサポートするという話でした。
しかし、2年こもっていて出てきた割には悠々とした態度に優しさまでみせます。
 大人の感じなのです。どうして彼が?と不思議なくらい。
二人はスケートに行ったりゲームセンターへ行ったりして、以前にもまして親しくなります。
そして桜子に「これからもずっとそばにいて」と頼み、桜子は有頂天になります。
 
所が一体どういう訳か、突然彼は桜子の家で中学生と思えない差し出がましいことを言い始めるのでした。
家族は呆気にとられます。
長男にも説教し、弟妹にも諭し、アリスにもずけずけとものを言います。
そして皆の前で桜子に「こんな家は出て、僕と一緒に…」と、駆け落ち?と思わせる言動に出ます。
 
何ですかね、この破たんは。
引きこもってた中学生が元気になるのはいいとして、いきなり他人の家へ行って家族に説教とは。
キャラもだけど、これ、あっちこっちメチャクチャですよね。
作者は頭の中でセリフを書いてるの?
現実の人間ではないですよね。
それとも嫌々仕方なく書いてるの?
血の通った家族の話ではないです。
とても違和感を感じました。
 
二つの家族の離婚の話と、ひきこもりと、新しい母親が来た家の話。
そりゃーゴチャゴチャにもなりますわ。
それをいっぺんに解決しようとするなんて、所詮無理だと思うんですが。
ふくらまし方によってはすごくいいドラマになると思いますが‥本当にもったいないです。
 
今回はこれらを濱田くんの家が「突然誰にも言わずに引っ越す」ということで解決しました。
そりゃないわ。
桜子に一言もなく、気付いた時には家は空っぽ。
部屋に残ったプリクラの裏に「ありがとう」の文字が残っていました。
おいおい、何も解決してないじゃん。それでいいのかい…。
 
桜子の熱演が空回りしている。
アリスが桜子に対立出来ていない。脇役も何だかだるそう。
せっかくの役者が引き立ってない。
はー…。
でも、少しだけ桜子は大人になり、継母との距離も近くなったようです。
その点では成功してます。でも何だろう、見ている方の肩透かし感は。

寒い冗談など交えないで、きちんと人としてのセリフを書いてほしいです‥。
やっぱり家族の話を書くのは難しいのかな、作者は。
来週はアリスの秘密が明かされるようです。
駒みたいな存在でしたが、その内面にどう迫ってみせるのか。
残り僅かになりました。多分…
              
 
 

「火の粉」8話の感想

2016-05-22 11:49:24 | ドラマ
思いがけない展開になってきました。
今回はずいぶん幾つもの出来事がありました。
そして、異常な事態に追い詰められた梶間家の人々が取った行動は…
意外なものでした。
初めは嘘くさい幸せのふりをしていた家族が、それぞれ独自の考えで立ち上がったのです。
 
あんなに頼りなかった長男は、池本と組んで一芝居打ち、それによって突破口が開けました。
優香は「もう幸せなふりをするのは止めましょう」と宣言し、堂々と武内に
「こういうことをするのはよしてください。あなたは私たちの家族じゃない」と言います。
そして祖母の尋恵も、以前は武内に合鍵を渡したり、「一家の主として見守ってほしい」とおかしなことを言っていたのに、今回は武内の家に出向き、「あなたは私たちの家族じゃない。梶間家の主は主人です」とはっきり伝えます。
また、怯えていた祖父は、今まで家族がいてこその幸福だったと噛みしめ、この困難に立ち向かうことを皆に伝えます。
「どんな結果になろうとも、私は真実の中で生きていたい。家族を取り戻したい」と。
 
そして以前にもまして、梶間家は家族のきずなが強くなります。
そんな梶間家にひそかに嫉妬する琴音。
彼女はもうかなり変になっています。
武内の家に上がって豪華な料理を作り、武内が何か言おうとするとテーブルを叩いたり。
自分だけが竹内を理解していると言い張ります。
武内から「君とは家族になれない」と拒否されたのにも関わらず…。
 

