近未来の2030年の家族を描いたドラマです。
15年後というと遠いようで近い、今の延長なのですが、やはりデジタルな生活というのは相当進んでいるでしょうし、今出始めているものはポピュラーになって生活に生かされていることでしょう。
そんな未来を、セットで再現してみせてくれました。
高齢化が進み、人口の35%が高齢者だというその頃、老人の町「永遠シティ」が賑わっています。
どこを見ても老人だらけ、店の店員も老人です。
太極拳をする人たち、セグウェイで移動する人、板倉家のおじいちゃんはロボットスーツを着ています。
おばあちゃんの部屋には体調管理のデータが映るガラスボードがあり、3Dプリンターでお菓子が出来あがります。
しかしそれに比べて家族の絆はもはや薄くなっています。
一年に一度、板倉家では家族が集まりますが、両親は離婚しており、祖父祖母は高齢者タウンの住人です。
子供達は「家族なんていらないよ、こんな町なくなればいい」とか「もうこんな集まり止めよう」と
あり得ないほど悲観的なのです。
皆それぞれ快適な生活をしている筈なのに、何故か空虚です。
家族なんて面倒臭い、いらないと言って子供達はそこから逃げ、別のものを求めて行動します。
でもなかなかその代わりの物が見つからないのです。
長男は人間の煩わしさから逃れているが寂しさは隠せず、ロボットを話し相手にしている。
シェアハウスの住人から突然「あなたの子供が欲しい」と言われ動揺する。
妹は名門大学を出て、有名企業に就職する。結婚するが離婚し、会社も辞める。
そして廃校の小学校で手作り品を作って売る会社を立ち上げる。
2030年、家族はバラバラになり煩わしさから解放されるが、心は空しい。
新しい物を見つけても、それは人とのつながりであり家族の代用だと知る。
このドラマでは家族に焦点を当て、将来は解体されるものとして描かれるが、やがて絆への再生の希望が見える。
長男は家族を作ろうとしている。妹は自分を振り返り心の中を知る。
父親も新しい旅立ちに向かう…。
15年後の近未来ストーリーという試みは新しく面白いものでした。
が、意図が大きすぎるのと、若干詰め込みすぎで消化不良でした。
作者の思いを語るというドラマ。説明に終始し、事件が起こらなかったので面白みに欠けていました。
中盤から中だるみで、もう飽きてきました。
現実離れしたシーンも見受けられました。子供が桜の木に登って「桜なんか咲くな」と泣くって…、一体何が不満だったのでしょうか?
息子と娘の悩みは、未来じゃなくても今でも充分当てはまる状況の気がします。
しかし未来の生活を空想することが出来ました。自分はどうなってるんだろうと…
いつも過去か現代かの話じゃ、つまらないですもんね。
善し悪しは別にして、目先が変わった不思議なドラマでした。