今日の考え事〈applemint1104〉

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「NHKスペシャル・彼女は安楽死を選んだ」の感想

2019-06-03 11:20:07 | テレビ
見るのが怖いようなでも見たい気持ちが強くて見てしまいました。
主人公は小嶋ミナさん、51歳です。
彼女は47歳の頃進行性の神経の難病にかかり、このままだと体の機能が失われ呼吸器が必要となると宣告されました。
今は会話も出来一人で食べられるけれどいずれ寝たきりで植物状態になるのを絶望して何度も自殺未遂をし、やがて安楽死を望むようになったそうです。
 
見た所喋りはゆっくりだけれど、食事も一人でしています。姉妹と出かける事も出来て意志の疎通もしていました。
なぜそんなに死を望むのか、希望は1㎜もないのか、見ていて不思議でした。
けれど本人の意志は固く、姉たちとも何度も話合いを繰り返して、その気持ちは尊重されるようになりました。
 
安楽死はスイスの他にも色々な国で認められているそうです。でも他国の人を受け入れているのはスイスだけだそうです。
当然、審査があり、死が本人にとって避けられないものであり救いだと認められなければなりません。この審査はかなり厳しいようでした。
 
にしても、安楽死の最後に立ち会うという辛さがどんなものか、見ているとヒシヒシと伝わってきます。
最後の日の前夜は姉妹で食事会をしその様子が映され、翌日タクシーで病院へ行く間もカメラが回っています。
タクシーの中は凍り付いたような雰囲気でした。無言です。
ベッドにミナさんが入り、いよいよ点滴が腕に取り付けられます。点滴の弁は本人が開くのです。点滴から約30秒で死に到ります。
ミナさんは姉たちに最後のお別れを言いながら弁を開きます。
そしてずっと感謝の言葉を述べ続けます。姉も側で体に触れながらそれに答えています。
あれ?薬が回るの遅いな‥と思っていたら、その後ほんの数秒で頭を僅かに横に向けた状態のままミナさんは動かなくなりました。
最期でした。その姿は静かで冷たく、死というもののリアルさを現していました。
 
見終わってからも色々な場面がズシンと心の中に残る重い内容でした。
最期の時までミナさんは沢山話をして、姉たちと人間的な意志の疎通があったのに、死が訪れた途端石のように動かなくなってしまった。たった数秒で。
その差が私には衝撃でした。
 
でもこれを見てはっきりしたけれど、私はどんなに絶望的な環境になっても自ら死ぬという選択肢は選ばないだろうと思いました。
やっぱり、怖いです。
どんな風になっても、そして他人の手を患わせることになったとしても、何らかの可能性を探るだろうなと思います。
わがままでしょうか‥?
 
彼女は独身だったから、これ以上姉たちに迷惑を掛けたくなかったのもあるでしょう。同じ姉妹で妹がいるそうですが、その人は安楽死に同意出来ず、立ち会いませんでした。
 
よく言われるのがクオリティオブライフ、生活の質です。生きていてもその質が良くなければ、生きている価値がないのです。
それを考えれば、ただ生きていて回りの迷惑になるような人生は、受け入れられないという考え方もあるのでしょう。
 
人生100歳まで生きるのを目標に、政府は「ずっと健康でいられ資産形成もする人生」と理想を押しつけています。
年取っても生きがいを持ち誰の世話にもならず快活に毎日を過ごすなんて、限られた人にしか出来ないのでは?と鼻から思ってしまいます。
これから少しずつ安楽死の論争は広がって行きそうです。


1 コメント

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Unknown (Unknown)
2019-06-07 02:48:35
姉達突っ込み所満載
周りがこれじゃあね
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