波打ち際の考察

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波屋山人

角川春樹さんには、幻想こそが現実か

2009-12-25 22:51:41 | Weblog
11月14日(土)に映画「笑う警官」が公開された。
全国東映系の、大々的な興行。
テレビコマーシャルも集中的に流し、公開直後には角川春樹と27歳歌手との熱愛が報じられ、映画の宣伝に貢献した。

原作は50万部を超えた人気作。
キャストは今が旬の大森南朋など充実した布陣。

これでヒットしないほうがおかしいと思ったのだろうか。
監督、脚本、演技指導などを担当した角川春樹は、試写会の席で「150万人動員しなかったら映画をやめる」と豪語した。
<参考>
http://www.moviecollection.jp/news/detail.html?p=712

ところが、客が全然入らないので1か月もたずに打ち切る映画館が続出。
12/25現在、まだ上映している館は全国で4館。関東では新所沢の1館だけ。興行成績は3億にも達しないのではないだろうか。大損害だ。

Yahoo! 映画のレビュー欄を見ると、失敗の原因が想像できる。
現在、191人がレビューを投稿しているが、平均評価は1.94点。
これは稀に見る圧倒的低評価だ。
平均3.5以下の映画すら、ほとんど目にすることはない。

・「笑う警官」ユーザーレビュー
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tymv/id332960/s0/p1/or1/ds1
5星  3.7%  7人
4星  5.8% 11人
3星 18.8% 36人
2星 24.1% 46人
1星 47.6% 91人

レビューを書く人には、自画自賛の映画関係者もいれば、角川やavexのアンチ派もいるだろう。
だけど、レビューを読んだ限りでは、原作が良かったから期待して見に行ったのに失望した、というものがかなり多い。

それにしても、1つ星か2つ星の評価が7割以上。
このような酷評の嵐は今まで目にしたことがない。

これは大失敗として歴史に残る作品なのかもしれない。
だけど、メディアはこの映画の失敗を報道しない。
明日はわが身かもしれないから、落ち目の角川春樹を叩くようなことはしたくないのだろうか。

だが一般人には関係ない。何の遠慮もなく酷評レビューのタイトルが続く。
下記はその一部。

・余り使いたくない表現ですが、これは・・近年稀に見る駄作?
・こんな非道いのは久しぶり
・角川春樹は表舞台から消えてくれ
・監督の罪
・本年最低映画
・これは駄目! ひどい! 最低映画
・今年のワースト
・春樹のナルシスト映画
・三流料理人の自己満足
・静かにメガホンを置くべき
・今年のワースト・ワンです
・こんな低評価初めて見た。
・ここ数年で一番の駄作!
・なんなんだ、この駄作。
・角川春樹よ去れ!!
・ひ、ひどすぎる!!
・誰も止められないの?
・角川氏の自慰的映画
・俳優陣が気の毒! 監督のオナニー作品
・原作がいいだけに、もったいない駄作
・時間の無駄だった
・金返せ馬鹿
・金を払ってでも観たくないほどひどい!
・本当に最低
・角川春樹さん、引退してください

ユーザーレビューで4星をつけている人ですら、手厳しい。
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id332960/rid78/p1/s2/c2/
> 描写をきっちりやらないせいで訳がわからない上に
> バーのマスターの正体や主役たちのもう一つの顔とか
> 無茶な設定が次々と明らかになります。
> 映画の後に原作を読んで驚愕したのですが
> この辺の展開は全部春樹が自分で考えたものです。
> 悪魔とか神とか言い出すセリフも全部春樹オリジナルです。
> 中学生の心を忘れない春樹。

神といえば、角川春樹は自分のことを神だと思い込んでいるらしい。
娘婿にも書かれている

・婿ろぐ(角川春樹の娘の、現在の夫のブログ)
http://yaplog.jp/mukolog/8
> それくらいじゃ驚きません。
> なぜって、うちの父上はもっとすごいから。
>
> ( ゜Д゜ )オレ、ネ申ダカラ。
> 初めて言われた時は、びっくりしました。
> Σ(゜д゜lll)エ?
>
> ★2回目
> ( ゜Д゜ )オレ、ネ申ダカラ。
> ( ゜д゜)ポカーン
>
> ★3回目
> ( ゜Д゜ )オレ、ネ申ダカラ。
> (・∀・;)エ、エート
>
> ★4回目
> ( ゜Д゜ )オレ、ネ申ダカラ。
> (´∀`)デスヨネ~
> ・・・こんな風に受け入れていきます。
> 今じゃ、なんの疑問ももちません。
>
> 普通の人が言ったなら、病院送り決定です。(゜∀゜)マタヨシ?
> でも、春樹さんは尊敬されるビジネスマンです。


ぼくが警視庁勤務であれば、角川春樹さんがまた薬物を使っていないかどうか調べたくなる。
散歩を装って角川邸の近くを麻薬犬と歩けば、何か反応を見せないだろうか。

自分を神だと言う人は、何か幻覚か幻想を見ている可能性がある。
実力の足りない自分を客観視できないというのは、薬物の影響下にあるのかもしれない。

角川春樹さんは1942年1月生まれだから、年明けに68歳になる。
エネルギーが低下してきたのかもしれない。
知っている某出版社の60代社長もバイアグラを常用している。
(それは関係ないか)

何でもかんでもやれると豪語している人は、目立ちたがり屋、権力好きである場合がある。
そして、自分を大きく見せる人は、実力が伴っていない場合がめずらしくない。

例えば、新宗教団体の代表だと認識されている深見東州さんは、オペラ、京劇、バレエ、ファッションデザイン、陶芸、俳句など、さまざまな芸術に長けていると自称している。
オペラや京劇のことは知らないけど、俳句作品を見れば、かなりの初心者レベルであることがわかる。
「金子兜太先生の推薦により、現代俳句協会会員となる」と書いてあるが、本当なのだろうか。
<参考>
http://www.fukami.com/profile/index.html#haiku

下記の深見東州さんの俳句は、俳句のレベルに達していないものがほとんどだ。
俳句以前の問題。どんな俳人に見せてもそう言うのではないか。
せめて、形式だけでも整えればいいのに、二重季語の句も時々ある。
不勉強なのに、表現したいという欲だけは強いのだろうか。
http://www.fukami.com/profile/haiku.html

彼に比べたら角川春樹さんの俳句はずっと上等で、芸術のレベルに達しているものが少なくない。
だけど、角川春樹さんの俳句は寺山修司の俳句を連想することもあるのだけど、少し力んでいる気がする。気負っていると言ってもいい。
情念を見せているから、俳句の短さを活かしきれていない。
短歌のほうが向いていたかもしれない。

むかし、中上健次と角川春樹の「俳句の時代」(1985年、角川書店)を何度も読み返していたことを思い出す。
いい本だったけど、あの対談も、薬物を飲んでテンションが高い中で行われていたのだろうか。

かつて、角川春樹さんが1993年8月に逮捕されたとき、吉本隆明は「文学や芸術に立場が考えられるとすれば、たったひとつしかない。それはあらゆる悪もデカダンスも受けいれ、包み込んでしまうという立場だ」と言って擁護したけど、それは角川春樹の実力を認めていたからだろう。
芸術レベルに達しない表現を行えば、残念だけど、吉本隆明さんは角川春樹を支持しないと思う。


<参考>読売新聞11月20日
“映画全部を辞めちゃおうと思っています”
http://otona.yomiuri.co.jp/people/jaward/091120.htm

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