裏番組の中居君のスポーツ番組をつい見てしまい、面白くてやめられなくなり結局最後まで見てしまいました。
今日改めてトレースの録画を見ました。
まぁ緻密に組み立てられた殺人事件でした。
児童養護施設で育った3人、その中の女子梨央が、念願かなって女優になり、その道で成功します。
彼女は施設入所時はなじめないでいましたが、二人の男の子の励ましと友情で楽しい生活を送ることができました。
しかし梨央が芸能プロに受かった頃から二人との仲が悪くなりました。露骨に嫌味を言われ、梨央は背を向けられてしまいます。
今回の殺人事件はその男の子二人の一人、御手洗が友人の根岸を殺し自首したことで明るみに出ました。
ところが梨央の話だと、二人はとてもそんな殺人を犯すような子たちではなかったと言います。
御手洗は、根岸を殺害したと自白し、御手洗はこれとは無関係の益山という男の部屋から1千万を奪ってそれを河原に埋めたと言います。
御手洗と根岸、二人と益山の関係が何なのか分からない。
そして事件の捜査が始まるのですが、科捜研によるとどうも不可解でした。
血の凝固具合、残された血痕がどう移動したかを分析すると、御手洗の証言に矛盾があると分かりました。
御手洗は何かを隠している。
それが何なのか‥
という視点で徐々に真相が明らかになって行きます。
ななんと、御手洗と根岸は、実は梨央を陰ながら応援していたのでした。
フリーライターの益山から、梨央の生い立ちを暴露すると脅され、高額の口止め料を払い続けていた。
それを支払うためにきつい肉体労働や、オレオレ詐欺にまで手を出していました。
そしてある日、とうとう堪忍袋の緒が切れた根岸が益山を刺してしまったのでした。
怪我を負った益山は弟に電話し、弟が根岸を刺した。
ここまでは、なさそうな話でもないですが‥
そこからです。
部屋に来た御手洗に根岸は刺され苦しみながら、説得をするのです。自分を殺してくれと。自分が死ねば梨央は守られる。
梨央は自分たちの夢だった。どうか彼女の将来に傷をつけないでくれ…
と滔々と説得するのです。
傷ついて死にそうなのに、そんな状態でもまだ幼馴染をかばい、梨央の成功を夢見る。
それに同意して、辛いながらも根岸を刺す御手洗でした。根岸は息絶えます。
‥暗い、暗すぎる。そこまで自分を犠牲にするって‥、なんなの。美化もいいとこでは。
それら全てを、虎丸(船越)の前で自白する御手洗でした。
しかし、そこで終わりではないのです。
事件の全貌を理解した虎丸が驚きの決断をします。ここが一番の大事なところです。
御手洗に向かって「お前のいう事なんか当てになるか。根岸が益山を殺した動機は不明として送検する」というのです。
なんたるこっちゃ。出来るのか?一刑事の独断と偏見が、通るもんなのでしょうか?
しかしこの判断がないと、この悲惨で悲しい事件は、どこにも怒りをぶつけようがありません。
虎丸の決断が通るのは、根岸を刺したゆうた(字は不明)が何も知らなかったこと。そして御手洗は根岸からの依頼殺人だったこと。
事件の真相を隠したまま、丸く収まるということなのです。
上手く収めたもんだなぁ、と思います。
でもこの内容が、「施設育ちの人の存在は悲惨で夢も希望もない。だから同じ出身者の夢を強くかなえたいと思う。
その為なら何をしてもかまわない」と言わんばかりの身の上不幸論が何だか嫌だなぁと思うのです。
また、虎丸の温情に対しても、いいこと言ってるのにそう見えないのは何故でしょう。
船越の元妻の行動が甦り、「船越よ、お前の場合はどうなのよ…」と逆に尋問したくなります。
こういうセリフを言わせるならもっと私生活が穏やかな人に言わせた方が無難でしょうね。話がそれてすみません。
でもこの中で船越さんのセリフ「よく一人で頑張ったな!」という言葉が胸にジンときました。
こういう風に言ってくれる父親のような人がいれば、彼らも何かが変わっていただろうと思います。
いやー複雑なストーリーでした。
それにしても、錦戸さんの存在が薄いのが残念です。