梶間家以外の人物がどんどんおかしくなっています。
一番は池本です。
行方不明の筈だったのに、どこからともなく現れ、妹一家が殺された復讐の念に燃えるのです。
今回は俊郎との共謀をし、墓地で待ち受けて武内を殺そうと企てました。
 
さすが池本はジャーナリストだけあって、武内の本性を見抜いていました。
亡くなった母親のいいつけを守り、「いい子にしているのよ」というその言葉を勝手に守って来た武内。
様々な迷惑を周りの人にかけて来たのです。
そして母親あてに自分の思いを入れたビデオや手紙を30年間も送り続けてきたのです。
墓の下にごっそり郵便物が入っています。それを開けて読み、池本は武内の正体を知ります。
 
「お前は自分の孤独が怖い。だから家族を欲しがっているのだ」
しかし、そんな人間を母親は望んでいない、と言うのです。
そして、ナイフで武内を襲ったその時、池本は逆に誰かに刺されてしまうのでした。
 
何と‥
一人で勇敢に戦って来たのに、最後に災難が降りかかってくるとは。
 
刺したのは琴音でした。
もうすっかり尋常ではなくなった彼女。
自分だけが武内を愛してあげられると思い込んで、異常な行動を起こしてしまったのです。
 
来週、もう池本は登場しないようですね。あのまま死んでしまったのかしら…。
一人ひとりの内面に焦点を当て、じっくり事態が変わるのを描いています。
小説が原作なんですよね、小説らしい丁寧な書き方で感心しました。
 
ユースケの不気味な存在感にこのドラマが引っ張られていましたが、今回そんなに怖がるほどではないのだと思いました。
あのままだとホラーですもんね。
家族の結束が強くなり、それぞれが成長しています。
 
今回は一つの山でした。
来週が最終回だそう。どんな結末を迎えるのか。
琴音はあのまま狂いっぱなしなのか。納得の行く結末であってほしいですね。

「ゆとりですがなにか」5話の感想

2016-05-17 13:43:17 | ドラマ
「ラヴソング」と「お迎え」は脱落し、「不機嫌な果実」は録画したものの、10分間見ただけで気持ち悪くなってギブアップ。
書くものがなくなりました。
「ゆとり」を見直して、肌に合わないのは何故か?考えてみることにしました。
辛口ですが許してください。
 
録画を見直しても、筋書きは意外性があって面白いんですよね。しかしどうしてか心に響かない。
何か話が上に広がっていかなくて、横に広がるばかり。
話のネタを身内同士で回してる感じです。
それと、出てくる女がみんな玄人っぽいんです。
ずけずけ物を言い、不健全な交際やバイトにも抵抗がない。
坂間の妹ですが、就活してるんならリスク考えてコンビニとかファーストフード店とか幾らでもありそうなのに。
何か女の行動が、男の好きなゲスイ方へ流れていくんだわね。
 
今週は発達障害の母親が胸元チラリで山路の耳元にささやきかけたり。普通します?こんなこと。
結局、作者は女をこういう風にしか見てないんでしょうね。
それと、山路と坂間の気の弱さ、不器用さが回りに面白そうに翻弄されていますよね。
それをわざと楽しんでるのが作者の視点なのか?
二人が周りに弄ばれ過ぎて、かわいそうになります。
 
でも山路ははっきり言いましたね。
元実習生に対して、「あなたが言ったように毎日大変だ。でもそれでも自分はやっている。こんな俺でも仕事している」と。
いいぞ、よく言った!
ここは山路の男らしさを感じました。
 
細かいことを言うと、発達障碍児は算数得意な子が多いし、父兄と一緒に授業するなんて聞いたことがない。
私の同級生の小学校教師は「低学年なら幾らでも手が抜ける。こんな楽な仕事ないわ~」と言っていました。
何か私の見て来たものとは違うんだよね。
しかし、ワンシーンどれも人の心を引き付ける面白さがあるのは確かです。
山岸やレンタルおじさん、サクラなど、 脇役一人ひとりの存在感があって全体が引き締まっています。
 
所で、坂間が妹がバイトしてるだけであんなに大騒ぎする理由って何なんでしょうね。
今流行りの「妹萌え」ってやつですか?
何だか岡田君のイメージ、変わりましたね…。