今日の考え事〈applemint1104〉

自分の体験やニュース、テレビドラマや映画などについて感じた事を素直に書いて行きます。

「そして誰もいなくなった」前後半の感想

2017-03-27 16:19:09 | ドラマ
二日続けてのスペシャルドラマ。俳優陣が豪華で、アガサクリスティー原作、孤島の連続殺人事件
という興味をそそる題材ばかりだったので見てみました。
しかし、私は殺人事件が嫌いです。
人一人育てるのも大変なのに無造作に人が殺されるというのが嫌でしょうがないです。
アガサクリスティーでなければ見なかったでしょう…。
 
さて、設定が変わっています。ある人達が島に招かれて、皆のこのこ出かけて行くのです。
しかしそこは孤島で、無人。悪天候なら何日も孤立してしまいます。
そんな訳の分からない場所に、一癖二癖ある人達が集まります。そして立派なお屋敷の中で、招かれた人は次々に殺されていきます。
彼らは、過去に何かがあった人たちで、こっそり罪を背負って生きていたのでした。
部屋にある「兵隊さんが…」はよく見るトリックで、これから起きる事件を暗示しています。
詩の通りの内容で人が死んでいきます。

十人いるので一日目は矢継ぎ早です。向井理さんは始まってたちまち殺されてしまいました。
しかし、判事が殺された時に何かおかしいと思いました。
余さんが医者として躊躇していたのです。
そんな事はお構いなしに、二日目もジャンジャン殺されて行きます。
徐々に手口のヒントが明かされます。不自然に出て来る話題。たとえば昆布だとか。新聞の日付の切れ端。
どこかに証拠を残して、犯人はこの事件の解明を誘っているのです。

二日目の殺され方に不自然さがありましたが、とにかく全員が亡くなってしまいます。
その事件を解き明かす有能な刑事が登場します。
それが沢村さん。ニコリともしない石のような性格でこの事件に取り組みます。
まず部屋のあちこちにあった60数個のカメラを彼は見つけ出します。
これが全てを映し出していたのです。
全貌が見え始めました。

そして最後に、犯人の長いメッセージがありました。
犯人は元判事でした。六番目に亡くなったと思われたのは嘘で、共犯者としてスカウトされた医師がごまかしていたのです。
実は判事は生きていて、全ての犯罪を実行したのでした。

最後にトリックと計画した彼の気持ちが語られ、そして彼は自殺します。
つまり彼は人を殺したいという強い願望を持った人間だった。それで人を裁く仕事に就いた。
しかし、人を殺めたいという強い衝動の方が強くなり、連続殺人を思いついた。
選んだ人々は過去に罪を犯した人ばかり。それを知っていた判事。
彼らには殺される理由があった。
用意周到なトリック。
完全犯罪を目論み、曽てない犯罪歴史に一頁を残すだろうと自負する元判事でした。

でも、そこで終わったらアガサは犯罪者の味方というレッテルを貼られてしまう。
その上を行く刑事を登場させ、「どうだ参ったか」と慢心していた犯罪者のトリックを解き明かして見せたのでした。
 
豪華俳優陣と舞台のスケールの大きさ、物語の珍しさと、なかなかの物でした。
これが渡瀬恒彦さんの遺作となりました。是非これはやりたいと語っていたそうです。それを考え合わせるとまた特別なドラマに思えてきます。
 
一つ言わせて貰えば、元判事の告白、「生まれつき人を殺したいという願望があった」とサイコパスの性格でしたが、そうでなくてもよかったのでは。
判事なんだから、「罪を犯して生きている人たちに対する怒り=義憤」でこの犯罪を犯した、でいいのではないかと思います。
サイコパスにしてしまうと、いかにもな感じがしてなりません。
「大義のためにやった」の方が納得出来ます。皆さんはどう思われるでしょうか。

アニメ「おおかみこどもの雨と雪」の感想

2017-03-25 10:37:18 | エンタメ
昨夜何気なくテレビをつけていて見始めましたが、前半とんでもない方向に話が進んで行き、ドン引きしました。
なにせ、一人の平凡な女子大学生が、大学の講義に現れる不思議な男に惹かれて付き合うようになりますと‥
なんとその男はニホンオオカミの化身なのでした。
そして、普通に同棲し、身ごもるのですよ。
その間にこの女子大生の気持ちに何があったかは一切説明していません。
のほほんとした女の子は普通にオオカミを好きになって普通に子供を産むのです。
人間的な葛藤や肉親との関係など、無視。
 
