今日の考え事〈applemint1104〉

自分の体験やニュース、テレビドラマや映画などについて感じた事を素直に書いて行きます。

「モンテ・クリスト伯」最終話の感想

2018-06-19 10:54:26 | ドラマ
最終回を見て色々考えることが多く、書いたのに保存していました。でも折角なので遅くなりましたが上げておきます。
------
今までの全ての疑問が解説されていて、説明が行き届いていました。
途中のグタグタを一掃するような鮮やかさで、びっくりしました。
しかし、どこまでも陰惨な話でした。

真海は、友人の裏切りを許せなかった。直接二人に聞きましたよね。彼らの話で明らかになったことはやるせない事実でした。
幸男は暖を見て嫉妬に駆られていた。すみれをいずれ取られるだろうと。そしてその通り取られてしまった。
真海が神楽に対して残酷な仕返しをした理由も明かされました。
他人を使って人を潰す。自分の手を汚さずに。そういう神楽の姑息なやり方を真海は憎んだ。だから特別残酷な復讐をしたと言うのです。
 
にしても神楽の苦しみ方はどこかすっとぼけていて、そんなに苦しんでるように見えなかった。
この人の演技なのか、あっけらかんとしていました。
下半身下着だけなのも滑稽でした。

幸男はそれに比べると陰湿です。そんなに暖を憎んでいたのか。女を取られたことがそんなに大きな事なのか、と聞いてみたくなりました。
友人達を招待し床にまき散らした灯油の上で、真海はすみれにプロポーズをします。
すみれは泣きながら承諾します。勿論、心からそう思っているのではなく、幸男と神楽の命がかかっているからやむを得ず苦渋の応対をしたのです。
でも、これが演技なのか本心なのか見分けがつきません。だって彼女は元から真海を暖だと分かっていたのですものね。
 
これまでやりたい放題やってきた登場人物へも、真海が罰を下したような結果になりました。
一番の悪者は入間公平です。この期に及んで自分が生き埋めにした我が子に対して、22年後に再び手を掛けたのでした。
入間が殴り、安堂は生き埋めにされました。‥この人は自己保身の固まりです。
そこで表れたのが土屋でした。彼は安堂が生まれてすぐ埋められた時にも掘り起こし、今度も何故か安堂を助けます。
安堂にとって二度目の命の恩人です。

留美は我が子である安堂と、関係を持ちしかも堂々としています。
彼女は警視庁の会見に乗り込んで、入間がこれまでしてきた犯罪をテレビの前で暴露します。(普通なら取り押さえられるところですが)
入間の妻、瑛理奈は、祖父を毒殺しようとしていました。が間一髪で見つかりました。しかし、今まで2人毒殺し、美蘭までもが毒殺されそうになっているのです。
入間はやっと妻の反抗に気づきました。
祖父を救ったのも真海でした。
妻は毒を飲まされて息絶えます。入間は頭がおかしくなって、庭に這いつくばってシャベルで土を掘り返しています‥。
その前に彼の独白がありました。
「立派な人になりたかった。幸せになりたかった」と。今までとは裏腹の言葉です。
自分の父親のように汚い大人になりたくなかったというのです。にしては一番汚い大人になり下がってしまいました。
 
全ての復讐を終えて、真海はマッチで火をつけ、灯油まみれの床に落とします。火が勢いよく上がります。
「楽しかった‥」と呟く真海はたちまち炎に包まれます。
最後のシーンでは、お墓参りをするすみれと娘がいます。神楽と幸男、入間は逮捕されました。
しかしテレビのレポーターは真海が消息不明であるということをほのめかしています。
 
終わりの場面、海岸を歩く男と、反対側から近づいていく女の姿が映ります。どうも女は愛梨のよう。
男がアップの横顔になります。逆光で顔は映りませんが、どうも真海のようです。あごひげがそれらしいのです。
真海は、どこかで生き延びていたのでしょう。
見る側の想像力に任せるという、曖昧なシーンで終わりました。
 
久々に見る完璧な最終回でした。
復讐をした後は自分の死でもって償うくらいの覚悟が要るということなのでしょう。
悪い人というのは徹底的に悪くて、一般人の想像をはるかに超えています。
だから本当に関わるつもりなら自分の命を賭けて戦わなければならないのでしょう。
 
復讐が何も生まないということがはっきりしました。
今なら生きて莫大な資産があればどんな人生もやり直せる。
このドラマでは小さな過去の嫉妬や憎しみの方が重要だと言うのでしょうか。
復讐というテーマが時代遅れのような気がしましたが‥、それでもまだ真海を生かしたかった脚本家。
そこに何かの意図を感じました。


コメントを投稿