幸せな生活でした。
オオカミ男は時々野生に戻って狩りもします。その後二人目を身ごもり無事出産(自宅で産む)、育児はますます大変になります。
オオカミを育てるノウハウがどこにもないので、戸惑いが半端ありません。
しかし、ある時オオカミ男は、川の中でひっそりと死んでいたのでした。狩りの途中だったよう。
ゴミ車に乗せられ運ばれて行く様子を見て、打ちひしがれる女の子でした。
死んだオオカミの姿がすごく悲劇的でした。
 
その後女の子は一人で子供を育てるのですが、さすがに近所からの苦情や、福祉員みたいな人の訪問で誤魔化しきれません。
そこで、山の中の廃屋のような家へ引っ越します。

でも、そこからがまた一苦労でした。子供を学校へやったはいいけれど、どうも周りと違う。
徐々に娘は落ち着いてきます。
そして娘は環境に適応したけれど、息子はどうしても馴染めません。
しかも気をつけていても、人間と違うことがばれてしまいます。
同級生から獣の匂いがすると言われ、娘はかたくなになります。
そして、一旦オオカミになると野生の本能でとにかく凄いのです。家の中も破壊しまくります。
 
どうも気になるのが、この母親です。おっとり屋さんなのです。
そんなに厳しく子供をしつけるでもなく、あまり物事を深く受け止めずに流していきます。
結果、弟は野性の本能が抑えきれずにオオカミとして山へ旅立つのですが‥。
もうこの辺は胸が一杯になります。
旅立つまでのシーン、自然やオオカミの動きが素晴らしい、迫力ある映像になっています。
母は旅立った息子を恋しがりながら、「頑張って生きるのよ」と応援の言葉をかけます。
 
見ながら、これはオオカミという寓話のカタチを取っているけれど、人間の話なんだと気づきました。
生まれた時には何も知らない赤ん坊だけど、成長するにつれ、その人本来の素質、才能が発現してくる。
それはオオカミが野性を現した時のように、凶暴で抑えの利かないものだ。
だから人間も成長したら「社会」という所に戻って、その人本来の野性や才能を発揮して行かねばならないのだ、と。
そんな風に語っているように思えました。
まぁいくら本能を取り戻したからと言って、人間として生きて来たオオカミだからあんなにかっこよく野山を駆け巡ったりは出来ないものでしょうが。
訓練しながら生きて行って、出来るようになるのでしょう。
それに、実際は動物が生きてくって、相当大変ですよね。弱肉強食の世界です、動物関係のドキュメンタリー見てると良く分かります。
でもここでは例えですから…
 
前半の気持ち悪さをグッと抑えて見て行くと、どんどん引き込まれます。
自分と親の関係、自分と子供の関係をこの映画に重ねてみると解りやすいです。
すごく象徴的で、泣ける映画でした。久しぶりにアニメで感動しました。

「カルテット」最終話の感想

2017-03-22 11:13:46 | ドラマ
昨日は途中で睡魔に襲われ、後半寝落ちしてしまいました。
今日録画を見直しましたが‥
いやー見事ですね。情感たっぷりの幕引きでした。
私としては偽早乙女真紀の事件がひっかかってなりません。
母親が自転車事故で亡くなって2億の賠償金を貰ったと?損害賠償というのはその人の収入から割り出されるものであって、
主婦なのに2億なんてあり得ません。
しかも逃げるために戸籍を買ったと言っても裏社会では意外に普通に行われていることのようです。
プロの奏者でもない一個人が戸籍を買ったって、それがどれだけニュースの価値があるのか?
更に、義父が亡くなったのも「疑惑」なだけでしょ。証明できないじゃん。
そんな事件を連日マスコミが取り上げるって、ありえないでしょう。

大規模団地に一人で住んでた経緯も、交友関係も説明なく、3人はストリートビューで真紀の住んでる場所をつきとめます。
その場所で演奏して彼女をおびき寄せるというのがたまたま、成功したのでした。
真紀さんは別荘に舞い戻りました。
真紀さんの過去の事件だけでもう一つ話が出来そうなんですよねー。
ついつい事件に注目してしまうという私の性格から、気になってたまりませんでした。
そして、伏線っぽく見えた数々の事はそのまま放置となってしまいました。
アリスちゃんは只の変人だったの?
真紀さんの元夫のその後は?
義母さんは?
…釈然としません。
 
でも4人の見事に息の合った共同生活は、羨ましい限りです。
っまらない事ばっかり言い合ってるけど、少しずつお互いにスルーして、ケンカにもならず上手く生活しています。
演奏者としてどんなにダメ出しをされても、犯人のレッテルを貼られても、社会人としてちょっと変わってても、4人の間には絆があるのです。
世間や社会の価値観から自由だという所が強みです。
まぁ色々おかしなところは一杯ありましたが、見ていてジワーっと来る温かみは他の作家には出せないものですよね。
おとぎの国の住人のような人たち。最後は涙が湧いてきました。
貧乏くさい感じが抜けないすずめちゃん、自閉っぽい別府さん。正体不明の真紀さん。突拍子もない家森さん。
一つ間違うと気持ち悪い人たちだけど、卑下も虚飾もなく憎めない人たちでした。
人と人の絆を書きたいのかなぁ、作者は。
私なら全部壊して一人ひとりの旅立ちを書くんだけどなぁ…。彼らは別荘を売りに出して新しい土地に移るようです。
 
役者さんたちの演技力と存在感が素晴しかったです。
総合的に言うと、(偉そうでスミマセン)三か月、見てきてよかったと思わせる満足感がありました。
 

「嫌われる勇気」最終話の感想

2017-03-17 12:05:04 | ドラマ
何か最終回で事実がごっそり出てきましたね。
ここに来て、今までの一つ一つに全部意味がありました。
18年前に蘭子の父親が捜査の指揮を執っていた強盗殺人事件。
それは状況証拠と自白だけでなされた起訴でした。
それは実は冤罪で、別の証拠があったのでした。
お上からの圧力でやむを得ず証拠を隠し、庭に埋めた父。それを10代の蘭子が見ていました。
このことを彼女はずっと心に封印していたのです。今回、大文字先生が心理療法みたいなのをやって、蘭子を過去に導きます。
捜査一課8係でも、別のアプローチが行われていました。
18年前に蘭子の父親が関わった冤罪事件の周りでどんな事があったか。次々に色んなことが分かります。

そして、いよいよ犯人に迫って行きます。
土方と近藤の殺人の黒幕はずっと大文字だと思われてきました。しかし調べると、そんな様子はまったくありませんでした。
な・なんと!「メシア」は鑑識の梶だったのです。なんでこんな脇役が~‥(ブーイング)
しかし、言われるとどうも不自然なシーンがありました。話の流れとは無関係な梶の「奥さん」小話。
コロンボの真似かよと思ってましたが、甲高い声がどうも不自然でした。
それがなんと…妻は18年前に亡くなっていたのです。つまり妄想。
彼はその時から心が壊れていたのです。
梶は18年前の冤罪事件の証拠を突き止めたのに、お上から圧力がかかり、それに反抗して蘭子を誘拐したらしいのです。
少しヒント下さいよ。ここになってそんな事件があったなんて…
 
そして、目隠しされていた子供の蘭子が、犯人の足音を覚えていました。
その足音が、今回の監禁と同じでした。鑑識が靴の上に履くビニールの音だったのです。
凄すぎる‥、どれだけ冷静なんだ。
梶は蘭子の父親を殺しました。
かつ新しい事実が出てきました。梶はその昔、「猟奇殺人事件」に関する交流サイトで(それもパソコン通信ですって、懐かしい)土方と出会っており、サークルで「メシア」と尊敬されていたそうです。
つまり、土方との関係がもうすでにあったと。
これも後出しです。何よ、ずるいなぁ。
 
まぁとにかく、梶と撃ち合いにもならず、蘭子は「罪は償うべきです」と、復讐を避けました。
梶さんが犯人と判ってすぐに連想したのは「アリスの棘」です。あの時も散々引っ張って、最後に出てきた犯人が、アリスの育て親のおじさんでした。
あれほどずっこけた時はありません、視聴者を馬鹿にしてるのか?今回も拍子抜けです。
 
まぁしかし、全てが明らかになりました。
大文字先生が傍で意味深な事を語っています。
‥人間は常に過去を改ざんしながら生きている(耳が痛い)。
記憶を封印して生きている。
庵堂蘭子が過去を払拭できれば、また新しいことに気が付くだろう、と。
「過去を知り、見つめ、それを乗り越えろ」と言いたいのでしょうか。「新しいこと」とは実際、何なのか?
蘭子は過去の記憶を掘り起こして、冤罪の証拠の血の付いたナイフを見つけました。
そして父親という人間の事実も知り(そんなに清廉潔白ではなかった)それを乗り越えたかのように見えます。
 
アドラーかどうかは知りませんが、一件落着です。青山君も死んでなかったし。(しかし先週の見せ方はないよね)
予想外の見ごたえがありました。よかったよかった。
なお、初めて気づいたのですが、「あんどうらんこ」は「アドラー」のもじりだったのですね。
A・D・R=アドラー。
これって、誰か気づいてました?私って凄いなぁ‥(自画自賛ですかい)
 

「東京タラレバ娘」9話の感想

2017-03-16 11:24:12 | ドラマ
いよいよ大詰めとなりました。
今回は大きな山場、香と小雪が今までの腐れ縁とオサラバする様子でした。
香はバンドマンの涼ちゃんとのなれ合いを断ち切ります。それは先週の金髪の辛口のアドバイスがあったからでした。
小雪は何という事か、丸井の奥さんが出産で帰っている所の家庭に、一泊するのです。
本人は躊躇っていましたが、雨が自分を煽り立てるみたいな事を言って(何となくわかる)、家へ入ってしまいます。
これはね、後々訴えられる行動だよ。これはあってはならない。
でも、本人はそこまでしないと気づかなかったことがあるのかもしれない。とことんまで行かないと目が覚めないというのもあるんでしょうね。
奥さんが帝王切開して子供を産んだという報告で、小雪はハッとします。
自分の置かれた立場と相手のことが見えてきました。
 
何か切ないですね。まぁーこの3人娘と言うのは、私から見たら、ただつるんで愚痴って馴れ合ってるだらしない女たちに見えるんだけど、
こういう部分がないとやってけないというのも、一方であるわけでして、そこがね~、だから軽々しく批判は出来ません。

でもねー、このドラマの中で飲食してる場面のなんと多い事。
そういう暇があったらもっと何かをするとか前向きになれよと言いたくなります。
男たちもどういう訳か周りに浮遊して、よく見るとフワフワした個性のない人ばかり。
はっきり言って甘ちゃんですよね。
天下国家を説かなくていいから、もっとしっかりせよと言いたい。
早坂さんはニコニコしてるだけで女から見たら「都合のいい男」だし、キーは有名人なのに小料理屋や倫子の行く先々に現れて何がしたいのか。
倫子にまとわりついている幽霊のような…。(タラレバを言うだけの役なの?)
涼ちゃんは天真爛漫で可愛いけど、小学生みたい。
そんな男たちって、手抜きキャラですよね。
うーん…、コミックは細部が面白いんだろうけど、ドラマにはしにくかったのかな。
次々に現れる男に体を任せ30代のうんちくを述べる倫子。
それを自分の仕事のドラマ書きに利用するって、安易じゃないですかね。
30代で子供何人か抱えて仕事フル回転で育ててる人もいるのにな。
まぁしかし、今回は小雪さんの切なさが共感できたので、恐らくこのドラマは「腐れ縁を断ち切るのがテーマ」のドラマなんでしょう。
そして思いがけないキーの本音が出ました。
今までずっと、亡くなった元妻への思いに引きずられていたのです。
ホントはものすごく純情でいい人なのでした。
恥も外聞もなく号泣する彼を前に、思わず抱きしめてしまう倫子は、早坂のことなど忘れ去っていました。

来週が最後ですが、倫子は、きっと早坂を捨ててキーと付き合い、彼とも別れるんでしょう。
30過ぎると、多くを経験しすぎて、選べなくなるのです。そして、徐々に仕事への自信もつくし。
しょーもない恋愛を全部クリアーして、振出しに戻ると。
三人は新しい気持ちを持って人生に臨む、という風になるのではないでしょうかね。
 
モヤモヤするドラマでしたが、何と言ってもパフュームのエンディングの曲が秀逸でした。
あれで全てが救われる感じがします。